ルワンダ

ラジオの戦争責任スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

坂本慎一『ラジオの戦争責任』~メディアが煽るナショナリズム。戦争のメカニズムを学ぶためにも非常におすすめ!

かつて日本でもラジオにおいて仏教学者や演説、説法の達人が仏教を語り多くの人に強い影響を与えていたというのは驚きでした。

また、松下幸之助についての驚きの事実や、政治家松岡洋右の圧倒的な演説力、玉音放送を手掛け戦争を終結させた影の立役者下村宏の偉業など次から次へと驚異の事実をこの本では目にしていくことになります。

とにかく読んでみて下さい。それも一刻も早く!これほどの本に出会えるのはそうそうありません。世界が非常に不安定になっている今こそ読むべき名著中の名著です。

コーヒースリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

『コーヒーで読み解くSDGs』~危機的状況だったコーヒー業界が今どのように変わろうとしているのかを知るのにおすすめ!

前回の記事で紹介したアントニー・ワイルド著『コーヒーの真実』では世界のコーヒー業界の暗部を知ることとなりました。

その本を読んで頭を抱えた私ですが、本書『コーヒーで読み解くSDGs』ではそんな危機的なコーヒー業界を変えるべく奮闘している人々やその活動を知ることができました。

文章も読みやすく、写真も多く掲載されていますので気軽に手に取れる作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

ボスニア紛争とルワンダ虐殺の悲劇に学ぶ~冷戦後の国際紛争

ルワンダの虐殺を学ぶのにおすすめの参考書7作品~目を背けたくなる地獄がそこにあった…

ルワンダの虐殺はあまりに衝撃的です。トラウマになってもおかしくないほどの読書になるかもしれません。それほどの地獄です。人間はここまで残酷になれるのかと恐れおののくしかありません。

私はボスニア紛争をきっかけにルワンダの虐殺をこうして学ぶことになりましたが、これらの本を読んでいてボスニア、ルワンダ、ソマリアのそれぞれが特異で異常なのではなく、人間の本質としてそういうことが起こり得る、誰しもがやってしまいかねないものを持っているのだということを改めて思い知らされることになりました。

目を背けたくなるような歴史ではありますが、ここを通らなければ、歴史はまた形を変えて繰り返してしまうことでしょう。そうならないためにも私たちは悲惨な人間の歴史を学ばなければならないのではないでしょうか。

現代ロシアとロシア・ウクライナ戦争

山崎佳代子『そこから青い闇がささやき』~NATOのベオグラード空爆を体験した詩人によるエッセイ集~そこで何が起きていたのか

この作品はセルビアの首都ベオグラード在住の詩人山崎佳代子氏によるエッセイ集です。

なぜユーゴ紛争は起こってしまったのか・・・

「セルビア悪玉論」という単純な構図で語られてしまったこの紛争。

そんな国際世論の中セルビアはNATOによる空爆を受けることになります。著者はそんな猛烈な爆撃の中ベオグラードに残り続け、そこに生きる人々の声や、自らの思いをこの本に記しています。

スターリンとヒトラーの虐殺・ホロコースト

B・シュタングネト『エルサレム〈以前〉のアイヒマン 大量殺戮者の平穏な生活』~「悪の陳腐さ(凡庸さ)」論が覆る!?

アーレントの「悪の陳腐さ」論が覆されかねない衝撃の作品です!

この本で明らかにされるアイヒマンは「悪の陳腐さ」とは真逆の姿です。アーレントはエルサレムで周到に計画されたアイヒマンの罠にかかってしまったことがこの本で語られます。アイヒマンは単なる権力の歯車などではなかったのです。恐るべき一冊です。

スターリンとヒトラーの虐殺・ホロコースト

アーレントの「悪の陳腐さ」は免罪符になりうるのか~権力の歯車ならば罪は許される?ジェノサイドを考える

アーレントの「悪の陳腐さ」は罪を逃れるための免罪符になってはいないだろうか。これがふとスレブレニツァやルワンダの虐殺を学ぶ過程で私が感じてしまった疑問でした。加害者たちは「仕方がなかった」と自分の行動の責任を考えようとはしません。ですがそれではたしてよいのでしょうか。そのことをこの記事で今一度考えてみました。

ボスニア紛争とルワンダ虐殺の悲劇に学ぶ~冷戦後の国際紛争

『ブラックホークダウン アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録』あらすじと感想~大ヒット映画の原作!ソマリアの惨劇を知るのにおすすめ

この作品はリドリー・スコット監督の大ヒット映画『ブラックホーク・ダウン』の原作となった作品です。

このソマリアでの戦闘は後のアメリカの軍事介入に大きな影響を及ぼすことになりました。

これまで当ブログでも紹介してきたボスニア紛争やルワンダの虐殺で国連の平和維持活動が機能不全に陥ったのもまさにこの事件の影響が非常に大きかったとされています。

それまでのアメリカや先進諸国は圧倒的な武力をもって介入すれば、発展途上国の紛争は簡単に鎮圧できると考えていました。しかしその楽観的な考え方が崩壊した事件こそこのブラックホークダウンだったのです。

この時点でルワンダの虐殺やスレブレニツァの虐殺の最終カウントダウンが始まっていたのかもしれません・・・

ボスニア紛争とルワンダ虐殺の悲劇に学ぶ~冷戦後の国際紛争

『隣人が殺人者に変わる時 和解への道―ルワンダ・ジェノサイドの証言』~虐殺者と共存する地獄。赦しとは一体何なのか

この本は『隣人が殺人者に変わる時』三部作の最後を飾る作品です。ラストの作品にふさわしく、この本も凄まじい1冊です。個人的には三部作中最も印象に残った作品です。あまりに厳しい現実をこの本で突きつけられることになりました・・・
平和とは何か。人間とは何か。罪と罰とは何か。善と悪、神の問題。赦しの問題。

人間における根本の問題がここに詰まっています。答えはありません。ですが、極限状態に生きた人たちの声がここにはあります。その声に耳を傾け、自分は何を思うのか。これは非常に重要なことだと思います。

ボスニア紛争とルワンダ虐殺の悲劇に学ぶ~冷戦後の国際紛争

『隣人が殺人者に変わる時 ルワンダ・ジェノサイドの証言 加害者編』~加害者は虐殺後何を語るのか

前回紹介した本ではルワンダの虐殺の生存者のインタビューが収められていましたが、この作品ではそれとは逆に加害者の声を聞くことになります。

正直、読んでいて暗い気持ちになり、胸がむかむかしてきます・・・被害者は全てを失い、生き残った者も絶望的な苦しみを味わい続けています。しかし、それに対し加害者側はどうなのか。この本をそれを知ることになります。

ボスニア紛争とルワンダ虐殺の悲劇に学ぶ~冷戦後の国際紛争

『隣人が殺人者に変わる時 ルワンダジェノサイド 生存者たちの証言』~衝撃の三部作!ルワンダ虐殺の実態を知るのにおすすめ

この三部作はとにかく衝撃的です。

平和とは何か。人間とは何か。罪と罰とは何か。善と悪、神の問題。赦しの問題。

人間における根本の問題がここに詰まっています。答えはありません。ですが、極限状態に生きた人たちの声がここにはあります。その声に耳を傾け、自分は何を思うのか。これは非常に重要なことだと思います。