イギリスの文豪ディケンズ

イギリスの文豪ディケンズ

イギリスの大作家ディケンズおすすめ作品7選~『クリスマス・キャロル』など心温まる作品で有名な文豪

ディケンズの小説を読めば当時のイギリスの社会状況や、イギリス人のメンタリティーを知ることができます。

19世紀のイギリスといえば、産業革命も進み、イギリスの国力は世界を席巻するものでした。ですがその反面労働環境は悲惨を極め、経済格差は広がり、環境公害も起こっていました。

そんな社会の闇をディケンズは冷静な目で描きます。ですがそんな闇を描きつつも彼は持ち前のユーモアや善良なる救い手の力によって物語に光を差し込ませます。

この絶妙なバランス感こそディケンズ小説の面白さの秘訣なのではないかと思います。

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ディケンズ晩年の傑作『大いなる遺産』あらすじと感想~巨万の富が少年の人生を狂わせる!?

この物語は少年ピップの成長物語です。貧しいながらも人間味ある生活をしていたピップはふとしたことからお金持ちの令嬢エステラに恋をします。

エステラへの恋は贅沢な暮らしへの憧れへとつながり、やがてピップに貧しい生活を捨てさせることになります。

しかし謎の遺産を相続することになりお金持ちになったピップは次々と謎の出来事に巻き込まれ、彼の「大いなる遺産」はますます謎めいたものとなっていきます。

「大いなる遺産」とは一体何なのか。誰からの遺産なのか。そしてピップはどうなってしまうのか。最後の最後まで息をつかせぬストーリ―で私たちを楽しませてくれます。

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ディケンズ屈指の人気作『二都物語』あらすじと感想~フランス革命期のロンドンとパリを描く!

この作品は展開が早く、またそれぞれの登場人物もキャラが際立っていて読みやすいです。

解説でも、

「『二都物語』は、そうした〝ダーク〟ディケンズ全開の一篇で、二十を超える作品のなかでも傑出したエンターテインメントだ。二作しかない歴史物のひとつだが、『クリスマス・キャロル』とともにもっともよく知られ、小説として世界歴代トップクラスのべストセラーでもある。」と紹介されている名作です

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ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド』あらすじと感想~ドストエフスキーも愛したミコーバー夫妻とは

この作品はディケンズの自伝的な要素をはらんだ彼の代表作であり、サマセット・モームの「世界の十大小説」にも選ばれている名作です。

ドストエフスキーもこの作品を愛読し、特にそのキャラクター、ミコーバーを自分に当てはめて奥様にジョークを語るなど、普段の生活からその影響は大きかったようです。

この記事ではそんなミコーバーとドストエフスキーの関係についてお話ししていきます。

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ディケンズの代表作『クリスマス・キャロル』あらすじと感想~ディズニーでも映像化された作品!

おそらくディケンズの作品で最も知名度があり、そして現代でも最も親しまれているのがこの『クリスマス・キャロル』なのではないでしょうか。

ディズニーでも映像化されたりと、小説以外の場でも親しむことが多い作品です。

そしてイギリスでディケンズが「クリスマス・ファーザー」と呼ばれているのは初めて知りました。クリスマスの宴をイギリスに復活させた人物こそこのディケンズだったとは驚きでした。

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ディケンズ『骨董屋』あらすじと感想~ドストエフスキー『虐げられた人びと』に強い影響!

『骨董屋』の主人公たるネルは、ドストエフスキーの『虐げられた人びと』でもネリーという名前で登場します。もちろん、そっくりそのまま同じ境遇、性格ではありませんが『骨董屋』に強いインスピレーションを受けているのは否定できません。

また、この作品はキリスト教作家ディケンズという側面が強く出てきた作品でもあります。ドストエフスキーはディケンズのそのような側面も尊敬していたそうです。

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ディケンズ『オリヴァー・ツイスト』あらすじと感想~ロンドンの悲惨な社会状況を告発!善良な少年オリヴァーの冒険

『オリヴァー・ツイスト』は単に「小説として面白かったね」で終わらずに、社会そのものに強い影響を与えました。なんと、実際に多くの人がこの作品を読んで社会改善を唱え、制度も改革されていったのです。

こうした「善を呼び覚ます小説の影響力」。

これはものすごいことであります。

ドストエフスキーが多くの人、特に子どもたちにディケンズの小説を勧めるのはこういうところにもその理由があるのかもしれません。

ディケンズの代表作『オリヴァー・ツイスト』、読みやすく物語展開も目まぐるしい面白い作品でした。

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ディケンズ『ピクウィック・クラブ』あらすじと感想~ドストエフスキー『白痴』に強烈な影響!19世紀イギリス版ドン・キホーテ!

この作品はセルバンテスの『ドン・キホーテ』を意識して書かれ、ドストエフスキーの代表作『白痴』にも多大な影響を与えた作品です。

当時イギリスでこれを読んでいた人たちは大笑いし、イギリス中がピクウィック氏の活躍を毎週毎週心待ちにしていたそうです。

ディケンズ作品の中で『ピクウィック・クラブ』は、ドストエフスキーを学ぶ上で最も重要な作品です。

私もつい最近までこの作品を知りませんでしたが読んで納得、とても面白い作品でした。

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島田桂子『ディケンズ文学の闇と光』ディケンズとドストエフスキー・キリスト教を知るならこの1冊!

この本は名著中の名著です。本当に素晴らしいです。

読んでいて驚いてしまいました。

ディケンズといえばイギリスの文豪。ロシアで言うならドストエフスキーやトルストイのような存在です。

そのような作家の解説書となると読みにくかったり難しくなってしまいがちですが、この本は一味違います。

これほどわかりやすく、かつ深い考察までされている本はなかなかお目にかかれるものではありません。

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イギリスの文豪ディケンズとは~ディケンズなくしてドストエフスキーなし!

ディケンズはキリスト教作家としても尊敬されていました。ドストエフスキーが彼のことを非常に大切にしていたのもここに根があります。

ドストエフスキーは彼をキリスト教作家として尊敬していました。

そしてディケンズの愛に満ちた作品を愛し、その優しい世界観を感じていたのかもしれません。

悪のはびこる世界でも、優しい愛ある人間性を感じることができるのがディケンズの作品です。

だからこそドストエフスキーは子どもたちへの教育や、妻アンナ夫人にディケンズを勧めていたのかもしれません。