マルクス・エンゲルス著作と関連作品

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

ヴェブレン『有閑階級の理論』~富や欲望、人間心理の秘密を赤裸々に暴露!爆弾発言満載の名著!

「この本を読んだ人は、モノの消費をこれまでと同じように見ることはできまい。」

まさにその通り!この本では「それを言っちゃあおしめぇよ」と思わず言いたくなる赤裸々な爆弾発言がどんどん出てきます。ですがよくよく考えてみると、「うん、たしかにヴェブレンの言う通りかもしれない・・・」と頷かざるをえない気持ちになってきます。

この本ではとてつもなく刺激的な言葉がどんどん出てきます。これはぜひ読んで体感してみてくださいとしか言いようがありません。ぜひヴェブレンの爆弾発言を堪能して頂けたらと思います。

宇沢弘文を通してこの本と出会えたのは本当に嬉しいものがありました。私の中でも強烈なインパクトを残した作品でした。ぜひぜひおすすめしたい作品です。

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宇沢弘文『社会的共通資本』~コモンズをいち早く提唱した日本を代表する経済学者の提言!

この本は2000年に出版されたものです。今や2023年、宇沢弘文が見た世界よりももっと世の中は悪くなっているように私は感じます。もし今宇沢弘文が生きていたなら何と言うのでしょうか。これは私にとっても考えるべき大きな問題だと思います。

行き過ぎた資本主義を反省し、社会的共通資本の見直しを図ること。この本を読めばこれが急務であることがよくわかります。どれだけ今が危機的な状況なのかということを考えさせられます。

日本を代表する経済学者のこの提言はあまりに貴重だと思います。

この本からいきなり読み始めるのは少し厳しいかもしれないので、佐々木実著『資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界』から読み始めるのをおすすめします。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

宇沢弘文『自動車の社会的費用』~日本の自動車産業の構造と環境問題に切り込んだ、今だから読みたい名著!

この本はまず一般読者に対して書かれたものであり、専門書ではありません。多くの人に現在の経済の問題について考えてもらいたいという願いがこの本に込められています。だからこそ難しい経済理論を語るのではなく、まずは自分自身の身近な問題として考えられるような話題を選んで宇沢弘文は語ります。

この本が出版されたのは今からおよそ50年前の1974年です。

その時点で資本主義に対してここまでの提言がなされていたことに驚くしかありません。

資本主義への批判はマルクス主義が全盛だった時代において、そうではなく経済学の内側から批判を続けていた宇沢弘文。

ますます宇沢弘文という人物に興味が湧いてきた一冊となりました。

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R・D・パットナム『われらの子ども—米国における機会格差の拡大』~教育格差と家庭環境について学ぶのにおすすめの参考書!

かつてアメリカには「アメリカン・ドリーム」があった。個人の才能と努力で人生は変えられる!夢を掴める!

しかしそれも今は昔。今や貧しい階級に生まれた子どもにはそんな社会的上昇は望むことができなくなってしまった。それはなぜなのか、今アメリカで何が起きているのかを見ていくのが本書になります。

そしてこの現在の「悪夢」を見ていくことでかつての「アメリカンドリーム」の背景も見えてくることになります。

私も「教育」の問題について非常に強い関心があります。最近地元の学校に携わることも増えてきた中でそのことは特に私の中でも大きな問題となっています。子どもたちの教育を考える上でもこの本は重大な問題提起となっています。ぜひおすすめしたい一冊です。

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スティグリッツ『フリーフォール』~新自由主義を厳しく批判したノーベル経済学者の提言!

著者のスティグリッツは2008年のリーマンショックを引き起こしたアメリカの新自由主義を批判したノーベル経済学者です。

私がこの本を手に取ったのはマルクスを学んだのがもともとのきっかけでした。資本主義を批判したマルクス。そして現代もマルクス主義者は資本主義を批判しますが、何もマルクス主義だけが行き過ぎた資本主義を批判しているわけではありません。前回の記事でも紹介した、日本の誇る経済学者、宇野弘文もアメリカ的な資本主義に強い警鐘を鳴らしていたのでありました。

しかもなんと、今作の著者ノーベル経済学者スティグリッツは若き頃この宇沢弘文の指導を受けていたというのです。これには私も驚きました。

というわけでぜひ宇沢弘文の薫陶を受けたスティグリッツの本も読んでみたい、そんな思いでこの本を手に取ったのでありました。

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佐々木実『資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界』~日本を代表する経済学者のおすすめ伝記!

アメリカ式新自由主義、環境問題、格差の問題を「社会的共通資本」という視点から論じていく宇沢弘文。机上の理論ではなく水俣病の現場に赴きその現実と向き合って闘い続けたその姿・・・

経済学者でありながら現場で実践し続けるその姿にも私は心打たれました。

若い頃の禅寺での体験が生涯に影響を与えていたことも見逃せません。

とにかくあまりに巨大なスケール!

何をどうお話ししていいのか私も混乱しています。それほど強烈な人生を歩まれています。

ぜひ一人でも多くの方に読んでほしい名著中の名著です。読めばきっと皆さんも頭がスパークすること間違いなしです。こんなにすごい方が日本におられたんだと驚くことでしょう!

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

中嶋洋平『社会主義前夜-サン=シモン、オーウェン、フーリエ』~マルクスによる空想的社会主義者のレッテルは不当だった?

マルクス・エンゲルスによって「空想的社会主義者」のレッテルを張られたサン=シモン、オーウェン、フーリエ。この本はそんな三人がはたして本当に空想的な社会主義者だったのかということを見ていく作品になります。

上の本紹介にもありますように「空想的でも社会主義でもない」その実態を知ることができる刺激的な作品です。

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近藤俊太郎『親鸞とマルクス主義 闘争・イデオロギー・普遍性 』~ 真宗教団とマルクス主義の関わりを知るのにおすすめの参考書

この本の中で「マルクス主義にも宗教的なところがあるのではないか」という指摘がなされるのですが、まさにこのことこそ当ブログでもずっと考え続けてきたことであります。

マルクス主義にも宗教的側面があるのではないかと私が考えていたことと、この本で語られていることがリンクしていくようで非常に興味深く読ませて頂きました。

私はどちらかというと真宗教団の研究からマルクスへ向かうのではなく、マルクスそのものやその思想背景、時代背景から宗教へと向かって行ったのでこの本のアプローチとはちょうど反対向きということになると思います。

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ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー 』概要と感想~人間は不合理な存在であることを学べるおすすめ作品!

人間の行動には不確実な要素が混じる。理屈通りには動かない。

そうしたことを改めて理解し、そのメカニズムを知ることで誤解や錯覚は減るかもしれない。また、他者への寛容さももっと持てるかもしれない。

そうした面でもこの本は非常に有益なのではないかと思います。とても興味深く、刺激的な作品です。行動経済学を学ぶ上でおすすめな1冊です。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

R・セイラー『行動経済学の逆襲』概要と感想~従来の経済学と行動経済学は何が違うのかを知るのにおすすめの作品

すべてを合理的に考え、数式によって経済を理解し、実際にそれを適用しようとしてもそううまくはいきません。もしそれが可能なら経済はもっとうまく回せるはずではないか。うまくいかないならばそもそも前提からして間違っていたのかもしれない。

ということで著者の長年の研究と行動経済学者のグループが辿った道のりを知ることができます。

これまで私がブログで更新してきましたマルクスについて考える上でも非常に興味深い視点を与えてくれました。これはありがたい作品でした。