ディケンズ

変わりゆく村スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

M・ウィクラマシンハ『変わりゆく村』あらすじと感想~スリランカの傑作長編!ドストエフスキーやチェーホフとの関連も!

日本ではあまり知られていない作品ですが、世界的にも評価されている素晴らしい小説です。私も実際に読んでみてその素晴らしさを堪能することとなりました。

スリランカでの生活が目の前に現れるかのような、没入感ある小説です。ドストエフスキーやチェーホフが好きな人には特にフィットする作品だと思います。

これからこの三部作全てを読んでいきますが、そのスタートからして圧倒的なクオリティを感じた一冊でした。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(34)サン・カルロ・アッレ・クワトロ・フォンターネ聖堂を訪ねて~ベルニーニのライバル、ボッロミーニの傑作建築!

前回の記事ではベルニーニの傑作建築サンタンドレア・アル・クイリナーレ聖堂を紹介しましたが、実はその聖堂から150メートルほどの距離にベルニーニのライバル、ボッロミーニの傑作建築が立っています。

ボッロミーニはベルニーニとは真逆の性格、作風の持ち主でベルニーニ失脚の折には激しいバトルを演じた男でもあります。ですがその才能は紛れもなく突出しており、鬼才というにふさわしい独創性に溢れた建築家でした。そんなボッロミーニの傑作とベルニーニの傑作がほぼ隣通しに立っているというのは奇跡というほかはないでしょう。

正直、インパクトという面ではベルニーニのサンタンドレア・アル・クイリナーレを超えています。何かよくわからないがものすごいパンチ力で一撃必殺されるような感覚。それがこの聖堂です。

四つの署名イギリス・ドイツ文学と歴史・文化

コナン・ドイル『四つの署名』あらすじと感想~テムズ川の大追跡!ホームズシリーズ連載を決定づけた第二作!

シャーロック・ホームズシリーズはこの『四つの署名』の誕生によって連載への道筋が開かれていくことになります。

この作品も前作同様ホームズの名推理が冴えわたるのですが、今作では手に汗握るアクションシーンも登場し、よりエンタメ感の強い作品となっています。犯人との直接対決であるテムズ川での追跡シーンは臨場感たっぷりで映像的な楽しさも味わうことができます。川での追跡というと同じイギリスの文豪ディケンズの『大いなる遺産』が有名ですが、その名シーンをオマージュしたかのような迫力ある追跡です。

ホームズ・シリーズ連載のきっかけとなった『四つの署名』はエンタメ感満載の名作です。ぜひこちらもおすすめしたい一冊です。

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

マルクスの誤算?ヴィクトリア朝ロンドン市民の生活とは!19世紀のロンドンに思う

ヴィクトリア朝のロンドンはあのマルクスがいた時代になります。マルクスはまさしくこの時代のロンドンで生活し、人々の姿を見、大英博物館の図書室にこもって研究に没頭していたのでありました。

マルクスはどんな世界を見て『資本論』を書いていたのか、そして彼と同時代人のロンドン人はどんな生活をしていたのか、そうした面からも『ヴィクトリア朝英国人の日常生活 貴族から労働者階級まで』は私にってものすごく興味深いものでありました。

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『ヴィクトリア朝英国人の日常生活 貴族から労働者階級まで』~19世紀後半のロンドン市民の生活を知るのにおすすめ!

この本ではヴィクトリア朝の人々の日常生活が描かれます。100年以上も前のロンドン市民がどんな生活を送ってたかがかなり詳しく語られます。しかも日常生活に密着していますので小説や映画などでもなかなか見られない部分まで知ることができます。

意外な発見がたくさんあります。これは面白いです!

19世紀後半のロンドン市民の生活を知れるおすすめの1冊です!

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

ヘンリー・メイヒュー『ヴィクトリア時代 ロンドン路地裏の生活誌』~ロンドンの下層民の生活を取材したルポ作品!

この本はイギリスヴィクトリア朝、特に1800年代半ばのロンドンの下層民の生活に密着し、彼らがどんな生活をしているのかを描いた作品です。まるで小説のように描かれたこの作品を読んでいると、彼らが当時のロンドンでどんな生活をしていたかが目の前に浮かんでくるかのようです。イラストも豊富な点もありがたいです。

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

松村昌家『十九世紀ロンドン生活の光と影―リージェンシーとディケンズの時代』~ヴィクトリア朝繁栄の背景を知るのにおすすめ!

この本で語られるリージェンシー時代は1811年から1820年までの10年という短い期間のことですが、この時代が後のヴィクトリア朝につながる重要な時期であると著者は述べます。

たった一本の路地を隔てることによって世界が変わっていく。光と闇が同居するような、そんな矛盾をはらんだ街が世界の大都市ロンドンでした。

この本ではそうしたリージェンシー時代からヴィクトリア朝初期に至るロンドンの時代背景を見ていくことができます。

この本は19世紀前半から中頃のロンドンを知るのに最適な1冊です。非常に興味深い内容が満載でした。おすすめです!

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

海野弘他『レンズが撮らえた19世紀ヨーロッパ』~19世紀西欧を写真で概観するおすすめガイドブック!

この本では同時代の国家間のつながりはどのようなものだったのか、それぞれの国の特徴はどのようなものだったのかということを知ることができます。しかも写真が大量にありますのでとてもイメージしやすいです。

そしてこの本のタイトルにもありますように、カメラと写真技術そのものの歴史も知ることができます。カメラの技術が発明されたのが1839年で、そこからあっという間にその技術は進歩し1840年代にはかなり性能のよいカメラ技術も出てきます。

これは刺激的な1冊です!

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『写真で見る ヴィクトリア朝ロンドンの都市と生活』~ディケンズも見た19世紀後半のロンドンを知るのにおすすめ!

この本では19世紀中頃から後半にかけてのロンドンの姿を大量の写真で見ることができます。
この本の特徴は19世紀イギリスの偉大な文豪ディケンズと絡めてロンドンの街が語られる点にあります。
たくさんの写真と一緒にディケンズ作品との関わりも解説されていきますのでディケンズファンにはたまらない構成となっています。

イギリス・ドイツ文学と歴史・文化

リチャード・キレーン『図説 スコットランドの歴史』~写真多数!イギリス・スコットランドの関係性を知れるおすすめの参考書

この本の特徴はまず何といっても写真や絵が豊富で、歴史をイメージしやすいこと。そしてイングランドとの関係性に力点を置いている点が挙げられます。特にシェイクスピアが好きな私にとっては16世紀から17世紀にかけてのイギリス王家の流れに興味があったので、スコットランドという違う視点からイギリスを見れたのでこれは非常に興味深いものでした。