(8)シュトラウスからヘーゲルへ~なぜヘーゲル思想は青年たちの心を捉えたのか
無神論というと、何も信じていないかのように思われがちですが実は違うパターンもあります。
この記事で語られるように、無神論とは何も信じないことではなく、従来のキリスト教の信仰を否定し、新たな信条に身を捧げることでもありました。
当時、キリスト教の世界観を否定し、ヘーゲル思想に傾倒していった若者はたくさんいました。そのひとりがエンゲルスであり、マルクスでもありました。
無神論というと、何も信じていないかのように思われがちですが実は違うパターンもあります。
この記事で語られるように、無神論とは何も信じないことではなく、従来のキリスト教の信仰を否定し、新たな信条に身を捧げることでもありました。
当時、キリスト教の世界観を否定し、ヘーゲル思想に傾倒していった若者はたくさんいました。そのひとりがエンゲルスであり、マルクスでもありました。
この作品にも本当に驚かされました。
クリミア戦争ってこんな戦争だったのかと呆然としてしまいました。
世界史の教科書でも取り上げられるこの戦争ですが、どれだけ入り組んだ背景があったか、そしてこの戦争がもたらした影響がいかに現代まで続いているかを思い知らされます。
ウクライナ情勢で揺れる世界において、この戦争を学ぶことは非常に大きな意味があると思います。
ぜひおすすめしたい作品です。
エンゲルスを無神論へと向かわせた決定的な契機とは何だったのでしょうか。
この記事ではそうした問題を考えるべく、シュトラウスの『イエスの生涯』という作品とエンゲルスの出会いをお話ししていきます。
『イエスの生涯』は当時の急進的な青年たちに絶大な影響を与え、無神論へと導きました。これはマルクスも同じです。マルクスもこの作品から絶大な影響を受けています。
想像力豊かで詩を愛していたエンゲルスが、自分の家業のために無理やり退学させられ、大学進学もあきらめなければならなかった。そして家業とはいえ、やりたくもない仕事の見習いを強制されられる日々。
こうした青年時代がエンゲルスの反抗心をさらに高めることになったのでした。
エンゲルスが政治活動にのめり込むきっかけをこの記事ではお話ししていきます。
18世紀、19世紀のドイツ思想界に絶大な影響を与えたドイツロマン主義、疾風怒濤とはいかなるものなのか。
ゲーテ、シラー、ヘーゲル、ホフマン、ベートーベン、グリム兄弟など錚々たる顔ぶれが世に現れたこの時代の特徴をこの記事では見ていきます。
マルクス・エンゲルスもこうした時代の子として生れてきています。彼らの思想背景を知る上でも非常に重要なものとなっています。
エンゲルスが育ったドイツの工業都市バルメンの宗教事情ははまさしくヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で語られることと重なっています。
ドイツにおいてエンゲルスがこうした環境の中で育っていたというのは驚きでした。
この記事ではそんなバルメンの宗教事情とエンゲルスの家庭環境、若きエンゲルスの宗教に対する見方をお話ししていきます。
エンゲルスは1820年にドイツのバルメン(現ヴッパータール)という町で生まれました。
エンゲルス家は典型的な上流ブルジョワ家庭であり、綿工場の経営者の御曹司として何一つ不自由のない温かな家庭で生活していたのでした。
ドイツの新興工業地帯に生まれたエンゲルス。彼はここで工業化がもたらす悲惨な環境破壊や労働者の貧困を間近で見ながら育っていくことになります。
これより後、マルクスとエンゲルスについての伝記をベースに彼らの人生を見ていくことになりますが、この記事ではその生涯をまずは年表でざっくりと見ていきたいと思います。
マルクスとエンゲルスは分けて語られることも多いですが、彼らの伝記を読んで感じたのは、二人の人生がいかに重なり合っているかということでした。
ですので、二人の辿った生涯を別々のものとして見るのではなく、この記事では一つの年表で記していきたいと思います。
この伝記はマルクスやエンゲルスを過度に讃美したり、逆に攻撃するような立場を取りません。そのような過度なイデオロギー偏向とは距離を取り、あくまで史実をもとに書かれています。
そしてこの本を読んだことでいかにエンゲルスがマルクスの著作に影響を与えていたかがわかりました。
マルクスの伝記や解説書を読むより、この本を読んだ方がよりマルクスのことを知ることができるのではないかと思ってしまうほど素晴らしい伝記でした。マルクスの伝記に加えてこの本を読むことをぜひおすすめしたいです。
この本の特徴は18世紀末から19世紀にかけてのドイツの時代背景を様々な角度から詳しく見ていく点にあります。
思想、文化は当時の時代背景に大きな影響を受けます。ある一人の人間の思想や理論が世界を動かしたというのでなく、その背後には複雑な政治情勢、国際政治、歴史の流れが関係してきます。時代背景や歴史、文化を見ないで、思想やイデオロギーありきで世界を語っていくことへの危険性をこの本では指摘しています。
19世紀ドイツの全体像を眺めるのにとても役に立つ1冊だと思います。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。