シェイクスピア『ペリクリーズ』あらすじと感想~ドラマチックなストーリー展開が魅力のシェイクスピア最初の傑作ロマンス劇!
『ペリクリーズ』は『リア王』や『マクベス』などの重厚な悲劇作品を経てシェイクスピアが到達した「ロマンス劇」時代の幕開けとなる作品です。
『ペリクリーズ』を読んでみて、私はこの作品の見事さに衝撃を受けました。何度鳥肌が立ったかわかりません。今や私のシェイクスピアランキングでも上位に来る作品となりました。これは面白いです。ぜひぜひおすすめしたい作品です。
『ペリクリーズ』は『リア王』や『マクベス』などの重厚な悲劇作品を経てシェイクスピアが到達した「ロマンス劇」時代の幕開けとなる作品です。
『ペリクリーズ』を読んでみて、私はこの作品の見事さに衝撃を受けました。何度鳥肌が立ったかわかりません。今や私のシェイクスピアランキングでも上位に来る作品となりました。これは面白いです。ぜひぜひおすすめしたい作品です。
『トロイラスとクレシダ』はあのギリシャ神話『イリアス』に出てきた有名な英雄たちがどんどん出てくる豪華な作品です。
そしてこの作品の英雄たちのまあなんとよく喋ること!
『イリアス』のあの無骨で勇敢な男らしい英雄たちの姿はいずこやら、実に人間くさいです。シェイクスピアらしい言葉、言葉、言葉の応酬!「これが本当にあのギリシャ神話の英雄か」と笑いたくなるくらいの話しぶりです。
ですがこれがまたいいんですよね。シェイクスピアだからこそ出せるこの人間味!
当時の観客たちも、誰もが知るギリシャ神話の英雄のオールスター戦を見せてくれたシェイクスピアに拍手喝采だったのではないでしょうか。
今作『尺には尺を』はシェイクスピア作品の中でも問題劇と言われる作品になります。
何が問題なのか。
それは物語の筋やその終わり方がどうもすっきりしない、謎、あるいは首をかしげるような展開であることに由来します。
シェイクスピアが何を思ってこの作品を書いたかはわかりませんが、シェイクスピア作品中屈指の「どうしようもなさ」です。
ちょっと切ない恋愛劇ではありますが、ある意味この作品は私に爪痕を残した作品でありました。
『十二夜』は非常に軽やかな大団円を迎えます。『リア王』や『マクベス』などの重厚な悲劇とは全く違った雰囲気です。
ヴィオラ演じるサゼーリオーの魅力と双子のトリックによる大団円、私にとってはこれらが大きな見どころだったなと思います。まさに爽快軽やかなストーリーです。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
この作品は学問を究めんがためには恋愛なんてものに現を抜かすなんてありえないという、非常に堅物で真面目な青年たちが主役です。
4人は女から絶対に離れると誓いを立てるのものの、その誓いを立てたそばから美しい女性たちがやってきます。
4人は表向きは恋をしていないように振舞うのですが、実はあっという間に彼女たちの虜に・・・
真面目で頭でっかちな青年たちがそんな恋に狂っていく様がこの物語で語られます。
『ヴェローナの二紳士』はシェイクスピアの初期に書かれた恋愛喜劇です。
この作品は実は問題作としても知られていて、実際に読んでみるとたしかにこれは物議を醸しだしそうな内容でありました。
ただ、解説で知ったのですがシェイクスピアはあえてこうしたぶっ飛んだ劇を作っていて、そしてそのぶっ飛び具合を楽しめる舞台になるようサーヴィス精神満載の台本を作っていたそうです。なるほど、本で読むのと舞台で観るのとではかなりその毛色が違うようです。
今作の『空騒ぎ』は前回の記事でご紹介した『じゃじゃ馬ならし』と一緒に収録されています。この二作品を一緒に収録した新潮社さんはさすがのチョイスだなと感じました。
と言いますのもこの二作品はどちらもじゃじゃ馬女性の恋を描いたものだからです。ですがそれぞれの主人公は違ったタイプのじゃじゃ馬であり、その相手となる男性もまったく違った性格をしています。
という訳で、似たような恋の話でありながら全く違うストーリーをこの1冊で楽しむことができるということなのです。これはお見事。私もこの二作品を続けて読んでふむふむと頷きながら楽しませて頂きました。
この作品はシェイクスピア初期の喜劇作品で、「じゃじゃ馬むすめ」カタリーナが機知に富んだ伊達男ペトルーキオーによってすっかり優しい別人に様変わりするというストーリです。
この2人の壮絶な舌戦はこの作品の見どころ中の見どころだと思います。
これを実際に生の劇で観たらどんなことになるのでしょうか。これはすさまじい戦いです。まさに言葉、言葉、言葉のオンパレード!
シンプルながらも唸らせられた作品でした。
この作品は『ヘンリー四世』で大活躍したフォルスタッフが時を越えて再登場した物語です。
そして今作はシェイクスピアが唯一同時代を描いた作品としても有名です。
この作品を読んでいて感じたのは、気楽さです。何も考えずに楽しめる安心感があります。重苦しい戦争、政治、陰謀、哲学、悲劇とは無縁の軽やかさがあり、フォルスタッフの人気ぶりを感じられる愉快な作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
『ヘンリー四世』で放蕩息子として頼りない姿を見せていたハル王子ですが、前作の終盤で父ヘンリー四世から王冠を受け継ぎ、立派な王になることを誓いました。そのハル王子改めヘンリー五世がどのような王になったかが今作『ヘンリー五世』で語られます。
この作品はイギリスで特に人気で、その理由がライバルフランスとの戦いの勝利による「国威高揚」というのが興味深いです。