ロシアの歴史・文化とドストエフスキー

ロシアの歴史・文化とドストエフスキー

千田善『ユーゴ紛争』ユーゴ紛争はなぜ起こったのかがコンパクトにまとめられたおすすめの参考書

この本では著者が、「旧ユーゴ崩壊から二年あまりが過ぎ、戦局は泥沼化しているが、いたずらに民族主義をあおるしか能がない各民族の指導者が、武力による支配地拡大一辺倒の対決策を繰り返してきた責任も、問われなければならない。」と93年の段階で述べているのが非常に印象的でした。

ユーゴ紛争はなぜ起こったのか、そのきっかけは何だったのか、なぜ泥沼化してしまったのか。それをリアルタイムで取材した著者の言葉は非常に重いです。

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栗生沢猛夫『タタールのくびき ロシア史におけるモンゴル支配の研究』ロシアとアジアのつながりを知るのにおすすめ参考書!

「タタール人支配をロシア人はどのように受け止めてきたのか」、これは今の問題にも繋がります。

この本を読んだことで「歴史はどのように紡がれていくのか」ということを考えさせられました。歴史は「今生きている人によって作られるものだ」ということをつくづく感じました。歴史は過去ではなく、まさに今の問題なのだと。「歴史観」の問題なのだと・・・

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O・ファイジズ『クリミア戦争』ロシア・ウクライナの関係と、近代西欧情勢を学ぶのにおすすめの名著!

この作品にも本当に驚かされました。

クリミア戦争ってこんな戦争だったのかと呆然としてしまいました。

世界史の教科書でも取り上げられるこの戦争ですが、どれだけ入り組んだ背景があったか、そしてこの戦争がもたらした影響がいかに現代まで続いているかを思い知らされます。

ウクライナ情勢で揺れる世界において、この戦争を学ぶことは非常に大きな意味があると思います。

ぜひおすすめしたい作品です。

ロシアの歴史・文化とドストエフスキー

O・ファイジズ『ナターシャの踊り ロシア文化史』ロシアの文化・精神性の成り立ちに迫るおすすめ参考書!

ロシア的な精神とは何なのかということを学ぶのに最高の一冊!。

文化がいかにして出来上がっていくかということを考えさせられます。

私個人としては、この本を読んで特に印象に残ったのはオプチナ修道院についての記述です。

この修道院は晩年のドストエフスキーが訪れた、ロシアのとても名高い修道院で、あのトルストイも何度も足を運んでいます。

この本はドストエフスキーのキリスト教理解を学ぶ上でも非常に重要な視点を与えてくれます。

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モンテフィオーリ『ロマノフ朝史1613-1918』ロシアロマノフ王朝の歴史を学ぶのに最高の1冊!

私にとってはモンテフィオーリは絶大な信頼を寄せうる歴史家なのですが、今作も安定のモンテフィオーリクオリティーでした。「素晴らしい」の一言です。

ロマノフ王朝の始まりからいかにしてロシアが拡大し、力を増していったのかをドラマチックにテンポよく学ぶことができます。

それぞれの皇帝ごとに章立ても進んでいくので時代の流れもとてもわかりやすいです。

ロシアという国がどんな歴史を経て今に繋がっているかを学ぶのにこの本は最適です。

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榎本武揚『シベリア日記』函館ゆかりの偉人がロシア・シベリア横断をしていた!

榎本武揚『シベリア日記』函館ゆかりの偉人がロシア・シベリア横断をしていた! 私が読んだ榎本武揚著、諏訪部揚子・中村喜和編注『シベリア日記』は2010年に平凡社より出版されました。 早速表紙裏の本紹介を見ていきましょう。 …

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アンリ・トロワイヤ『帝政末期のロシア』―ドストエフスキー亡き後のロシア社会を知るために

アンリ・トロワイヤ『帝政末期のロシア』―ドストエフスキー亡き後のロシア社会を知るために 『帝政末期のロシア』はアンリ・トロワイヤによって1959年に発表された作品です。 アンリ・トロワイヤといえばこのブログでももうお馴染…

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函館ハリストス正教会を訪ねて~ロシア正教の祈りとガンガン寺の鐘の音

ハリストス正教会は日本で初めて建てられたロシア正教の教会で、函館のシンボルともなっている教会です

ロシア正教は同じキリスト教といってもカトリックやプロテスタントとはその教えや祈り方、文化がかなり違います。

そしてそのロシア正教が初めて日本に上陸し根付いたのがここ函館だったのです。日本に布教にやって来たニコライ神父はドストエフスキーとも面識があったと言われています。

ドストエフスキーを愛する私としては何か不思議なご縁を感じます。私が住む函館がロシア正教を学ぶ上で非常に大きな意味をもっていることに運命のようなものを感じてしまいました。

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跳魚@ロシア史と露様『天使のためのウヴェルテュール前編(アレクサンドル1世紹介漫画) 』~ロシア皇帝アレクサンドル1世を漫画で紹介!

跳魚さんの『天使のためのウヴェルテュール前編 』ではあの無敵のナポレオンを敗走させたアレクサンドル1世について彼の波乱万丈の生涯をわかりやすく漫画で紹介して下さっています。

ロシアの皇帝というとかなりいかついイメージがあるかもしれませんが、跳魚さんのイラストは非常に繊細で美しくて、とっつきにくいロシア史のイメージが変わると思います。

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R・ヒングリー『19世紀ロシアの作家と社会』知られざるロシア社会と文学者のつながりを網羅した名著

ドストエフスキーをはじめとしたロシア文学がなぜこうも私たちの心を打つのか。

それは彼らの人生に対する真剣さにあったのだ。

著者のヒングリーはそう述べます。

この本は19世紀のロシア社会やその文化と作家たちのつながりを解説しています。

文学論や哲学講義としてはよく出てくる19世紀ロシアですが、その社会事情や文化面はなかなか話に上ってくることがありません。そういう意味でこの本は非常に興味深い視点を与えてくれます。