ロシアの文豪ツルゲーネフ

ロシアの文豪ツルゲーネフ

ロシアの文豪ツルゲーネフのおすすめ作品8選~言葉の芸術を堪能できる名作揃いです

ツルゲーネフの生涯と作品をたどることでドストエフスキーの側から見たツルゲーネフ像とはだいぶ違った姿を感じることができました。

ツルゲーネフとドストエフスキーの違いを感じることができたことは非常に興味深かったです。また、文学における芸術とは何かということをとても考えさえられました。

芸術家ツルゲーネフのすごさを感じることができたのはとてもいい経験になりました。これからトルストイを読んでいく時にもこの経験はきっと生きてくるのではないかと思います。

ツルゲーネフはドストエフスキーとはまた違った魅力を持つ作家です。ぜひ皆さんも手に取ってみてはいかがでしょうか。

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レーニンはなぜツルゲーネフを好んだのか~レーニン伝から見るツルゲーネフ

レーニンが文学をどのように見ていたのかというのは非常に興味深い問題です。指導者の好みはその国の文化にも影響を与えます。彼の方針で「何が善であるか」が規定され、それに基づいて新たな文学が生み出されたり、過去の文化を解釈していくことになるからです。

ドストエフスキーと同時代人の大文学者たちがソ連時代にどう受け止められていたのかということを知ることで、ソ連時代に書かれたドストエフスキー像がどのような背景で作られていったかを垣間見ることができます。これはドストエフスキーを知る上でとても気になる部分です。

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佐藤清郎『ツルゲーネフの生涯』~文豪の生涯と特徴を知れるおすすめ参考書!

この本はツルゲーネフの全生涯を振り返りながら、その出来事と作品のつながりをわかりやすく、そして深く掘り下げていってくれます。

単に生涯をたどるだけでもなく、単に作品の解説をするだけでもない。生涯と作品を結び付けて何がツルゲーネフの作品に影響を与えているかをとてもわかりやすく解説してくれます。

これまで当ブログでもツルゲーネフ作品を紹介してきましたがそこでもたくさん引用させて頂きました。

難しい理論的な話ではなく、実際の人生と作品の結びつきが物語的に語られるので肩肘張らずに作品を理解できます。

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ツルゲーネフ『ハムレットとドン キホーテ』あらすじと感想~ツルゲーネフの文学観を知るのにおすすめ

この作品はツルゲーネフがハムレットとドン・キホーテについて思うことを述べた論文です。

ツルゲーネフにとってこの2人は彼の作品創作に非常に重要な影響を与えたキャラクターであり、彼の作品にはその面影が随所に見られます。

ツルゲーネフはハムレットとドン・キホーテを対置することで2人の性格を際立たせました。

常に自分のことでうじうじ悩むハムレット型、そして常に他者のために行動するドン・キホーテ型をツルゲーネフは見るのです。

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ツルゲーネフ『処女地』あらすじと感想~ロシアの70年代ナロードニキ青年達を描いた大作

ドストエフスキーの『悪霊』が書かれたのはまさに1870年頃のことです。

これはツルゲーネフが描こうとした70年代の青年とぴったり重なります。

ツルゲーネフは社会主義思想を信ずる過激派が農村に潜入し暴動を起こす流れを描写しました。

それに対しドストエフスキーはある街を舞台に、社会主義革命家が起こす大混乱と陰惨な事件を描きました。

舞台は違えど2人の問題意識は共通するものがあります。

物語の深刻さ、どす黒さという点では『悪霊』のほうが圧倒的に際立っていますが、『処女地』の視点も非常に興味深いです。文学スタイルの違う2人の作品を見ることでより深くこの時代の人間精神を学ぶことができるような気がします。

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ツルゲーネフ『煙』あらすじと感想~ドイツの保養地バーデン・バーデンが舞台!文学における芸術を知るならこの本がおすすめ!

当時のロシア文壇からは不評だったこの作品ではありましたが現代日本に生きる私が読んでみたらどうだったのかと言いますと・・・正直、面白くはなかったです

では、この小説は読むに値しないものなのか。

いや、それが違うんです。

実は私にとってこの『煙』という小説は、ツルゲーネフ作品の中でもトップクラスに印象に残った作品となったのです。

個人的にはとてもおすすめな作品です。文学における芸術とは何かを知る上でこの作品は計り知れない意味を持っていると私は思います。

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ツルゲーネフ『父と子』あらすじと感想~世代間の断絶をリアルに描いた名作!あまりに強烈!

ツルゲーネフがバザーロフというニヒリストを生み出すと、それ以降現実世界においてそのような人は「バザーロフ的人間」とか「ニヒリスト」と呼ばれることになりました。

この影響力たるやすさまじいものがあります。

これをやってのけたツルゲーネフの観察者、芸術家としての能力はやはりずば抜けているなと感じました。

『父と子』は読みやすく、とてもおすすめな作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

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ツルゲーネフ『初恋』あらすじと感想~自伝的な性格を持ったツルゲーネフの代表作

この小説はツルゲーネフの実際の体験をもとにして書かれています。自分が恋した女性が実は父の愛人だったという、もし実際にそういう場面に直面したらかなりショックを受けそうな内容です。

物語としても非常に面白い『初恋』ですが、ツルゲーネフの恋愛観を知る上でも非常に興味深い作品となっています。

分量も文庫で100ページ少々と気軽に読めるものとなっています。 ツルゲーネフの代表作『初恋』、とてもおすすめな作品です。

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ツルゲーネフ『その前夜』あらすじと感想~農奴解放直前のロシアを描いた長編小説

この作品が発表された1860年はまさしく1861年の農奴解放令の前夜でした。

世の中の流れが農奴解放へと向かって行く中で、青年たちはどのようなことを思い、何をしようとしているのか。それをツルゲーネフは凝視します。

そしてツルゲーネフはそうした青年たちの中でも、社会に積極的に関わり行動していこうという女性を描こうと思い立ちます。

この作品はツルゲーネフにとっては苦い記憶となってしまいましたが、現代日本人たる私が読んだ感想としてはそこまで非難されるべき作品ではないと思いました。

国によって、そして時代によって評価がこうも異なるのかというのを感じられた作品でした。

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ツルゲーネフ『貴族の巣』あらすじと感想~ロシアで大絶賛されたツルゲーネフの傑作長編

ツルゲーネフを学ぶまで『貴族の巣』という小説はまったく知らなかったのですが、この作品がツルゲーネフの作品中屈指の人気があるというのは驚きでした。

ロシア中から大喝采をもって迎えられるほどこの作品はロシアで大人気となり、ドストエフスキーもこの作品に対して賛辞を送っています。

たしかにこの小説はとても読みやすかったです。展開もどんどん動きますし、小説としてかなり面白いです。