産業革命

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(44)1850年代以降、亡命先のイギリスで経済不況を待ち望むマルクス・エンゲルス

マルクス・エンゲルスの史的唯物論によれば、ブルジョワによる資本主義は経済不況を引き金にプロレタリアート革命によって倒されると論じられていました。

ですので革命には経済不況が不可欠です。これがないと何も始まりません。

ただ、これは逆に言えば、経済不況という状況さえあれば革命は自ずとやってくるはずなので、二人はこうした状況を今か今かと待ち望んでいたのでした。

しかし待望の経済不況がやってきたものの、その結果は二人の予想とは全く異なるものでした

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(43)マルクスと大英博物館図書館~毎日12時間研究に没頭する鬼のような読書家マルクス

マルクスは鬼のような読書家でした。大英博物館図書館に籠りひたすら本の海に飛び込むマルクス・・・

彼は原稿を書いては破り捨て、書いては破り捨てを繰り返し、何か思いついたかと思いきや今度は本の世界に飛び込みまた脱線した読書に夢中にのめり込む・・・

これでは原稿を待つエンゲルスが嘆くのも無理はないですよね・・・なかなか原稿を送ってくれない作家に振り回される編集者そのものです。

ただ、マルクスの天才ぶり、狂気ともいうべき姿を知れたのは大きなことでした。

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(42)マルクスは実は貧乏ではなかった?~ブルジョワ的出費と破滅的な金銭感覚

エンゲルスは父の経営する綿工場に勤めることになり、初任給から300ポンドという高給を取り、後には年収1000ポンドという高所得者となります。これを今日の貨幣価値に換算すると1500万円ほどになります。

そしてマルクスが彼から受けた経済援助はなんと、20年で少なくとも4500万円以上だったと言われています。それでもマルクスが貧困に苦しんでいたのはなぜだったのでしょうか。それをこの記事で見ていきます

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(40)イギリスヴィクトリア朝の繁栄と労働者の生活水準の上昇~プロレタリアートのブルジョワ化

エンゲルスがいた頃(1843-44年)のマンチェスターはこの世の地獄のような場所でした。そんな悲惨な環境を告発したのが彼の著書『イギリスにおける労働者階級の状況』でした。この作品はマルクスにも絶賛され『共産党宣言』や『資本論』にも大きな影響を与えました。

しかし、50年代にも入るとそのような描写はすっかり時代遅れなものになっていました。エンゲルスが不在だった数年間にイギリスは激変してしまったのです。

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(39)マルクス・エンゲルスのイギリス亡命生活の始まり

フランス二月革命を経てマルクス・エンゲルスは共に政治犯として追われる身になっていました。

そこでマルクスは政治犯でも受け入れてくれるイギリスを亡命先として選ぶことになります。

エンゲルスもそうしたマルクスを追い、イギリスへと向かうことになったのでした。

そしてそこでのエンゲルスの決断がまた驚きです。やはり彼は矛盾をものともしない図太い神経があったのでした。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(37)マルクスのプロレタリアートは革命理論のために生み出された存在だったという衝撃の事実

今回の記事で紹介する箇所はマルクス主義を考える上で非常に重要な問題を提起していると思います。

マルクスは何のために共産主義を説いたのか。

本当に貧しい人を救うためだったのか。

なぜマルクスやエンゲルスは自説とは矛盾した行動を取り続けたのか。

こうしたことを考える上でも今回の箇所は私にとっても非常に大きなものになりました。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(36)マルクスの『共産主義者宣言』が出版直後には世間から無反応だったという驚きの事実

「ヨーロッパに亡霊が出没する―共産主義という亡霊が」

「万国の労働者、団結せよ!」

という言葉で有名なマルクス・エンゲルスの『共産主義者宣言(共産党宣言)』ですが、実は発刊当時はほとんど反響がありませんでした。

20世紀で最も読まれた書物のひとつとして有名なこの作品がなぜそんなことになってしまったのかをこの記事では見ていきます。

光の画家フェルメールと科学革命

F・ステッドマン『フェルメールのカメラ 光と空間の謎を解く』~写真機の先祖カメラ・オブスクラとは何かを知るのにおすすめ!

今作『フェルメールのカメラ 光と空間の謎を解く』ではかなり詳しくカメラ・オブスクラについて知ることができます。図や写真も多数掲載されていますし、画家がこの機械をどのように使っていたかというのもわかりやすく説かれます。これはとてもありがたいことでした。

フェルメールが用いたこの光学機器についてより知りたい方にはぜひおすすめしたい作品となっています。

光の画家フェルメールと科学革命

『漫画 人物科学の歴史04 パスカル/ニュートン』~ロバート・フックとニュートンの不仲についても知れるおすすめ伝記

この伝記漫画の素晴らしいところは登場人物たちの人間臭さにあります。偉人だからといって理想化するのではなく、非常に人間味あふれる個性豊かな人物として描かれています。

ニュートンってこんな人だったのかとかなり驚いてしまいました。そして私がもっとも知りたかったロバート・フックとニュートンの確執もかなり詳しく描かれています。

科学が苦手な私でも楽しく読めたおすすめの作品です。

光の画家フェルメールと科学革命

ロバート・フック『ミクログラフィア』~顕微鏡でコルクの細胞を世界で初めて発見した自然科学者の驚異の図録作品

ロバート・フック(1635-1703)といえば顕微鏡でコルクを観察し、世界で初めて「細胞(セル)」を発見した人物として有名です。

フックは驚くべき精密さで観察対象を描き出しました。それらがずらりと並べられているのが今回ご紹介する『ミクログラフィア』になります。

レーウェンフックとのつながりから手に取ったこの本でしたがとても有意義な読書となりました。