(1)ナチスとソ連による1400万人の虐殺の犠牲者~あまりに巨大な独ソ戦の惨禍

『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』では独ソ戦で起きた大量虐殺の悲劇はナチス、ソ連の相互関係によってより悲惨なものになったことを明かしていきます。ナチスの残虐行為だけが世界史においてはクローズアップされがちですが、それだけではナチスの行動の全貌を知ることはできません。

ナチスとソ連というもっと大きな視点でホロコーストの実態を見ていくことがこの本の特徴です。

「ナチスは異常で残虐で悪い人間だった」と単に片付けるのではなく、もっと大きな視点からなぜ人間はそのようなことを行ってしまったのかということに迫っていくのが本書の素晴らしい点です。