(6)アーレントの全体主義論と赤軍記者グロスマンの小説~独ソ戦や全体主義を論じた傑作について

アーレントといえば『全体主義の起源』や『イエルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告』などでホロコーストについて語ったことで有名ですよね。ナチスのホロコーストを語る上で、ハンナ・アーレントの名は今もなお世界中に轟いています。

そして著者のティモシー・スナイダーはこのアーレントと対置してソ連の作家ワシーリー・グロスマンを紹介します。私がグロスマンの作品を読もうと思ったのも、スナイダーによる賛辞の言葉を読んだからこそでした。日本ではあまり知られていないグロスマンですが、世界史上とてつもない人物がここに存在していたのでした。ぜひおすすめしたい作家です。