ロシア正教

ドストエフスキードストエフスキー作品

ドストエフスキーおすすめ作品4選!ロシア文学の面白さが詰まった珠玉の名作をご紹介!

あのトルストイと並ぶロシアの文豪、ドストエフスキー。

ドストエフスキーといえば『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』など文学界では知らぬ者のない名作を残した圧倒的巨人です。彼は人間心理の深層をえぐり出し、重厚で混沌とした世界を私達の前に開いてみせます。そして彼の独特な語り口とあくの強い個性的な人物達が織りなす物語には何とも言えない黒魔術的な魅力があります。私もその黒魔術に魅せられた一人です。

この記事ではそんなドストエフスキーのおすすめ作品や参考書を紹介していきます。またどの翻訳がおすすめか、何から読み始めるべきかなどのお役立ち情報もお話ししていきます。

ドストエフスキー論

藤澤房俊『「イタリア」誕生の物語』~ドストエフスキーがなぜ妻とローマに行かなかったのかを知るために読んだ1冊!

ドストエフスキー夫妻はイタリアにも長期滞在しました。ですが私はこれまでずっと気になっていたことがありました。それが「なぜドストエフスキーはローマに行かなかったのだろうか」ということです。

せっかくイタリアまで来てローマに行かないというのはよくよく考えてみれば不思議ですよね。

この本のおかげでドストエフスキーが避けたローマ周辺の政治状況を知ることができました。私にとって非常にありがたい1冊でした。

イタリアという国について知る上でもこの本は非常に興味深い内容が満載でした。ぜひおすすめしたい作品です。

ロシアの巨人トルストイ

トルストイおすすめ作品10選と解説書、作品一覧~ロシアの巨人の圧倒的なスケールを体感!

今回の記事ではこれまで当ブログで紹介してきた作品の中から特におすすめの作品を10作まずは紹介し、その後おすすめの解説書とその他作品の一覧を紹介していきたいと思います。

おすすめ作品選から漏れてしまった作品もトルストイを知る上ではどれも外せない作品です。トルストイは意外と作品が多く、当ブログで紹介していない作品もたくさんあります。ですので基本的には当ブログで紹介した作品は本当はすべておすすめ作品という位置づけなのですが、その中でも特にということで10選を選ばせて頂きました。

ロシアの巨人トルストイ

トルストイ『懺悔』あらすじと感想~トルストイがなぜ教会を批判し、独自の信仰を持つようになったのかを知るのに必読の書

『懺悔』は『アンナ・カレーニナ』を書き終えて宗教的著作をこれから発表しようとしていたトルストイが、自らの立場や思いを表明するために書いた作品になります。

「それを抜きにしていきなり、『教義神学研究』や『要約福音書』など、常識はずれの著作を発表しても、読者はトルストイが本当に発狂したと思って、読まなかっただろう。」

こう書かれてしまうほど根本的な思想転換がトルストイには起こっていました。一般の人にはまず受け入れられないであろう存在がここからのトルストイになります。

ロシアの歴史・文化とドストエフスキー

栗生沢猛夫『タタールのくびき ロシア史におけるモンゴル支配の研究』~ロシアとアジアのつながりを知るのにおすすめ参考書!

「タタール人支配をロシア人はどのように受け止めてきたのか」、これは今の問題にも繋がります。

この本を読んだことで「歴史はどのように紡がれていくのか」ということを考えさせられました。歴史は「今生きている人によって作られるものだ」ということをつくづく感じました。歴史は過去ではなく、まさに今の問題なのだと。「歴史観」の問題なのだと・・・

ドストエフスキーとフロイトの父親殺し

『カラマーゾフの兄弟』はなぜ難しい?何をテーマに書かれ、どのような背景で書かれたのか~ドストエフスキーがこの小説で伝えたかったこととは

この記事では実際に『カラマーゾフの兄弟』が書かれた背景とはどのようなものだったのかをお話していきます。

「難しい」「読みにくい」と言われることの多いこの作品ですが、なぜそのように感じてしまうのか、その理由にも迫っていきます。

この作品の背景を知ると、『カラマーゾフの兄弟』がまた違って見えてきます。カラマーゾフは面白い!!ぜひおすすめしたい記事です!

ドストエフスキーとフロイトの父親殺し

『カラマーゾフの兄弟』は本当に父殺しの小説なのだろうか本気で考えてみた~フロイト『ドストエフスキーの父親殺し』を読んで

フロイトはこの作品でドストエフスキーの生涯や性格をエディプス・コンプレックスの観点から分析し、『カラマーゾフの兄弟』においても父殺しの衝動が彼にそれを書かせたと結論づけます。

ですが、はたして本当にそうだったのでしょうか?

『カラマーゾフ』は本当に父殺しの小説なのかどうかをこの記事では考えていきます。

ドストエフスキーとキリスト教

パウエル中西裕一『ギリシャ正教と聖山アトス』~知られざる正教の文化とギリシャの聖地とは

この本では私たちがあまり知ることのない正教の教えをわかりやすく解説してくれます。カトリックやプロテスタントとの違いもこの本を読めば見えてきますし、聖地アトス山が一体どのような場所なのかということも知ることができます。

長きにわたって守られ続けてきた祈りの生活とははたしてどんなものなのか。修道士は何を思い、どんな生活をしているのか。

読んでいて驚くような世界がどんどん出てきます。

写真も豊富で、現地の様子が非常にイメージしやすいです。これもこの本のありがたいところです。

著者の語り口もとても読みやすく、楽しみながら知られざる正教の姿を学ぶことができます。

フランス文学と歴史・文化

ヴォルテール『カンディード』あらすじと感想~最善説への反論、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』とのつながりも

『カンディード』は18世紀中頃の作品ではありますが、全く古さを感じない作品です。物語もドラマチックでストーリーにぐいぐい引き込まれます。とても面白い作品でした。

そして『カラマーゾフの兄弟』をとのつながりを感じながら読むとこれまた味わいが増してきます。ドストエフスキーファンの方にもぜひおすすめしたい1冊です。

フリードリヒ・ニーチェニーチェとドストエフスキー

ニーチェとドストエフスキーの比較~それぞれの思想の特徴とはー今後のニーチェ記事について一言

今回の記事からドイツの哲学者ニーチェについて考えていきたいと思います。ニーチェと言えば難解な思想や「神は死んだ」という言葉で有名な哲学者ですよね。

正直、私は当ブログでニーチェを紹介することをずっとためらっていました。

というのも、ニーチェは読む者に良くも悪くも強烈な影響を与える存在だからです。

ニーチェの言葉には悪魔的な強さがあります。その感染力たるや凄まじいものがあります。

しかし、最近ニーチェ関連の参考書を読んだり、ニーチェ作品を改めて読み返してみると、これまでとは違ったニーチェが私の前に現れてきました。ニーチェを学ぶことはドストエフスキーの理解をさらに深め、さらに言えば浄土真宗の開祖親鸞聖人を学ぶ上でも非常に有益な視点を与えてくれることに気づいたのです。