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六波羅蜜寺の運慶作『地蔵菩薩坐像』がおすすめすぎる!私が感じた圧倒的なエネルギーとは

六波羅蜜寺
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【親鸞伝の旅】六波羅蜜寺の運慶作『地蔵菩薩坐像』がおすすめすぎる!私が感じた圧倒的なエネルギーとは

京都の六波羅蜜寺といえば次の彫刻が有名でありましょう。

空也上人像 Wikipediaより

日本史の教科書にも登場する空也上人のこの像はきっと皆さんも目にしたことがあると思います。

その空也上人像が所蔵されているのが六波羅蜜寺になります。

ただ、私がこのお寺を訪れたのは、この空也上人像のためではありません。

私がここにやって来たのは運慶の傑作『地蔵菩薩坐像』がここに安置されているからなのです。

そのお姿は六波羅蜜寺の公式ページで見ることができますので、まずはそちらを見て頂きたいのですが、私はこの地蔵菩薩様にとてつもない衝撃を受けたのです。

まず、何と言っても、その彫刻から発せられるエネルギーです。この仏像からは明らかに何らかのエネルギーが発せられているように私は感じてしまうのです。

実はこれ、運慶の仏像の特徴でもあり、この後の記事で紹介する鎌倉の願成就院の仏像でも同じことを感じました。運慶の仏像には何かエネルギー的なものを感じさせるものがあるのです。

そしてさらに重要なのが衣の表現です。うねるような衣の襞が実に見事に表現されています。この襞が非常に重要な意味を持っています。

私はこの仏像を見に来る前に、金子啓明著『運慶のまなざし 宗教彫刻のかたちと霊性』という本を読んでいたのですが、そこでは次のように書かれていました。

この像で注目されるのは衣の襞の表現である。うねるような峰の高い波が、複雑に、そして、自在に蠢いている。両肘の前から垂れる衣の縁も、大きく揺れながら下方に伸びている。それらは落ち着きのある整然とした上半身の姿とは対照的である。ここには尋常ではないエネルギーが作動している。(中略)

その衣文の蠢きは、今、まさに地蔵菩薩に霊的な奇瑞が発生していることを示している。『大智度論』巻八では、仏が三昧に入った時に三千大世界が震動し、大地も六種に震動して、地獄悪道に堕ちた衆生を解脱させるとある。震動やふるえは奇跡発生の知らせであり、地蔵菩薩像から地獄で苦しむ亡魂に向けた救済のメッセージでもある。

このように運慶の地蔵菩薩像には死霊救済の祈りと願いが込められている。運慶は地獄の闇の中に、地蔵菩薩の救いの奇瑞をもたらそうとしたと考えられる。

岩波書店、金子啓明『運慶のまなざし 宗教彫刻のかたちと霊性』P59-60

衣文の蠢きが奇跡の発生を表す!

これはまさに17世紀に活躍したローマの天才彫刻家ベルニーニの最も得意とするものではありませんか!これには驚きました。まさか運慶とベルニーニが繋がるとは!

ベルニーニ(1598-1680)Wikipediaより

ベルニーニのざっくりした解説はこちらの「ミケランジェロとベルニーニが設計したサン・ピエトロ大聖堂の美の秘密を解説 イタリア・バチカン編⑥」の記事でお話ししていますが、ベルニーニといえば、何といってもローマバロック芸術の大成者として有名で、以下の彫刻がその最高傑作とされています。

こちらは『聖テレジアの法悦』という作品ですが、この独特な衣の波打ちはまさに神の奇跡を表しています。

また、サンピエトロ大聖堂の傑作『聖ロンギヌス』でもこうした神秘的な衣のうねりが採用されています。

ここではこれ以上はお話しできませんが、私の大好きなベルニーニと共通する彫刻技術を運慶が持っていた・・・しかもベルニーニよりも400年以上も前にです!これは私にとって大きな驚きでした。

こうした面でも私が六波羅蜜寺へのお参りを楽しみにしていたことは皆さんも想像がつくことでしょう。

そして実際、この地蔵菩薩坐像の神秘的なエネルギーに私はすっかり心打ち抜かれてしまったのでした。運慶の作品の中で最も好きな作品は何かと問われれば私はこの地蔵菩薩を挙げることでしょう。それほど好きな彫刻です。

空也上人像と比べれば知名度はかなり落ちますが、ぜひ見に行く価値のある仏像です。ぜひ皆さんも訪れてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

2019年「宗教とは何か」をテーマに80日間で13カ国を巡り、その旅をもとにした世界一周記を全国9紙で連載。
現在は北海道新聞「みなみ風」で『インド・スリランカ仏跡紀行』を連載中。

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