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コーヒースリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

『コーヒーで読み解くSDGs』~危機的状況だったコーヒー業界が今どのように変わろうとしているのかを知るのにおすすめ!

前回の記事で紹介したアントニー・ワイルド著『コーヒーの真実』では世界のコーヒー業界の暗部を知ることとなりました。

その本を読んで頭を抱えた私ですが、本書『コーヒーで読み解くSDGs』ではそんな危機的なコーヒー業界を変えるべく奮闘している人々やその活動を知ることができました。

文章も読みやすく、写真も多く掲載されていますので気軽に手に取れる作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

コーヒーの真実スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

アントニー・ワイルド『コーヒーの真実』~コーヒーの歴史と現在も続く不平等な貿易システムに警鐘を鳴らす一冊!

何も知らずに無邪気に美味い美味いと飲むことの何たる気楽さか。

そのほうが心理的負担は明らかに少ないです。

ですが全ての人がそうなってしまったらどうなってしまうのか。いや、現に世界は新自由主義でどうなってしまったか。

厳しいかもしれませんが、コーヒー好きだからこそ勇気を持ってこの本は読んでほしい一冊だと思います。

コーヒーが廻り世界史が廻るスリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

臼井隆一郎『コーヒーが廻り世界史が廻る』~コーヒーが変えた西洋近代社会!コーヒーから見た世界史を学べるおすすめ本!

本書『コーヒーが廻り世界史が廻る』は副題に「近代市民社会の黒い血液」とありますように、コーヒーが近代社会にいかに影響を与えたのかということを見ていける作品です。

そしてイギリスだけでなくフランスやドイツなどにおけるコーヒー事情も詳しく語られますのでとても刺激的です。フランス革命やナポレオンにもコーヒーは大きく絡んできます。

「コーヒーを通して見る世界史」と言うべき素晴らしい作品です。これは面白い!コーヒー好きの私にとって非常に刺激的な一冊でした。

チョコレートの世界史スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

武田尚子『チョコレートの世界史』~近代から現代へのチョコの変遷やキットカットについての驚きの情報を知れるおすすめ解説書

私達にも身近なチョコレートは近代化の産物です。特にイギリスの産業革命によってチョコレートはそれまでとは大きく違った意味を持ち始めます。その流れを知れる本書は非常に刺激的です。

また、本記事のタイトルにも書きましたが私達もよく知るキットカットの歴史もこの本では知ることができます。

本書を読めばこうしたチョコ菓子が人気になっていくのもまさに近代化の影響だったということがよくわかります。

私達の身近な生活にも直結するチョコレートの成り立ちを知るのにこの本はとてもおすすめです。前回紹介した『チョコレートの歴史』とセットで読めばさらに理解が深まること間違いなしです。

チョコレートの歴史スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

河出文庫『チョコレートの歴史』~マヤ文明から遡ってチョコの起源とその歴史を学べるおすすめ作品!

本書は私達にも身近なチョコレートの歴史をなんと、紀元前のマヤ文明にまで遡り見ていくという大スケールの作品となっています。

私が本書を手に取ったのはスリランカの歴史を学ぶ中で紅茶とコーヒーの西洋流通について調べていたのがきっかけでした。紅茶とコーヒーとチョコレートはほぼ同時期に西洋に入り、飲み物として親しまれていた。そしてこのプランテーションや貿易の展開はヨーロッパとアジアの思想を考える上でも非常に大きな意味があると考え私はチョコレートの歴史も学んでみたいと思ったのでした。

そんな時に出会ったのが本書『チョコレートの歴史』です。私はこの本に一目惚れでした。

ボスニア紛争とルワンダ虐殺の悲劇に学ぶ~冷戦後の国際紛争

ルワンダの虐殺を学ぶのにおすすめの参考書7作品~目を背けたくなる地獄がそこにあった…

ルワンダの虐殺はあまりに衝撃的です。トラウマになってもおかしくないほどの読書になるかもしれません。それほどの地獄です。人間はここまで残酷になれるのかと恐れおののくしかありません。

私はボスニア紛争をきっかけにルワンダの虐殺をこうして学ぶことになりましたが、これらの本を読んでいてボスニア、ルワンダ、ソマリアのそれぞれが特異で異常なのではなく、人間の本質としてそういうことが起こり得る、誰しもがやってしまいかねないものを持っているのだということを改めて思い知らされることになりました。

目を背けたくなるような歴史ではありますが、ここを通らなければ、歴史はまた形を変えて繰り返してしまうことでしょう。そうならないためにも私たちは悲惨な人間の歴史を学ばなければならないのではないでしょうか。

有閑階級の理論マルクス・エンゲルス著作と関連作品

ヴェブレン『有閑階級の理論』~富や欲望、人間心理の秘密を赤裸々に暴露!爆弾発言満載の名著!

「この本を読んだ人は、モノの消費をこれまでと同じように見ることはできまい。」

まさにその通り!この本では「それを言っちゃあおしめぇよ」と思わず言いたくなる赤裸々な爆弾発言がどんどん出てきます。ですがよくよく考えてみると、「うん、たしかにヴェブレンの言う通りかもしれない・・・」と頷かざるをえない気持ちになってきます。

この本ではとてつもなく刺激的な言葉がどんどん出てきます。これはぜひ読んで体感してみてくださいとしか言いようがありません。ぜひヴェブレンの爆弾発言を堪能して頂けたらと思います。

宇沢弘文を通してこの本と出会えたのは本当に嬉しいものがありました。私の中でも強烈なインパクトを残した作品でした。ぜひぜひおすすめしたい作品です。

われらの子どもマルクス・エンゲルス著作と関連作品

R・D・パットナム『われらの子ども—米国における機会格差の拡大』~教育格差と家庭環境について学ぶのにおすすめの参考書!

かつてアメリカには「アメリカン・ドリーム」があった。個人の才能と努力で人生は変えられる!夢を掴める!

しかしそれも今は昔。今や貧しい階級に生まれた子どもにはそんな社会的上昇は望むことができなくなってしまった。それはなぜなのか、今アメリカで何が起きているのかを見ていくのが本書になります。

そしてこの現在の「悪夢」を見ていくことでかつての「アメリカンドリーム」の背景も見えてくることになります。

私も「教育」の問題について非常に強い関心があります。最近地元の学校に携わることも増えてきた中でそのことは特に私の中でも大きな問題となっています。子どもたちの教育を考える上でもこの本は重大な問題提起となっています。ぜひおすすめしたい一冊です。

フリーフォールマルクス・エンゲルス著作と関連作品

スティグリッツ『フリーフォール』~新自由主義を厳しく批判したノーベル経済学者の提言!

著者のスティグリッツは2008年のリーマンショックを引き起こしたアメリカの新自由主義を批判したノーベル経済学者です。

私がこの本を手に取ったのはマルクスを学んだのがもともとのきっかけでした。資本主義を批判したマルクス。そして現代もマルクス主義者は資本主義を批判しますが、何もマルクス主義だけが行き過ぎた資本主義を批判しているわけではありません。前回の記事でも紹介した、日本の誇る経済学者、宇野弘文もアメリカ的な資本主義に強い警鐘を鳴らしていたのでありました。

しかもなんと、今作の著者ノーベル経済学者スティグリッツは若き頃この宇沢弘文の指導を受けていたというのです。これには私も驚きました。

というわけでぜひ宇沢弘文の薫陶を受けたスティグリッツの本も読んでみたい、そんな思いでこの本を手に取ったのでありました。

資本主義と闘った男マルクス・エンゲルス著作と関連作品

佐々木実『資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界』~日本を代表する経済学者のおすすめ伝記!

アメリカ式新自由主義、環境問題、格差の問題を「社会的共通資本」という視点から論じていく宇沢弘文。机上の理論ではなく水俣病の現場に赴きその現実と向き合って闘い続けたその姿・・・

経済学者でありながら現場で実践し続けるその姿にも私は心打たれました。

若い頃の禅寺での体験が生涯に影響を与えていたことも見逃せません。

とにかくあまりに巨大なスケール!

何をどうお話ししていいのか私も混乱しています。それほど強烈な人生を歩まれています。

ぜひ一人でも多くの方に読んでほしい名著中の名著です。読めばきっと皆さんも頭がスパークすること間違いなしです。こんなにすごい方が日本におられたんだと驚くことでしょう!