チェーホフおすすめ作品10選~チェーホフは小説も面白い!戯曲だけにとどまらない魅力をご紹介!
強烈な個性で突き進んでいくドストエフスキーは良くも悪くも狂気の作家です。
それに対しチェーホフはドストエフスキーと違ってもっと冷静に、そして優しいまなざしで訴えかけてきます。
私たちを包み込んでくれるような穏やかさがチェーホフにあります。こうしたクールで優しい穏やかさがチェーホフの大きな特徴です。ぜひおすすめしたい作家です!
強烈な個性で突き進んでいくドストエフスキーは良くも悪くも狂気の作家です。
それに対しチェーホフはドストエフスキーと違ってもっと冷静に、そして優しいまなざしで訴えかけてきます。
私たちを包み込んでくれるような穏やかさがチェーホフにあります。こうしたクールで優しい穏やかさがチェーホフの大きな特徴です。ぜひおすすめしたい作家です!
今こそチェーホフとゾラを読もう!―時代と世の中の仕組みを冷静に見る視点 これまで当ブログではおよそ1カ月にわたってチェーホフについてご紹介してきました。 ドストエフスキーを学ぶ上では必須という作家ではないチェーホフをここ…
松下裕氏の言葉はとてもわかりやすく、読んでいて引き込まれるような魅力があります。百年前の偉大な作家の解説書というと小難しいイメージがあるかもしれませんがまったくそういう雰囲気はありません。とにかく読みやすいです。
この本を読んでいるともっとチェーホフを知りたい、早くチェーホフの作品を読みたいという気持ちになります。
また、最初にお話ししましたように松下氏は『評伝ドストエフスキー』を翻訳された、ドストエフスキーにも造詣が深いロシア文学研究者です。
そのためこの本の中でも何度もドストエフスキーが登場します。
ドストエフスキーとチェーホフを比較して解説してくれますので、チェーホフだけでなくドストエフスキーのことも知ることができます。
この本ではチェーホフがいかに優れた作家か、そしてその特徴がどこにあるのかということがこの上なくわかりやすく書かれています。
そしてチェーホフだけではなく、ドストエフスキーとの対比も書かれているので、チェーホフを知りたい方だけではなく、ロシア文学や演劇を知りたい方にとっても非常に面白い知見がたくさん説かれています。
この本を読めばチェーホフだけでなくロシア文学の特徴、そしてそれらが現代日本を生きる私たちにどのような意味があるのか、どのような問いかけをしているかまで学ぶことができます。
この本はとにかくおすすめです。チェーホフ関連の本で何を読もうか迷っている方がいればまずこの本をお薦めしたいです。
この本の特徴ですが、タイトルにありますようにチェーホフの劇に特化して解説された参考書です。同氏の『チェーホフ芸術の世界』では小説作品のみを取り上げていたのに対し、こちらの本では小説作品は取り上げません。
チェーホフ四大劇の『かもめ』、『ワーニャ伯父さん』、『三人姉妹』、『桜の園』だけでなく、『イヴァーノフ』という作品についてもかなり詳しく解説されています。
演劇とは何か、小説とは何が違うのかということまでじっくり考察された盛りだくさんな本です。四大劇だけでなく、舞台演劇に興味のある方にもおすすめしたい内容となっています。
個人的な感想ですが『桜の園』は四大劇の中では一番読みやすく、印象に残った作品でした。
時代に取り残されていくのんきな田舎貴族と、現実的な商人ロパーヒンの対比はチェーホフの力量がまさに遺憾なく発揮されています。
本を読んでいても独特な間と余韻が感じられます。もしこれを劇で観れたとしたらどれほどのインパクトを受けるだろうかと思ってしまいました。
『かもめ』で圧倒的な成功を収めたチェーホフ。その新しい演劇方式は演劇界に革命をもたらしました。チェーホフは独自な劇をするということが世に広まった後ですら、この台本を見た舞台関係者は困惑してしまうほどでした。
この作品はチェーホフの劇へのこだわりが強く出ている作品となっています。
この劇は『かもめ』というロシア演劇界に革命を起こした作品を経てさらに円熟した作劇が光る作品となっています。
この作品の大きなテーマは「絶望から忍耐へ」です。
この作品を見たゴーリキーは感動して号泣してしまったと言われています。
この記事ではそんな『ワーニャ伯父さん』についてお話ししていきます。
『かもめ』はチェーホフの代表作として今では有名ですが、実はこの劇の初演はとてつもない大失敗だったと言われています。
『かもめ』は当時の劇としては斬新すぎてお客さんどころか演じる役者ですら全く理解できなかったそうです。
しかしその2年後ダンチェンコによってモスクワ座で『かもめ』が再演されます。チェーホフの意図するところを深く理解した彼によって指揮された『かもめ』はロシア演劇界最大級の事件になるほどの大成功を収めます。
この成功があったからこそ後の『ワーニャ伯父さん』『三人姉妹』『桜の園』という名作劇が作られていくことになったのでした。
この物語は20ページほどの短い物語ではありますが思わずじーんとくるものがあります。母が最期に息子に呼びかけるシーンは何度読んでも泣きそうになります。
この作品が書かれたのはチェーホフの晩年です。
チェーホフ自身も結核でこれ以上あまり長く生きられないことを覚悟していたと思います。そういう時期にこの作品が書かれたというのもチェーホフを知る上で非常に意味があることなのではないかと私は感じました。
この作品もおすすめです。チェーホフ作品の中でも随一の感動作です。