チェーホフ

神野正史ロシアの歴史・文化とドストエフスキー

神野正史『世界史劇場 日清・日露戦争はこうして起こった』なぜ日露戦争は勃発したのか―ウラジオストクとシベリア鉄道との関係

この本ではまず眠れる獅子清国がいかに繁栄しいかにして衰退していったのかが書かれ、それに伴い朝鮮や日本がどのように動いていったのかが描かれます。

その時日本はまさに幕末。外国勢力の圧力が否が応にも増し、開国か攘夷かで揺れていた時期です。

この頃の日本の混乱や、その当時の中国、朝鮮、ヨーロッパ情勢が神野先生によってわかりやすく解説されます。かなり意外な発見もありとても楽しく読むことができます。

神野先生のお話を聞くと、つくづく「世界は複雑極まりなく、単純なものなどひとつもない」と思わされます。

ロシアロシアの歴史・文化とドストエフスキー

川端香男里『ロシア その民族と心』~ロシアの精神的風土を学ぶのにおすすめの入門書!

この本では「どの項目にかんしても、他の書ではなかなか見いだせないような興味深い内容や斬新な見方が伴って」います。

ロシアに関する本には文学論や思想論はたくさんあるのですが意外とこの本のようなロシア人の素朴な生活や気候、風土からその精神に迫っていく本は数少ないです。

ロシア人の精神がどのようなところにその根っこがあるかを知るのは非常に興味深いです。ましてそこからさらにロシア文学へと絡めてお話ししてくれるので非常にわかりやすいです。

ピョートルロシアの歴史・文化とドストエフスキー

サンクトペテルブルクを作った男ピョートル大帝―ロシア版明治維新を断行した規格外の皇帝に迫る

ロシアの広大な土地を統御するにはそれほどスケールの大きな人物でなければ成り立たない。

並の人物では到底成しえないことを彼らは軽々とやってのけます。

ドストエフスキーやトルストイが活躍するロシアはこうした規格外の皇帝たちが作りあげたものなのです。

ロシアの近代化を成し遂げ、サンクトペテルブルクを作った男ピョートル大帝も非常に興味深い人物でした。

生きる歓びブログ筆者イチオシの作家エミール・ゾラ

ゾラ『生きる歓び』あらすじと感想~ゾラ流のショーペンハウアー的ペシミズムへの回答とは

概要とあらすじでは主人公の少女ポリーヌがダメ人間ラザールに恋をしてしまう可哀そうな物語とお話ししましたが、そこはゾラ師匠。単なる優しい女の子の残念な恋愛で終わらせません。

実はゾラはラザールに当時大流行していたショーペンハウアー的なペシミズム(悲観主義、厭世主義)を意図的にまとわせ、それに対置する形で生きる歓びを体現するポリーヌを立たせているのです。

そうしてゾラは当時大流行していたペシミズムに対する反論を述べようとしているのでした

おすすめドストエフスキードストエフスキー論

おすすめドストエフスキー解説書一覧~これを読めばドストエフスキー作品がもっと面白くなる!

この記事ではこれまで紹介してきましたドストエフスキー論を一覧できるようにまとめてみました。

それぞれの著作にはそれぞれの個性があります。

また、読み手の興味関心の方向によってもどの本がおすすめかは変わってくることでしょう。

簡単にですがそれぞれのドストエフスキー論の特徴をまとめましたので、少しでも皆様のお役に立てれば嬉しく思います。