アメリカ

愛すべき遍歴の騎士ドン・キホーテ

アーヴィング『アルハンブラ物語』あらすじと感想~魅惑のスペイン紀行!世界遺産アルハンブラ宮殿に行くならぜひおすすめ!

アーヴィングは1829年にここグラナダに旅行し、アルハンブラ宮殿に滞在しました。

その旅を基に書かれた作品が『アルハンブラ物語』で、この本がきっかけで西欧社会にアルハンブラ宮殿が知られるようになりました。

この本を読めば間違いなく現地に行きたくなります。もしすでに行く予定が決まっている方はぜひこの本を読んでみて下さい。現地に行ったら何倍も楽しめること間違いなしです。旅に出るまでのモチベーションアップに絶大なる威力を発揮する作品です。

スペインの文化を知る上でもこの本は非常に素晴らしいものとなっています。ぜひおすすめしたい作品です。

インド思想と文化、歴史

サティシュ・クマール『君あり、故に我あり』~ジャイナ教の視点から見た共存共生の人生哲学とは

サティシュ・クマールの思想は世界を様々なつながりから見ていく広い視野が特徴です。これは読んで頂ければすぐにわかると思います。決して難しいことは書かれていません。むしろその読みやすさに驚くと思います。ですだだからといってその教えが浅くて軽いものだということは決してありません。その教えの深さに思わず頭が下がるほどになることは間違いありません。

これはものすごい名著です。ぜひおすすめしたい1冊です。

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

C・ウォルマー『世界鉄道史 血と鉄と金の世界変革』~鉄道が戦争をもたらした?世界規模で鉄道の歴史を学べるおすすめの参考書

今回ご紹介する『世界鉄道史 血と鉄と金の世界変革』はタイトル通り、ヨーロッパだけではなく、世界中にまで範囲を広げて鉄道の歴史を見ていきます。当然アメリカも出てきますし、日本や中国、アフリカまで出てきます。この本はグローバルな視点から鉄道の歴史を見ていけるので、世界史の流れを学ぶ上でも非常に参考になる作品です。

これはありがたい本でした。産業革命の歴史を追う上でも非常に参考になります。

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

カール・B・フレイ『テクノロジーの世界経済史』~産業革命の歴史と社会のつながりを学ぶのにおすすめ!

私がこの本を手に取ったのは、マルクスを学ぶ上で産業革命の歴史と現代に至るテクノロジーの歴史を知りたいと思ったからでした。

この本ではなぜイギリスで産業革命が起きたのか、そしてそれにより社会はどのように変わっていったのかを知ることができます。

マルクスとエンゲルスは、機械化が続けば労働者は貧しいままだという理論を述べました。

たしかに彼らが生きていた時代にはそうした現象が見られていましたが、現実にはその理論は間違っていたと著者は述べます。

この伝記は産業革命とテクノロジーの歴史を知るのに非常におすすめな1冊となっています。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

『グローバル経済の誕生 貿易が作り変えたこの世界』~世界市場の歴史を知るのに最適な1冊!マルクス主義を学ぶためにも

マルクス主義においては、「資本主義がこんな世界にしたのだ」と述べられることが多いですが、この本を読めばことはそんなに単純ではないことに気づかされます。

たしかに「資本主義」が多大な影響を与えているのは事実です。ですが個々の場においては様々な事情や要因が働いて社会は成り立っています。単に「資本主義がすべて悪いのだ」で止まってしまったら重要なものを見落としてしまいかねません。

世界は複雑に絡み合って成り立っていることをこの本では学べます。

幅広い視野から貿易の歴史を知ることができるおすすめの1冊です。

現代ロシアとロシア・ウクライナ戦争

安武塔馬『シリア内戦』~アサド政権の実態と内戦の経緯を知るのにおすすめ。ロシア・ウクライナ戦争とのつながりを学ぶためにも

この本は複雑怪奇なシリア内戦の流れを時系列に沿って解説してくれます。

解説はかなり丁寧で、この内戦について全く知らない方でも読み進めていくことができます。この内戦がなぜこんなにも入り組んだ構図になってしまったのかという流れがとてもわかりやすかったです。

また、この内戦に対するアメリカとロシアの駆け引きを知れたのも大きかったです。この内戦がなぜロシア・ウクライナ戦争において重要だったかがよくわかりました。

現代ロシアとロシア・ウクライナ戦争

高橋ブランカ『東京まで、セルビア』~セルビア的作品とは?山崎佳代子氏の指導を受けたセルビア人作家の日本デビュー作

著者の高橋ブランカ氏はセルビア出身の作家です。ベオグラード大学で日本語を学び、その時の指導教官がこれまで当ブログでも紹介してきました詩人山崎佳代子氏でした。

繊細な内面描写あり。思わずくすっとしてしまうユーモアあり。

著者の思いを感じながら読んだ『東京まで、セルビア』は非常に刺激的かつ楽しい時間になりました。

ぜひぜひおすすめしたいです。

現代ロシアとロシア・ウクライナ戦争

山崎佳代子『ベオグラード日誌』~読売文学賞受賞作!空爆後のセルビア生活を紡った珠玉の言葉たち

ユーゴ紛争、NATO空爆を経たベオグラードの街で詩人である著者は何を見て、感じたのか。

紛争後も続く何気ない日常。

その日常を綴った言葉の中に、じんわりと見え隠れしてくる紛争の影・・・

わかりやすい「特別な出来事」ではなく、そこで今も生きる人たちの日常を捉えたこの作品は非常に稀有な存在だと思います。ただ単に日常を切り取っただけでなく、そこに何か人間生活の奥深さが感じられてくる不思議。

この作品が読売文学賞を受賞したのももっともだなと思いました。不思議な力がある作品です。

現代ロシアとロシア・ウクライナ戦争

山崎佳代子『そこから青い闇がささやき』~NATOのベオグラード空爆を体験した詩人によるエッセイ集~そこで何が起きていたのか

この作品はセルビアの首都ベオグラード在住の詩人山崎佳代子氏によるエッセイ集です。

なぜユーゴ紛争は起こってしまったのか・・・

「セルビア悪玉論」という単純な構図で語られてしまったこの紛争。

そんな国際世論の中セルビアはNATOによる空爆を受けることになります。著者はそんな猛烈な爆撃の中ベオグラードに残り続け、そこに生きる人々の声や、自らの思いをこの本に記しています。

現代ロシアとロシア・ウクライナ戦争

森住卓『イラク 湾岸戦争の子どもたち』~NATOのユーゴ空爆でも用いられた劣化ウラン弾とは~現在も続く放射能汚染の脅威

1999年、コソボ紛争の中NATO軍は「セルビアによる虐殺を止めること」を理由に、ベオグラードやセルビア人居住地に対し激しい空爆を行いました。そしてその時に使用されたのが「劣化ウラン弾」でした。この兵器は撃ち込まれたエリアに放射能汚染を引き起こします。そんな危険な兵器をNATO軍が大量に撃ち込んでいた・・・私はそのことにショックを受け、「この兵器が引き起こした実態をもっと知らなければならない」と考えこの本を手に取ったのでありました。

この記事ではそんな劣化ウラン弾の恐ろしさについてお話ししていきます。