産業革命

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(18)共産主義の始まりとドイツの共産主義者モーゼス・ヘスがいかにマルクス、エンゲルスに影響を与えたかについて

共産主義といえばマルクスを思い浮かべてしまう私たちですが、この思想自体はマルクスの独創ではありません。

マルクス・エンゲルスも無から偉大な思想を生み出したわけではありません。二人とも猛烈な勉強家です。彼らは過去の偉大な思想家や同時代の思想を学び、自身の思想を作り上げていきます。こうした彼らの思想背景を辿っていくのは非常に興味深いものがあります。

その代表例が今回ご紹介するドイツの思想家モーゼス・ヘスです。この記事は特におすすめの内容となっています。

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(17)空想的社会主義者フーリエの思想とは~ファランジュやユートピアで有名なフランス人思想家

エンゲルスはマルクス以前に社会主義思想を説いた有名な3人、サン・シモン、シャルル・フーリエ、ロバート・オウエンを「空想的社会主義者」と述べました。

そして彼らの「空想的」な理論に対して、マルクスの理論は「科学的」であると宣言します。

前回の記事ではサン・シモンを紹介しましたが、今回の記事ではシャルル・フーリエという人物についてお話ししていきます。

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(16)空想的社会主義者サン・シモンの思想とは~後のフランス第二帝政に巨大な影響を与えた経済思想家

空想的社会主義者とはエンゲルスによって1880年に出版された『空想から科学へ』の中で説かれた有名な言葉です。

エンゲルスはマルクス以前に社会主義思想を説いた有名な3人、サン・シモン、シャルル・フーリエ、ロバート・オウエンを「空想的社会主義者」と述べました。

そして彼らの「空想的」な理論に対して、マルクスの理論は「科学的」であると宣言します。

今回の記事ではまず、そのサン・シモンという人物についてお話ししていきます。

おすすめマルクス・エンゲルス伝記

マルクス伝記おすすめ12作品一覧~マルクス・エンゲルスの生涯・思想をより知るために

私はマルクス主義者ではありません。

ですが、マルクスを学ぶことは宗教や人間を学ぶ上で非常に重要な意味があると考えています。

なぜマルクス思想はこんなにも多くの人を惹きつけたのか。

マルクス思想はいかにして出来上がっていったのか。

そもそもマルクスとは何者なのか、どんな時代背景の下彼は生きていたのか。

そうしたことを学ぶのにこれから紹介する伝記は大きな助けになってくれます。

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(6)エンゲルス『ヴッパータールだより』~工場の劣悪な環境を18歳のジャーナリスト、エンゲルスが告発

エンゲルス18歳の時に発表された『ヴッパータールだより』。

後にお話しすることになりますが、この『ヴッパータールだより』のスタイルは後の『イギリスにおける労働者階級の状態』にも引き継がれ、そしてそれはそのままマルクスの『資本論』にも直結していきます。

ギムナジウムを退学し、大学にも行けなかったエンゲルスですが、やはり歴史を変える天才は何かが違います。マルクスの影に隠れてしまいがちですがその片鱗はすでにここに現われています。

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(3)エンゲルスの生地、工業地帯ヴッパータールの宗教事情とは

エンゲルスが育ったドイツの工業都市バルメンの宗教事情ははまさしくヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で語られることと重なっています。

ドイツにおいてエンゲルスがこうした環境の中で育っていたというのは驚きでした。

この記事ではそんなバルメンの宗教事情とエンゲルスの家庭環境、若きエンゲルスの宗教に対する見方をお話ししていきます。

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(2)エンゲルスの恵まれた家庭環境と故郷の町バルメン(現ヴッパータール)の社会事情とは

エンゲルスは1820年にドイツのバルメン(現ヴッパータール)という町で生まれました。

エンゲルス家は典型的な上流ブルジョワ家庭であり、綿工場の経営者の御曹司として何一つ不自由のない温かな家庭で生活していたのでした。

ドイツの新興工業地帯に生まれたエンゲルス。彼はここで工業化がもたらす悲惨な環境破壊や労働者の貧困を間近で見ながら育っていくことになります。

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年表で見るマルクスとエンゲルスの生涯~二人の波乱万丈の人生と共同事業とは

これより後、マルクスとエンゲルスについての伝記をベースに彼らの人生を見ていくことになりますが、この記事ではその生涯をまずは年表でざっくりと見ていきたいと思います。

マルクスとエンゲルスは分けて語られることも多いですが、彼らの伝記を読んで感じたのは、二人の人生がいかに重なり合っているかということでした。

ですので、二人の辿った生涯を別々のものとして見るのではなく、この記事では一つの年表で記していきたいと思います。

おすすめマルクス・エンゲルス伝記

トリストラム・ハント『エンゲルス マルクスに将軍と呼ばれた男』~マルクスを支えた天才の生涯と思想背景を知れるおすすめ伝記!

この伝記はマルクスやエンゲルスを過度に讃美したり、逆に攻撃するような立場を取りません。そのような過度なイデオロギー偏向とは距離を取り、あくまで史実をもとに書かれています。

そしてこの本を読んだことでいかにエンゲルスがマルクスの著作に影響を与えていたかがわかりました。

マルクスの伝記や解説書を読むより、この本を読んだ方がよりマルクスのことを知ることができるのではないかと思ってしまうほど素晴らしい伝記でした。マルクスの伝記に加えてこの本を読むことをぜひおすすめしたいです。

おすすめマルクス・エンゲルス伝記

玉川寛治『『資本論』と産業革命の時代―マルクスの見たイギリス資本主義』~現地取材によるリアルな記事が魅力の参考書

産業革命について書かれた本はいくつもあれど、「マルクスとエンゲルスが見た」視点から産業革命をじっくり見ていこうという本はなかなか貴重です。写真やイラストも多いのもありがたいです。

マルクスとエンゲルスは実際に産業革命時代を目の当たりにして生活していました。そんな彼らの実体験があったからこそ彼らの思想、作品は生まれてきています。彼らの思想を学ぶ上でも産業革命とはどのようなものだったのか、そして彼らがそれをどのように考えていたかを知ることは非常に重要なことだと思います。