親鸞とドストエフスキー・世界文学

名作の宝庫・シェイクスピア

ジーン・ベネディティ『スタニスラフスキー伝』~『俳優の仕事』で有名なロシアの伝説的な俳優・演出家のおすすめ伝記

この本では名俳優スタニスラフスキーの生涯を見ていくことになります。スタニスラフスキーは『俳優の仕事(旧訳は『俳優修業』)』という本で有名で世界の演劇界において凄まじい影響力を持ち、日本でもバイブルのように読まれていたそうです。その演劇論は「スタニスラフスキー・システム」と呼ばれ、今でもその影響力は健在なようです。

また、この本は単にスタニスラフスキーの生涯をなぞるのではなく、当時の時代背景も掘り下げていきます。そしてその時代背景においてスタニスラフスキーをはじめとした演劇人がどのように動いていたのかを知ることができます。
ものすごく面白い本でした!

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(4)ミケランジェロが設計したカンピドーリオ~フォロ・ロマーノを一望するローマの象徴的建造物

『「すべての道はローマに通じる」というのはあまりに有名な言葉だが、ローマのどこに通じるのかというと、それはこのカンピドーリオなのである』

漠然と知っていた言葉の背景を知れるのはやはり面白い。

そういう意味でも古代ローマを学ぶのであるならばまずはここからスタートすべきという石鍋真澄の言葉は非常に納得できるものがあります。

そして何と言ってもやはり注目したいのが、現在のカンピドーリオがミケランジェロの設計だという点です。この記事ではそんなカンピドーリオについて見ていきます。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(3)ローマの老舗カフェ・グレコへ~ゲーテやアンデルセン、メンデルスゾーンも通った芸術家たちの聖地

ローマのスペイン広場近くにあるカフェ・グレコはあのゲーテやアンデルセン、メンデルスゾーンやベルリオーズなど数え切れないほどの著名人が時を過ごした名店で、文学や絵画、音楽好きにはたまらない聖地となっています。

さすが200年以上の歴史を持つ老舗。ノスタルジーを感じるにも最高です。

私もローマ滞在中何度もここへ足を運びました。何度来てもわくわくする空間です。憧れの偉人たちがここにいたのだという思いに毎回興奮していました。

ロマンス名作の宝庫・シェイクスピア

井上ひさし『ロマンス』あらすじと感想~チェーホフの生涯を喜劇化した傑作!私はこの作品に嫉妬する…!

タイトルに書きましたように、私はこの作品を読みながら「なんて見事な作品だろう・・・!こんな作品を生み出してしまうなんて!」と嫉妬してしまいました。

この作品はあまりに素晴らしすぎます。私もチェーホフが好きです。ですが井上さんはもっともっとチェーホフを深く理解し、愛している。そして彼の人生、思想をこんなに楽しく、深く表現しているのです。この劇で展開されるひとつひとつのエピソードや舞台展開の美しさ、どれをとっても「やられた!もうだめだ!すごすぎる!」とため息が出てしまうほどでした。どうしてこんなに楽しくも美しい劇を思いつけるのか!

私は今まで読書している最中にこんなにメラメラと嫉妬の炎が燃えるなんてことは経験したことがありませんでした。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(2)文豪たちの宿泊地だったローマスペイン広場をご紹介!ベルニーニの傑作「バルカッチャ」の噴水に夢中

今回の記事では『ローマの休日』でもお馴染み、スペイン広場をご紹介します。

この場所もポポロ門、ポポロ広場と同じくゲーテやスタンダールをはじめとした18、19世紀の文豪達にとって非常に大きな意味を持つ場所でした。

ここはいつも観光客でごった返しています。国際都市ローマの雰囲気を感じるには今もここがベストなのではないでしょうか。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(1)ローマの玄関ポポロ門とポポロ広場~一瞬で旅行者を引き込む目の一撃!劇場都市ローマの真骨頂とは!

私のローマ旅行記の記念すべき第一回目はローマの玄関口ポポロ門とポポロ広場です。

私もテルミニ駅から地下鉄を使ってポポロ門までやって来ました。

ゲーテやスタンダールもここを通りました。私が好きなドストエフスキーもメンデルゾーンもここを通ったことでしょう。

私にとってローマはベルニーニの街であり、あのゲーテが褒め称えた街でもあります。何事も「始め」が肝心。これからのローマ滞在にとって大いに弾みとなった初日でした。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

【ローマ旅行記】『劇場都市ローマの美~ドストエフスキーとベルニーニ巡礼』~古代ローマと美の殿堂ローマの魅力を紹介!

私は11月初旬から12月まで「ドストエフスキーの旅」と題してヨーロッパを旅しました。そしてその旅行記の中ではお話ししませんでしたが、実は私はこの日程の中でローマも訪れていたのでありました。

私もローマの魅力にすっかりとりつかれた一人です。この旅行記ではローマの素晴らしき芸術たちの魅力を余すことなくご紹介していきます。

「ドストエフスキーとローマ」と言うと固く感じられるかもしれませんが全くそんなことはないのでご安心ください。これはローマの美しさに惚れ込んでしまった私のローマへの愛を込めた旅行記です。気軽に読んで頂ければ幸いです。

名作の宝庫・シェイクスピア

井上ひさし『ムサシ』あらすじと感想~人は報復の連鎖を断ち切れるのか。蜷川幸雄演出舞台の戯曲

それにしてもこの物語の見事さたるや・・・!

まず日本人の誰もが知る宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘の後日譚を書くという大胆さ。そしてこの勇ましい二人をどう戦わせないかという真逆の発想!普通なら血沸き肉躍る再戦を書きたくなるでしょう。いやあすごい!

最後の大団円もまたいいんですよね。ものすごくぐっと来ました。ネタバレになるのでここでお話しできないのが口惜しいです。

私はこの作品が大好きです。自分のクソ真面目さを再認識できたのもいい機会になりました笑 

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

「ドストエフスキーの旅」を終えた私の思いと今後のブログ更新について~当ブログを訪れた皆さんへのメッセージにかえて

私はドストエフスキーが好きです。ですが、何よりも「アンナ夫人といるドストエフスキー」が好きです。 そんな二人の旅路が少しでも多くの人の目に触れるきっかけとなったらこんなに嬉しいことはありません。

この後、当ブログではローマについての記事を更新していきますが、私個人としてはこれから仏教の研究に突入していきます。いよいよ私は本丸に帰ってきました。インド、アジア、中国、日本とこれから仏教が伝えられてきたルートに沿ってその歴史と思想、文化を学んでいきます。そしてその最終目的は親鸞聖人の伝記小説を書くことにあります。私の研究もいよいよ新たな局面を迎えます。4年近くにわたった「親鸞とドストエフスキー」の研究に一片の悔いもありません。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(29)最愛の子アリョーシャの急死と『カラマーゾフの兄弟』のつながり~子煩悩の父としてのドストエフスキー

前回の記事では愛妻家ドストエフスキーの姿をご紹介しました。

そして今回の記事では父親としてのドストエフスキーを紹介して私の旅行記の締めくくりとしたい。

愛妻家ドストエフスキー、子煩悩の父ドストエフスキー。

妻と歩んだドストエフスキーを知る上で絶対に欠かせないエピソードをこれから皆さんにお話ししていきます。

子を愛したドストエフスキーということを知った上で『カラマーゾフの兄弟』を読めば読者の皆さんの心の中にきっとまた何か違うものが芽生えるのではないかと私は信じています。