共産主義

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(19)産業革命の中心地マンチェスターの地獄絵図~エンゲルスはそこで何を見たのか

エンゲルスは1年間のベルリンでの兵役を終えた1842年、イギリスへ旅立ちました。

その旅の途中、ドイツの共産主義者モーゼス・ヘスから直接指導を受け、熱烈な共産主義者となったことまで前回の記事でお話ししました。

エンゲルスがなぜマンチェスターを訪れたかといいますと、彼の父が共同経営者となっている「エルメン&エンゲルス商会」がそこにあったからでした。彼の父は哲学にのめり込み急進的な言動を繰り返す息子を商人として鍛え直すために、エンゲルスをマンチェスターに送ったのでした。(もちろん、会社経営の面でも必要でしたが)

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(18)共産主義の始まりとドイツの共産主義者モーゼス・ヘスがいかにマルクス、エンゲルスに影響を与えたかについて

共産主義といえばマルクスを思い浮かべてしまう私たちですが、この思想自体はマルクスの独創ではありません。

マルクス・エンゲルスも無から偉大な思想を生み出したわけではありません。二人とも猛烈な勉強家です。彼らは過去の偉大な思想家や同時代の思想を学び、自身の思想を作り上げていきます。こうした彼らの思想背景を辿っていくのは非常に興味深いものがあります。

その代表例が今回ご紹介するドイツの思想家モーゼス・ヘスです。この記事は特におすすめの内容となっています。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(17)空想的社会主義者フーリエの思想とは~ファランジュやユートピアで有名なフランス人思想家

エンゲルスはマルクス以前に社会主義思想を説いた有名な3人、サン・シモン、シャルル・フーリエ、ロバート・オウエンを「空想的社会主義者」と述べました。

そして彼らの「空想的」な理論に対して、マルクスの理論は「科学的」であると宣言します。

前回の記事ではサン・シモンを紹介しましたが、今回の記事ではシャルル・フーリエという人物についてお話ししていきます。

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(16)空想的社会主義者サン・シモンの思想とは~後のフランス第二帝政に巨大な影響を与えた経済思想家

空想的社会主義者とはエンゲルスによって1880年に出版された『空想から科学へ』の中で説かれた有名な言葉です。

エンゲルスはマルクス以前に社会主義思想を説いた有名な3人、サン・シモン、シャルル・フーリエ、ロバート・オウエンを「空想的社会主義者」と述べました。

そして彼らの「空想的」な理論に対して、マルクスの理論は「科学的」であると宣言します。

今回の記事ではまず、そのサン・シモンという人物についてお話ししていきます。

おすすめマルクス・エンゲルス伝記

マルクス伝記おすすめ12作品一覧~マルクス・エンゲルスの生涯・思想をより知るために

私はマルクス主義者ではありません。

ですが、マルクスを学ぶことは宗教や人間を学ぶ上で非常に重要な意味があると考えています。

なぜマルクス思想はこんなにも多くの人を惹きつけたのか。

マルクス思想はいかにして出来上がっていったのか。

そもそもマルクスとは何者なのか、どんな時代背景の下彼は生きていたのか。

そうしたことを学ぶのにこれから紹介する伝記は大きな助けになってくれます。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(13)カール・マルクスの出生とドイツ・トリーアのマルクス家

1818年、弁護士ハインリヒの子としてカール・マルクスは誕生しました。

マルクスが生まれたトリーアという町は、古代ローマの遺跡が残る古都です。

そしてこの記事で詳しく見ていきますが、エンゲルスと同じく、マルクスも裕福な家に生まれていて、彼は幼い頃より家族に大切に育てられていました。

また、マルクス家がユダヤ教のラビ(指導者)の家系だったという驚きの事実も見ていきます。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(12)自由奔放で過激な青年ビール知識人とマルクス・エンゲルスのつながりとは

前回の記事まででシュトラウス→ブルーノ・バウアー→フォイエルバッハという、「青年ヘーゲル派」・反体制派思想の流れを見ていきました。

そしてこの記事では若きエンゲルスがベルリン時代に付き合っていた「ビール知識人」なる存在についてお話ししていきます。

実はマルクスもこのビール知識人の一員で、エンゲルスとは入れ違いで会うことはありませんでしたが、二人は同じグループで若き日を過ごしていたのでありました。

現代ロシアとロシア・ウクライナ戦争

宇都宮徹壱『ディナモ・フットボール 国家権力とロシア・東欧のサッカー』~旧共産圏の過去と今をサッカーから知れる衝撃の名著!

ディナモ・ザグレブやディナモ・キエフなどのチームは知ってはいました。ですがまさかそれが内務省や秘密警察から来ていたとは・・・!

内務省といえばロシアいうとあのKGBです。現在はFSBに名前が変わっていますが、KGBはプーチン大統領が在籍していたことでも知られる組織です。ソ連時代の恐るべき組織が「ディナモ」の由来だったと知り本当に驚きました。

これは名著です。思わぬところでものすごい本と出会うことになりました。

現代ロシアとロシア・ウクライナ戦争

J・モンタギュー『億万長者サッカークラブ』~ロシアのオリガルヒ・アブラモビッチ氏とチェルシーについて知るのにおすすめ

ロシア・ウクライナ戦争をきっかけに知ることになったロシアのオリガルヒ(新興財閥)。

その中でも最近ニュースで取り上げられているのが名門サッカークラブチェルシーのオーナー、アブラモビッチ氏です。

経済制裁によってアブラモビッチ氏の資産が凍結され、それに伴いチェルシーの運営が立ち行かなくなるというニュースには私も衝撃を受けました。

この本はそんなアブラモビッチ氏とは何者なのか、そしてなぜチェルシーのオーナーとなったのかを知ることができる作品です。

現代ロシアとロシア・ウクライナ戦争

トビー・ドッジ『イラク戦争は民主主義をもたらしたのか』~ロシアのウクライナ侵攻を考えるためにも

この本はイラク侵攻後のイラク情勢について書かれた本なので、なぜイラク戦争が起きたのか、そしてその経過についてはほとんど書かれていません。イラク戦争そのものについて学ぶのならば他の本を読むのをおすすめします。ですが、武力侵攻の後にいかなることが起こりうるのかということを考えるのには非常に参考になる作品です。