チェーホフ

ともしびロシアの大作家チェーホフの名作たち

チェーホフ『ともしび』あらすじと感想~悲観主義・虚無主義にチェーホフは何を思うのか。

この小説の舞台は鉄道建設の現場という資本主義建設の最先端の場です。そこで技師のアナーニエフと学生のシテンベルクと出会った「私」が彼らの問答を通して人生を考えるという筋書きです。

この作品はショーペンハウアー思想に興味がある人には画期的な作品です。

と言いますのも、チェーホフ流のショーペンハウアー的ペシミズムとの対決というのがこの作品の主題となっているからです。

ページ数も50ページほどとコンパクトなので気軽に読めるのも嬉しいです。

草原ロシアの大作家チェーホフの名作たち

チェーホフ『曠野(草原)』あらすじと感想~ロシアの大いなる自然を美しく描写した名作!

『曠野』はチェーホフが実際に旅した見聞が基になって描かれました。

そして重要なことはこの作品がチェーホフという作家がいよいよロシア第一級の作家として文壇に登場するきっかけとなったという点です。

この作品までのチェーホフは「A チェーホンテ」というペンネームで作品を発表していました。「チェーホンテ」というペンネームが示すようにどこかおどけたようなユーモア作家らしい雰囲気を出していました。

ですが彼はこの作品から「A チェーホンテ」ではなく、本名の「アントン チェーホフ」の名乗ることになります。

この作品はチェーホフの作家としての目覚めを知る上で非常に重要な作品となっています。

仮装した人びとロシアの大作家チェーホフの名作たち

チェーホフ『仮装した人びと』あらすじと感想~チェーホフの特徴を知るならまずはこの作品

目に見える姿と真実の姿のずれ。

特に傍から見れば羨ましく思えてしまうようなものにこそ実は悲しむべき真の姿がある。そうしたことを思わされます。

チェーホフ文学の特徴が非常にわかりやすく出ているのがこの作品です。

短い物語の中にチェーホフらしさが凝縮されています。非常におすすめです。

ロシアの大作家チェーホフの名作たち

チェーホフ文学の特徴を知るために~医者としてのチェーホフ

これからチェーホフの作品を見ていくにあたり、作家チェーホフの個性としてもっとも独特なのが、彼が医者であったということです。

医者でありながら作家として活動した。これは当時としても非常に珍しいケースでした。今回はそんな医者チェーホフについて少しお話ししていきます

医者としてのチェーホフは彼の文学作品を考えていく上で非常に大きなウエイトを占めています。

このことを念頭に置いておくとチェーホフ作品を読むときにより楽しむことができます。

チェーホフ芸術の世界ロシアの大作家チェーホフの名作たち

佐藤清郎『チェーホフ芸術の世界』~チェーホフ作品における思想を知るならこの1冊!

チェーホフ作品を読んでいると、これはまるで仏教書ではないかと思うことが多々ありました。

彼の小説がそのまま仏教の教科書として使えてしまうくらい、それくらい仏教に通じる物語を書いていたのです。これは驚きでした。

なぜチェーホフがそのような思想を持つようになったのかということを、『チェーホフ芸術の世界』ではわかりやすく解説してくれます。

これから先チェーホフ作品をご紹介していきますが、基本的にはこの著作を参考にして読んでいきたいと思います。

チェーホフの生涯ロシアの大作家チェーホフの名作たち

佐藤清郎『チェーホフの生涯』~チェーホフの生涯をもっと知るのにおすすめの伝記!

チェーホフの生涯をもっと知るならこの1冊!佐藤清郎『チェーホフの生涯』概要と感想 『チェーホフの生涯』は佐藤清郎氏によって1966年に筑摩書房より発行されました。 著者の佐藤清郎氏は私のブログでも何度も紹介させて頂きまし…

ロシアの大作家チェーホフの名作たち

ヴィリジル・タナズ『チェーホフ』~ロシアの偉大な作家チェーホフのおすすめ伝記

この伝記はチェーホフの生涯が簡潔かつわかりやすくまとめられていて、チェーホフがどんな作家でどんな人生を送ったのかを知るのに最適です。

私自身、この本がチェーホフについて書かれたもので最初に手にした本でした。

チェーホフがどんな人物なのか全く知らない状態でこの本を読んだのですが、とても読みやすく面白い発見がたくさんであっという間に読み終えてしまうほどでした。のめり込んでしまうほどの面白さです。

ロシアの大作家チェーホフの名作たち

チェーホフの生涯と代表作、おすすめ作品一覧―年表を参考に

ドストエフスキー亡き後のロシアで活躍した作家、チェーホフ。1880年代以降のロシアは革命前の暗い時代に突入していきます。

チェーホフを学ぶことで当時の時代背景や、ドストエフスキーやトルストイがどのようにロシア人に受け止められていたかが見えてくるようになります。これはドストエフスキーを学ぶ上でも大きな意味があります。

というわけで今回は年表を用いてチェーホフとは一体どんな人なのかということををざっくりとお話ししていきたいと思います。

ブッダの真理のことば仏教コラム・法話

中村元訳『ブッダの真理のことば』~簡潔で心に響く原始仏教のエッセンスを知るならこの1冊!

『真理のことば』はひとつひとつの文が簡潔で、非常にわかりやすいです。哲学的なものというより生活実践としての言葉がそのほとんどを占めます。ですのでとてもわかりやすく、すっと心に染み入ってきます。

そうしたわかりやすさ、率直さ、簡潔さがあったからこそこのお経が世界中で親しまれることになったのです。

仏教入門としてこのお経は非常に優れています。お釈迦様が説かれていた教えに触れるにはこのお経が非常におすすめです。

チェーホフロシアの大作家チェーホフの名作たち

帝政ロシア末期を代表する作家チェーホフ―ドストエフスキー亡き後のロシアを知るために

チェーホフは1860年生まれの作家です。つまりこうしたロシア文学の絶頂期の中で若き日を過ごし、成人して作家としてデビューする頃には時代の変化がまざまざと感じられるような中にいたのです。

チェーホフを学ぶことで当時の時代背景や、ドストエフスキーやトルストイがどのようにロシア人に受け止められていたかが見えてくるようになります。これはドストエフスキーを学ぶ上でも大きな意味があります。

そして何より、チェーホフ自身が圧倒的に魅力的な作家であること。これに尽きます。