MENU

夕日に照らされる小野浄土寺・快慶作の国宝『阿弥陀三尊立像』が神々しすぎる!

浄土寺
目次

【親鸞伝の旅】夕日に照らされる小野浄土寺・快慶作の国宝『阿弥陀三尊立像』が神々しすぎる!

皆さんは小野・浄土寺というお寺をご存じでしょうか。

京都や奈良の大寺院と比べると、その知名度は幾分落ちるかもしれませんが、ここには快慶作の驚くべき国宝が安置されています。

この地図を見てわかりますように、京都・奈良からはかなり距離がありますので京都・奈良観光とセットで見に行くことはなかなか厳しいものがありますが、運慶・快慶の仏像を巡りたい方にはぜひおすすめしたいお寺となっています。

私もレンタカーを借りてこのお寺へと向かいました。

のどかな風景を走りながら、到着です。

境内も広く、様々なお堂が立ち並んでいます。

そしてこちらが私のお目当ての快慶作『阿弥陀三尊立像』が安置されている浄土堂になります。この建物自体も東大寺復興最大の功労者重源によって建立された国宝です。

そしてこの内部には驚きの空間が広がっています。

まずは百聞は一見に如かず。このお堂の内部が浄土寺さんの公式アカウントで公開されていましたのでご紹介します。

私もこのお堂の造りには衝撃を受けました。

なんと、このお堂は仏像背後の窓から外の光を取り入れ、堂内を照らすという仕組みになっているのです。

特に夕暮れの時間帯にはオレンジ色の夕陽が差し込み、まさにお浄土のような空間がこのお堂に現出されます。

つまり、単に仏像そのものだけでなく、空間そのものをデザインした驚異のお堂がこの浄土堂と言えましょう。

これには私も驚きました。

そしてこうした外部の光を利用した彫刻デザインといえば、私はローマバロックの天才・ベルニーニを連想せずにはいられません。

ベルニーニ(1598-1680)Wikipediaより

ベルニーニについては前回の運慶の地蔵菩薩坐像の記事でもお話ししましたが、なんと、運慶だけでなく快慶もベルニーニの彫刻表現と酷似するものを持っていたのです。これには私も度肝を抜かれました。

ライモンディ礼拝堂
『聖テレジアの法悦』

ベルニーニの光の利用については「(24)ベルニーニのライモンディ礼拝堂~見事な光のスペクタル!劇作家・演出家としてのベルニーニ」や「(27)ベルニーニ『聖テレジアの法悦』~バロック美術の最高傑作!コルナーロ礼拝堂の驚異のイリュージョン!」の記事で詳しくお話ししていますのでここではお話ししませんが、ベルニーニより400年以上も前の日本で、光と彫刻、建築を組み合わせたこれほどドラマチックな宗教空間が生み出されていたというのには驚くしかありません。

そしてこの両者に共通するのは、

ドラマチックな空間作りへの飽くなき探求です。ベルニーニもカトリック信仰をドラマチックに視覚化し、来る者にその魅力を感じてもらおうとしていました。

それと同じように運慶・快慶も当時の寺院復興の流れで大きな信仰熱を表現しています。どちらも、堂内で感じられる圧倒的なエネルギー、救済のドラマを感じられる造りとなっているのです。限られた文化通だけのものではなく、誰もがこのお堂に来て心揺さぶられるような、そんなドラマチックな仏像を志向していると言えましょう。

【親鸞伝の旅】記事一覧ページはこちら

あわせて読みたい
【親鸞伝の旅】 親鸞聖人ゆかりの地を巡る 2025年、当ブログで連載した『親鸞伝~悩み多き英雄の偉大なる生涯』の執筆のため、私は親鸞聖人ゆかりの地を巡りました。 この【親鸞伝の旅】は、現地を訪れた私が...

前の記事はこちら

あわせて読みたい
六波羅蜜寺の運慶作『地蔵菩薩坐像』がおすすめすぎる!私が感じた圧倒的なエネルギーとは 六波羅蜜寺といえば空也上人像が有名ですが、私がここに来たのは運慶の地蔵菩薩坐像を見るためです。 私はその地蔵菩薩坐像の神秘的なエネルギーに私はすっかり心打ち抜かれてしまったのでした。運慶の作品の中で最も好きな作品は何かと問われれば私はこの地蔵菩薩を挙げることでしょう。それほど好きな彫刻です。

関連記事

あわせて読みたい
東大寺南大門の金剛力士像へ~運慶・快慶らが支えた東大寺復興 運慶・快慶は興福寺、東大寺の復興に獅子奮迅の働きを見せました。そして同時に、この復興によって彼ら自身の腕も大きく磨き上げられたというのも重要です。 焼失して失われてしまったのはたしかに最大の悲劇ではありましたが、新たな文化のうねりがこうして平安末期から鎌倉時代に起きていったのも事実なのです。運慶・快慶らは仏師でありながら僧侶でもありました。
あわせて読みたい
興福寺の国宝・木造千手観音菩薩立像が実にドラマチック!私の大好きな仏像! 興福寺の国宝・木造千手観音菩薩立像。 私はこの仏像が大好きです。興福寺に来ると私はいつも、この仏像の前に立ちます。私がこのお寺で一番時間をかけるのは阿修羅像ではなく、この仏さまなのです。それほど私にとって大切な仏さまです。
あわせて読みたい
平等院鳳凰堂の定朝作『阿弥陀如来坐像』が完璧すぎる!仏像制作の規範ともなったその美とは よく仏像の素晴らしさを表現するのに、「お顔が優しい」ですとか「ポーズが美しい」、「優美」などの形容がなされますが、ここの仏像に関してはただただ「完璧」、「バランス」、そんな言葉がポンと私の中に浮かんできました。これは私の中でも珍しい体験でした。
浄土寺

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

2019年「宗教とは何か」をテーマに80日間で13カ国を巡り、その旅をもとにした世界一周記を全国9紙で連載。
現在は北海道新聞「みなみ風」で『インド・スリランカ仏跡紀行』を連載中。

目次