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親鸞伝~悩み多き英雄の偉大なる生涯

「悩み多き英雄、親鸞」

私は浄土真宗の開祖親鸞聖人をそう呼んでみたいと思います。

私たちひとりひとり、人生を生きていけば様々な悩みに直面せざるをえません。そんな悩みに対して私たちはどう向き合えばよいのでしょうか。そのヒントを与えてくれるのが親鸞聖人というお方なのではないかと私は思うのです。

親鸞聖人は生涯の最後の最後まで悩み続けられた方です。悟りを開いて万事解決という人生ではありませんでした。しかし悩みを抱えながらも最後まで力強く生ききられたのが親鸞聖人というお方です。
私はこうした親鸞聖人の生き様に深く感ずるものがあります。

親鸞聖人は何を心の支えに生きておられたのでしょうか。生きること、そして死をどう捉えていたのでしょうか。

私はこの悩み多き現代においても親鸞聖人の生き様や教えは必ず届くと信じています。

これから皆さんと一緒に親鸞聖人の波乱万丈の生涯を追っていくわけですが、きっと皆さんもこの「悩み多き英雄」に共感を抱くことになるでしょう。

また、本伝記は宗派の伝承だけではなく、最新の歴史学の知見を取り入れて聖人の知られざる一面も掘り下げていきます。時代背景がわかればもっと歴史が面白くなる!この連載を通してそんな読書の醍醐味も味わって頂けたらと思います。

親鸞聖人の人生は大いなる人間ドラマです。やはり世界に名を残す偉人にはそれだけのスケールがあります。ぜひその魅力を体感して頂けましたら幸いでございます。

親鸞聖人の生涯をまずざっくり知りたい方、そしてこの『親鸞伝』がどんな連載なのか、その雰囲気を感じてみたい方へ
→ 親鸞聖人とはどんな人?悩み多き90年の生涯をたどる

目次

第一部 親鸞の誕生と幼少期

→ (1)親鸞の誕生とその出自~藤原氏傍流の日野家に生まれた聖人と当時の貴族事情について
→ (2)親鸞聖人の優秀すぎる叔父たちの存在①日野範綱~あの後白河法皇の側近中の側近!?
→ (3)親鸞聖人の優秀すぎる叔父たちの存在②日野宗業~あの以仁王の教師も務めた超秀才儒学者
→ (4)親鸞聖人の9歳での出家~師匠は『愚管抄』で有名な天台座主慈円?

第二部 比叡山での修行時代

→ (5)『方丈記』から見る親鸞出家時の京都の地獄とは~死体が鴨川を埋め尽くす大飢饉・・・
→ (6)若き親鸞聖人の比叡山延暦寺での修行時代
→ (7)僧兵とはそもそも何者なのだろうか~中世寺院の仕組みについて
→ (8)白河上皇も恐れた山法師の強訴とは?親鸞在世時の比叡山の政治状況について
→ (9)比叡山の高度な学問と驚くべき勉強量だった貴族出身の僧侶たち~比叡山堕落説は本当だったのか
→ (10)比叡山を代表する傑僧慈円!親鸞が比叡山にいた頃、これほどの偉人がいた・・・!
→ (11)1180年の東大寺大仏炎上と重源、運慶ら復興にかけた奈良の僧侶たちの活躍とは
→ (12)親鸞が下山するまでの「空白の20年」に何があったのだろうか

第三部 比叡山下山と法然との出会い

→ (13)親鸞の比叡山下山と六角堂参籠~天台宗僧侶としての親鸞と千日回峰行との関係とは
→ (14)六角堂での夢告『行者宿報偈(女犯偈)』は何を意味していたのか。親鸞がなぜ法然の下へ向かったのか
→ (15)親鸞の生涯の師匠、法然上人~その教えとコペルニクス的転回とは
→ (16)法然が有名になるきっかけとなった大原問答と法然の独創性とは
→ (17)法然教団での親鸞の充実した日々~『選択集』書写や真影制作の許可など法然から信頼される聖人に
→ (18)信行両座と信心争論~若き親鸞は尖っていた!?法然教団を騒がした事件とは

第四部 法然教団の危機と建永の法難

→ (19)法然の多面性と多様な弟子が集った法然教団の危うさとは
→ (20)法然の七箇条制誡から見る教団の混乱ぶりとは
→ (21)「興福寺奏上」と執筆者解脱房貞慶の意外な事実とは
→ (22)法然・親鸞が流罪となった「建永の法難」とは

第五部 越後流罪~挫折と沈黙の時代

→ (23)親鸞の越後流罪生活の始まり~親鸞はどのような生活をしていたのか
→ (24)親鸞の恵信尼との結婚~親鸞の生涯における最大の謎について
→ (25)越後の親鸞の挫折と沈黙・・・親鸞を親鸞たらしめた越後生活とは
→ (26)非僧非俗「愚禿釈親鸞」の名乗りはなぜ行われたのだろうか
→ (27)師匠法然の死去と親鸞の沈黙~なぜ親鸞は法然の下に駆け付けなかったのか

第六部 関東時代~親鸞教団の形成と『教行信証』

→ (28)親鸞、新天地の関東へ!新たな拠点「稲田の草庵」に移り住む親鸞一家
→ (29)親鸞はなぜ関東に移住したのか~幕府の有力御家人宇都宮頼綱の存在
→ (30)親鸞の悪人正機説とは?誰のために、なぜ説かれたのか
→ (31)山伏弁円と親鸞の対決~関東滞在の象徴的出来事とも言える弁円の帰依
→ (32)明恵『摧邪輪』の衝撃~法然の『選択本願念仏集』への批判と親鸞への影響とは
→ (33)親鸞の主著『教行信証』の執筆とその意義とは~聖人のライフワークとも言える大著!

第七部 京都帰還と晩年の執筆生活

→ (34)親鸞、関東から京都へ帰郷。晩年の執筆生活の始まり
→ (35)真宗木辺派本山錦織寺と親鸞~親鸞が目にした天女の機織り伝説とは
→ (36)親鸞の京都生活のはじまりと謎の沈黙
→ (37)『教行信証』書写の許可と和讃制作への転換~わかりやすい布教スタイルへ
→ (38)「造悪無碍」の嵐~親鸞不在の関東で何が起こっていたのか

第八部 善鸞事件と親鸞最晩年

→ (39)息子善鸞の義絶事件と親鸞の絶望~親鸞最晩年の悲劇とは
→ (40)善鸞は本当に悪人だったのか~親鸞父子の悲劇を別の視点から
→ (41)親鸞最晩年の驚異的な執筆量~苦悩と共に歩み続ける親鸞
→ (42)親鸞の死~90年の生涯を終えた偉大なる僧侶の最期

あとがき

→ (43)私にとって親鸞聖人とは


親鸞ゆかりの地を巡る「親鸞伝の旅」

2025年、上に掲載している『親鸞伝』執筆のため、私は聖人ゆかりの地を巡りました。

この【親鸞伝の旅】は、現地を訪れた私が何を感じたかを記した旅行記です。

『親鸞伝』の中では書ききれなかった私の思いや体験をここに綴っています。

普通の観光案内とは異なる、一風変わった旅行記です。ぜひ気軽にお楽しみください。

① 誕生・幼少期と出家の地を歩く

→ 親鸞一族の菩提寺!法界寺の国宝・阿弥陀如来像が素晴らしすぎる!
→ 親鸞聖人の父と叔父が眠る日野御廟所へ~親鸞を育んだ日野一族
→ 親鸞出家の地・青蓮院で思わぬ涙…。
→ 京都・鴨川散歩は至福である~私の川好きの原点
→ 京都三条大橋のスタバが好きすぎる!鴨川を眺めながらのコーヒーに癒される

②親鸞と比叡山時代

→ 比叡山延暦寺の根本中堂の内陣には驚かざるをえない
→ 源信の本拠地で有名な比叡山・横川~親鸞はここで修行していた?
→ 比叡山僧兵はなぜ日吉大社の神輿を担いだ?神社と寺の意外な関係とは
→ 比叡山麓の園城寺も親鸞の比叡山時代を考える上では欠かせない
→ 親鸞は本当に95日間、比叡山から六角堂まで歩いたのか~その足跡を自分の足で歩いてみた

③親鸞が生きた時代の仏教 ― 運慶・快慶の世界

東大寺南大門

→ 興福寺の国宝・木造千手観音菩薩立像が実にドラマチック!私の大好きな仏像!