ソ連とナチスの虐殺の歴史を学ぶために~「独ソ戦・ホロコーストに学ぶ」記事一覧

スターリンとヒトラーの虐殺・ホロコースト

目次

ソ連とナチスの虐殺の真実に迫る~「独ソ戦・ホロコーストに学ぶ」記事一覧

ここでご紹介するティモシー・スナイダー著、布施由紀子訳『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』は2015年に筑摩書房より出版されました。

この本を読むきっかけとなったのはスターリンの大テロル(粛清)と第二次世界大戦における独ソ戦に興味を持ったからでした。

スターリンはなぜ自国民を大量に餓死させ、あるいは銃殺したのか。なぜ同じソビエト人なのに人間を人間と思わないような残虐な方法で殺すことができたのかということが私にとって非常に大きな謎でした。

その疑問に対してこの上ない回答をしてくれたのがこの『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』でした。

訳者が「読むのはつらい」と言いたくなるほどこの本には衝撃的なことが書かれています。しかし、だからこそ歴史を学ぶためにもこの本を読む必要があるのではないかと思います。

それぞれの記事でより詳しくお話ししていますので、興味のある方はぜひご参照ください。

ナチスとソ連による1400万人の犠牲者『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑴

  • 1 ナチスとソ連による1400万人の犠牲者『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑴
    • 1.1 1400万人の意味
      1.2 ホロコーストはアウシュヴィッツだけではない
      1.3 ヒトラーの驚くべき計画
      1.4 一方、ソ連は・・・

1400万人という数字は戦死者の数ではありません。あくまで両政権による政策による死者の数です。

タイトルにもあるブラッドランドはポーランド、ウクライナ、ベラルーシ、バルト三国の地域に当たります。本に出ていた地図を参考におおよそのエリアをグーグルマップで書いてみました。

この赤枠内がブラッドランドになります。

こうして見ると一目瞭然ですがモスクワを中心とするロシアとドイツのちょうど中間地帯がブラッドランドと呼ばれる大量虐殺があった地域になります。

ドイツとソ連はこの地域を自らの都合の良いように徹底的に利用しようとしました。その利害関係の衝突がこの地での虐殺につながり、そして第二次世界大戦の大きな局面となっていくのです。

『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』では独ソ戦で起きた大量虐殺の悲劇はナチス、ソ連の相互関係によってより悲惨なものになったことを明かしていきます。ナチスの残虐行為だけが世界史においてはクローズアップされがちですが、それだけではナチスの行動の全貌を知ることはできません。

ナチスとソ連というもっと大きな視点でホロコーストの実態を見ていくことがこの本の特徴です。

「ナチスは異常で残虐で悪い人間だった」と単に片付けるのではなく、もっと大きな視点からなぜ人間はそのようなことを行ってしまったのかということに迫っていくのが本書の素晴らしい点です。

ナチスとソ連による1400万人の犠牲者『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑴

ナチスとソ連、隠蔽された犯行現場ー歴史は様々な視点から見なければ把握できない『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑵

  • 1 ナチスとソ連、隠蔽された犯行現場ー歴史は様々な視点から見なければ把握できない『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑵
    • 1.1 ナチスとソ連、隠蔽された犯行現場
      1.2 強制収容所=大量殺人ではない
      1.3 アウシュヴィッツの二つの姿―強制収容所と殺害施設としてのアウシュヴィッツ
      1.4 流血地帯の殺害施設はソ連によって隠蔽されていた
      1.5 本書が伝えたいこと
      1.6 大量殺人の真実に向けて
      1.7 最も重要なポイント!歴史は様々な視点から見なければ把握できない

最も多くの犠牲者が出た流血地帯は先ほどのブラッドランドの地図を見てわかりますようにロシアとドイツの中間地帯になります。

そして著者はこの記事で次のように語ります。

「二十世紀最大の恐怖は、収容所にあったと考えられている。しかし国民社会主義とスターリニズムの犠牲となった人々の大半は、強制収容所では死亡していない。大量殺人がおこなわれた場所と方法について、こうした誤解があることは、この二十世紀最大の恐怖を正しく理解する妨げとなっている。」

この部分が本書を貫く最大の問題提起となっています。ホロコーストとは何だったのか、スターリンの粛清とは何だったのかということをこの本で見ていくことになります。

ナチスとソ連、隠蔽された犯行現場ー歴史は様々な視点から見なければ把握できない『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑵

400万人以上の犠牲者を出したソ連によるウクライナ飢饉政策(ホロドモール)とソ連の隠ぺい工作『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑶

  • 1 ウクライナの大飢饉とソ連の隠ぺい工作ー偽装された村とプロパガンダ『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑶
    • 1.1 ウクライナの持つ意味
      1.2 スターリンによるウクライナの大飢饉
      1.3 飢饉の隠蔽と世界のジャーナリストの動き
      1.4 ソ連の隠ぺい工作。偽装された村とプロパガンダ

ナチスとソ連にとってウクライナは武力的な緩衝地帯という重要性もありますが、やはり食料の生産という面でも非常に重要な場所だったのです。それ故ナチスとソ連という大国から植民地として狙われてしまうことになってしまったのです。

また、ウクライナの大飢饉は自然災害によるものではなく、スターリンの政策によるものでした。

スターリンは5か年計画を掲げ、ソ連の重工業化に舵を切りました。ソ連はその資金の確保のため無理なノルマを農民に課し、彼らが生きていくために必要な分まで全て輸出してしまったのです。ノルマは到底達成できるものではなく、翌年の植え付けに必要な種まで徴収されてしまうほどでした。そのため当年の食糧だけではなく、翌年の収穫も見込めない状況になってしまったのでした。

この本ではこの悲惨な大飢饉の地獄のような状況がかなり詳細に語られます。1930年代のウクライナで何が起きていたのか、ソ連は一体何をしようとしていたのかを一章丸々使って私たちは追っていくことになります。正直、50頁以上あるその記述を全てご紹介したいくらいです。私はこの箇所を息を呑みながら読みました。あまりの悲惨さに絶句してしまいました。

ウクライナの大飢饉とソ連の隠ぺい工作ー偽装された村とプロパガンダ『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑶

悪者探しの危険性ーメディアを利用し人々の不満を反らすスターリン『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑷

  • 1 社会による悪者探しに気を付けようースケープゴートを利用し人々の不満を反らすスターリン『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑷
    • 1.1 スターリンの政治的手腕ー敵を作りだし国内政策の失敗の責任をなすりつける才能
      1.2 無害で忠実そうな者こそ敵だ!
      1.3 「反ソ分子」粛清指令ー党官僚たちの「ノルマを超えねばならぬ」という暗黙の了解
      1.4 迅速かつ無差別の処刑ー拷問による自白の強要

スターリンの政治的手腕のひとつとして挙げられるのがこの「敵を生み出す能力」だと著者は語ります。この能力があれば自らの失策の責任を負うこともなく、スケープゴートにすべてをなすりつけることができます。そうすることで自らの権力基盤に傷がつかないようにしていたのでした。

これはスターリンに限らず、あらゆる時代、あらゆる場所で行われうることです。

わかりやすい悪者を作り出し、そこに国民の憎悪や不安、恐怖を向けさせる。そうして問題の本質から目を反らさせようとするのです。

この記事ではそうした悪者探しによる危険について詳しくお話ししていきます。現代を生きる私たちにも決して無関係な問題ではありません。ぜひ読んで頂きたい記事となっています。

悪者探しの危険性ーメディアを利用し人々の不満を反らすスターリン『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑷

ソ連の粛清とナチスのホロコーストの流れをざっくりと『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑸

  • 1 ナチスのホロコーストの流れをざっくりと『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑸
    • 1.1 ブラッドランド(流血地帯)における大量虐殺の流れ
      1.2 第二次世界大戦以前のスターリンによる大粛清
      1.3 1939年独ソ不可侵条約の影響
      1.4 1941年、ナチスドイツが条約を破棄しソ連に侵攻。独ソ戦の開始。ヒトラーの夢
      1.5 ヒトラーの誤算。ドイツの苦戦とロシアの反撃。絶滅計画の修正
      1.6 ユダヤ人問題の「最終解決」としての大量殺人ーアウシュヴィッツ、トレブリンカ、ベウジェツなどの絶滅収容所

この記事ではこの本の巻末に著者によって書かれた「要旨」を紹介していきます。

こちらの要旨を見ることで歴史の大まかな流れを掴むことができます。

ソ連の粛清とナチスのホロコーストの流れをざっくりと『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑸

アーレントの全体主義論と赤軍記者グロスマンの小説『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑹

  • 1 アーレントの全体主義論と赤軍記者グロスマンの小説『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑹
    • 1.1 アーレントとグロスマン
      1.2 グロスマンの傑作『人生と運命』、『万物は流転する』
      1.3 グロスマンの語る、ナチズムとスターリニズムに共通する重要な要素
      1.4 アーレントとグロスマンの比較から導き出されるもの

アーレントといえば『全体主義の起源』や『イエルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告』などでホロコーストについて語ったことで有名ですよね。ナチスのホロコーストを語る上で、ハンナ・アーレントの名は今もなお世界中に轟いています。

そして著者のティモシー・スナイダーはこのアーレントと対置してソ連の作家ワシーリー・グロスマンを紹介します。グロスマンについては以前当ブログでも紹介しました。

ナチスのホロコーストを考える上で、ハンナ・アーレントはあまりに有名です。

ですがワシーリー・グロスマンの名はあまり知られていません。

グロスマンという存在がもっと世に広まることを願っています。

アーレントの全体主義論と赤軍記者グロスマンの小説『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑹

なぜ戦争や弾圧、虐殺を学ばなければならないのかー源信の『往生要集』と現代の地獄巡り『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑺

ちょうど去年の今頃から私はドストエフスキーの記事をこのブログで書き始めました。なぜ僧侶の私がドストエフスキーについてブログを書いているのかと不思議に思われた方も多かったかもしれません。

ですが長いこと続けていると、きっと多くの方もそれに慣れてきたのではないでしょうか(笑)

しかし、ドストエフスキーや世界文学について書いていくならまだしも、ソ連史や独ソ戦について書いている最近のブログはどういうことなのでしょうか。

実は最近、「戦争のこととか大量殺人ばかりで読むのもつらくなってきました。なぜそこまでやらなきゃいけないのですか」という言葉を頂くことが何度もありました。

この記事ではなぜ私がこのような記事を更新しているかをお話ししていきます。戦争や虐殺など、地獄のような出来事をあえて学ぶ意味は何なのかを考えていきます。ぜひ読んで頂きたい記事です。

なぜ戦争や弾圧、虐殺を学ばなければならないのかー源信の『往生要集』と現代の地獄巡り『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む⑺

ホロコーストのおすすめ参考書一覧

「『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む」と合わせてナチスによるホロコーストの歴史を学ぶ上で参考になる本もここでご紹介します。有名な本もあればあまり知られていない本もあります。皆さんのお役に立てましたら幸いでございます。

ワシーリー・グロスマン『トレブリンカの地獄』ナチスの絶滅収容所の惨劇を赤軍ユダヤ人記者が告発

この作品はソ連のユダヤ人作家グロスマンが従軍記者として独ソ戦の前線に従軍し、ナチスの絶滅収容所を発見した際に書かれた報道記事です。

ホロコーストというと、私たちはアウシュヴィッツを想像してしまいますが、トレブリンカという絶滅収容所についてこの作品では語られていきます。そこでは80万人以上の人が殺害されています。その凄惨な殺害の手法は読んでいて寒気がするほどです。それを現地で取材したグロースマンはどれほど衝撃を受けたのか想像することもできません。

この作品を書いたグロスマン本人もこの惨劇に打ちひしがれていたのでした。彼もユダヤ人です。彼の母もナチスによって殺されています。

目を反らしたくなりそうな現実をそれでもグロスマンは書き続けました。

その迫力は鬼気迫るものがあります。読んでいてあまりの恐ろしさに心臓の鼓動が早まり、呼吸が浅くなっていくのが自分でもわかりました。この本を読む時の精神的負荷はかなりのものになります。私はこの作品はフランクルの『夜と霧』に匹敵するのではないかと思いました。それほどこの作品が発する力は強力です。

ワシーリー・グロスマン『トレブリンカの地獄』ナチスの絶滅収容所の惨劇を赤軍ユダヤ人記者が告発

フランクル『夜と霧』あらすじと感想ー生きるとは何かを問うた傑作!ドストエフスキーとのつながりも

  • 1 ホロコースト・強制収容所を生き抜いた心理学者が語るーフランクル『夜と霧』
    • 1.1 人間はなにごとにも慣れる存在だードストエフスキー『死の家の記録』の言葉から
      1.2 「わたしが恐れるのはただひとつ、わたしがわたしの苦悩に値しない人間になることだ」
      1.3 「なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐える」
      1.4 わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題なのだ
      1.5 苦しむことは何かをなしとげること
      1.6 あなたを待っている何かがある
      1.7 『それでも人生にイエスと言う』春秋社、山田邦男、松田美佳訳
      1.8 『人間とは何か 実存的精神療法』 春秋社、山田邦男監訳、岡本哲雄、雨宮徹、今井伸和訳

この作品は心理学者フランクルがアウシュヴィッツやミュンヘンのダッハウ収容所での経験を綴ったものです。

ひとつ前の記事でご紹介したワシーリー・グロスマンの『トレブリンカ収容所の地獄』が絶滅収容所の悲惨さを描いたのに対し、『夜と霧』では強制収容所という極限状態においてどのように生き抜いたのか、そしてそこでなされた人間分析について語られていきます。

『夜と霧』は世界的に知られた名著中の名著です。私がこの本を初めて読んだのは学生の時でした。その時の衝撃は今も忘れられません。

そうした読書体験があったからこそ私は2019年にアウシュヴィッツを訪れたのでした。

また、『夜と霧』を読んでいるとドストエフスキーの言葉が何度も出てきます。フランクルはドストエフスキーの影響を受けていたようです。この記事ではフランクルとドストエフスキーの関係についてもお話ししていきます。

フランクル『夜と霧』あらすじと感想ー生きるとは何かを問うた傑作!ドストエフスキーとのつながりも

芝健介『ホロコースト』ホロコーストの歴史を学び始めるのにおすすめな1冊

ホロコーストの歴史を学ぶ入門書としてこの本はとてもおすすめです。ホロコーストはアウシュヴィッツだけではなく、一連の巨大な虐殺事件であり、それがどのような経緯で起こったのかが非常にわかりやすく解説されています。

新書ということでコンパクトにまとまっていてとても読みやすいのもありがたいです。アウシュヴィッツやホロコーストの歴史をまずはざっくり学んでみたいという方にぜひおすすめしたい1冊です。

芝健介『ホロコースト』ホロコーストの歴史を学び始めるのにおすすめな1冊

『ホロコースト全史』ホロコーストの歴史をもっと学ぶならこの一冊がおすすめ

この本は時系列に沿ってホロコーストの経過を解説していくので、何かわからないことや調べたいことがあるときにもピンポイントで調べることができとても便利です。

そして何よりこの本で私の印象に残っているのは掲載されているたくさんの写真でした。

この本は写真資料が豊富です。しかもその写真がかなりショッキングなものばかりです。

ガリガリに痩せほとり、服を着ていない無数の遺体が巨大な穴の中に折り重なっている写真など、他の本ではあまり掲載されないようなものも多々あります。ホロコーストの悲惨さがストレートに伝わってきます・・・

ホロコーストについてより深く学ぶにはこの本はとてもおすすめです。資料集として利用するのにも抜群だと思います。

これはぜひおすすめしたい1冊です。

『ホロコースト全史』ホロコーストの歴史をもっと学ぶならこの一冊がおすすめ

『ナチスの知識人部隊』虐殺を肯定する理論ーなぜ高学歴のインテリがナチスにとって重要だったのか

  • 1 ナチスのイデオロギーに重大な役割を果たした知識人。虐殺を肯定する理論。クリスティアン・アングラオ『ナチスの知識人部隊』
    • 1.1 「彼らは美男で、輝かしく、知的で、教養があった」
      1.2 ドイツ人が抱えた第一次世界大戦敗北のトラウマ
      1.3 なぜ青年たちはナチスに熱狂したのか
      1.4 ナチス兵も虐殺執行による精神的ダメージを受けていたという事実。しかしそれが虐殺の効率化をさらに進めることに・・・
      1.5 ジェノサイドは私達に無縁のものではない
      1.6 ナチスの行動は「狂気」ではなく「普通の人間」によるものだった
      1.7 信じることと、皆殺しにすること

この本はナチスにおいて大きな役割を果たしていた青年知識人にスポットを当てて書かれた本です。

そしてこの知識人部隊は若いエリートが多かったというのも重要です。ナチスのイデオロギーは若い知的エリートによって作られていったのです。老獪な政治家たちが練りに練って作ったイデオロギーではなかったのです。

この本ではそんなナチスの若き知的エリートがどのように生まれ、彼らが独ソ戦においてどのような行動をしていったのかが語られます。

『ナチスの知識人部隊』虐殺を肯定する理論ーなぜ高学歴のインテリがナチスにとって重要だったのか

おわりに

『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』という作品は本当に衝撃的な一冊でした。

自分がいかに何も知らなかったかということを思い知らされました。私たちが習う世界の歴史では見えない事実がこの本にはあります。そしてそうした見えない事実こそ、私たちが真に学ぶべき事柄であるように思えます。

混乱を極める現代において、暗い歴史を学ぶことはたしかにつらいことかもしれません。ですが、だからこそこうした歴史をくり返さないためにも苦しくとも学ぶ意味があるのではないかと思います。

ぜひ、これらの記事を読んで頂けたら嬉しく思います。

以上、「ソ連とナチスの虐殺の真実に迫るー「『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』を読む」記事一覧」でした。

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