キリスト教

悪霊ドストエフスキー作品

ドストエフスキー『悪霊』あらすじと感想~革命家達の陰惨な現実を暴露したドストエフスキーの代表作

この作品の持つ魔術的な力は計り知れません。

あくが強い人物たちが一つの舞台でぶつかり合い、自らの存在を主張し合います。

まさに「悪霊」に憑りつかれたごとく、悪役たちは巧妙にそして残酷に社会を混乱に陥れていきます。その過程があまりにリアルで、読んでいてお腹の辺りがグラグラ煮え立ってくるような感情が私の中に生まれてくるほどでした。

やがてそれは生きるか死ぬかの究極の思想対決へと進んで行き、一体これからどうなるのか、彼らの心の中で何が起こっているのかと一時も目が離せぬ展開となっていきます。

これは恐るべき作品です

白痴ドストエフスキー作品

ドストエフスキー『白痴』あらすじと感想~キリストの創造~ドン・キホーテやレミゼとの深い関係

「無条件に美しい人間」キリストを描くことを目指したこの作品ですが、キリスト教の知識がなくとも十分すぎるほど楽しむことができます。(もちろん、知っていた方がより深く味わうことができますが)

それほど小説として、芸術として優れた作品となっています。

『罪と罰』の影に隠れてあまり表には出てこない作品ですが、ドストエフスキーの代表作として非常に高い評価を受けている作品です。これは面白いです。私も強くおすすめします。

罪と罰ドストエフスキー作品

ドストエフスキーの代表作『罪と罰』あらすじと感想~ドストエフスキーの黒魔術を体感するならこの作品

ドストエフスキーがこの小説を書き上げた時「まるで熱病のようなものに焼かれながら」精神的にも肉体的にも極限状態で朝から晩まで部屋に閉じこもって執筆していたそうです。

もはや狂気の領域。

そんな怪物ドストエフスキーが一気に書き上げたこの作品は黒魔術的な魔力を持っています。

百聞は一見に如かずです。騙されたと思ってまずは読んでみてください。それだけの価値があります。黒魔術の意味もきっとわかると思います。これはなかなかない読書体験になると思います。

ゾラとドストエフスキーブログ筆者イチオシの作家エミール・ゾラ

エミール・ゾラとドストエフスキーまとめ―「ルーゴン・マッカール叢書」を読んで

この記事ではゾラとドストエフスキーについての所感をまとめています。

私自身、フランスのことをここまでやるとは考えていなかったので、遠回りになってしまったなと思いつつ、思いがけない収穫があったのでとても満足しています。

正直、私はフランスのことがあまり好きではなかったのですが、今はむしろ好きになってきている自分がいます。恥ずかしながら今やパリに行きたくて仕方がないほどになっています。

食わず嫌いだったというわけではありませんが、相手のことをよく知ってみると意外といいところも見えてくるなと改めて思わされた体験となりました。

ブログ筆者イチオシの作家エミール・ゾラ

エミール・ゾラの小説スタイル・自然主義文学とは~ゾラの何がすごいのかを考える

ある作家がどのようなグループに属しているのか、どのような傾向を持っているのかということを知るには〇〇主義、~~派という言葉がよく用いられます。

ですが、いかんせんこの言葉自体が難しくて余計ややこしくなるということがあったりはしませんでしょうか。

そんな中、ゾラは自分自身の言葉で自らの小説スタイルである「自然主義文学」を解説しています。それが非常にわかりやすかったのでこの記事ではゾラの言葉を参考にゾラの小説スタイルの特徴を考えていきます。

パスカル博士ブログ筆者イチオシの作家エミール・ゾラ

ゾラ『パスカル博士』あらすじと感想~ゾラ思想の総決算!ゾラは宗教や科学、人間に何を思うのか 

24年の間、ほぼ1年に1作のペースで長編小説を20巻も書き続けたゾラ。

1冊1冊の重みを考えると、まさしく異常とも言えるエネルギーでゾラは執筆し続けていたのでありました。

その集大成がこの『パスカル博士』であり、「ルーゴン・マッカール叢書」の締めくくりとしてゾラの思想が最もはっきりと見える作品となっています。

この作品は20作ある叢書の中でも私の中でもベスト3に入る作品です。叢書ラストを飾るこの作品も名著中の名著でした!

愛の一ページブログ筆者イチオシの作家エミール・ゾラ

ゾラ『愛の一ページ』あらすじと感想~美しきパリの情景と許されぬ恋

「平凡な女の、生涯一度だけの情熱が、女の心理を緻密にたどるゾラの描写で、いま甦る!

夕暮のパリ、嵐のパリ、夜景のパリ、―心情をなぞるような都市の描写でも有名な、印象派絵画を思わせる悲恋の物語」

前作の『居酒屋』はあまりに強烈な作品だったため、ゾラ自身にも大きな精神的負担がのしかかることになりました。そこで心機一転して甘く叙情的な世界観を描き出そうとして生まれた作品がこちらになります。(それでもかなりの狂気、毒気が描かれていますが・・・)

ムーレ神父のあやまちブログ筆者イチオシの作家エミール・ゾラ

ゾラ『ムーレ神父のあやまち』あらすじと感想~厳格な神父と純粋な乙女との禁じられた恋と悲劇的結末。

この書は作者のゾラとロシアの文豪ツルゲーネフとのつながりによって前作の『プラッサンの征服』と同じくロシアでいち早く紹介され人気を博した書だったそうです。

今回は前回ほど気分が悪くなるようなものではありませんが、主人公セルジュの信じるキリスト教が生きながらにして「死んだもの」であり、人生を否定しているというゾラの主張を知ることとなりました。

ゾラの言うように、キリスト教は本当に死んでいるのか。宗教は単なる現実逃避なのか、とても考えさせられる作品でした。

プラッサンの征服ブログ筆者イチオシの作家エミール・ゾラ

ゾラ『プラッサンの征服』あらすじと感想~宗教による洗脳、そして破滅を描いた先駆的作品

この物語は私の中で「ルーゴン・マッカール叢書」中、読んでいて最も辛い作品でした。

宗教者による洗脳がここまで露骨に書かれているのは読んでいて苦しいものがありました。

ですが辛くても目を反らしてはいけない真実がこの作品には描かれていると思います。この時代のヨーロッパにおいて宗教がどのように見られているのか。その大きな手がかりのひとつになったのではないかと私は思います。

とにかく凄まじい作品でした。

おすすめキリスト教ドストエフスキーとキリスト教

ドストエフスキーとキリスト教のおすすめ解説書一覧~小説に込められたドストエフスキーの宗教観とは

ドストエフスキーとキリスト教は切っても切れない関係です。

キリスト教と言えば私たちはカトリックやプロテスタントをイメージしてしまいがちですが、ドストエフスキーが信仰したのはロシア正教というものでした。

そうした背景を知った上でドストエフスキーを読むと、それまで見てきたものとは全く違った小説の世界観が見えてきます。

キリスト教を知ることはドストエフスキーを楽しむ上で非常に役に立ちます。