2022年5月

ロシアの巨人トルストイ

トルストイ『吹雪』あらすじと感想~カフカースからの道中、危うく凍死しかけた実体験から生まれた傑作!ツルゲーネフも大絶賛!

『吹雪』はあのツルゲーネフにも大絶賛された作品でした。ツルゲーネフはトルストイより10歳年上で、この時にはすでにツルゲーネフはロシア文壇のトップに君臨していました。

そのツルゲーネフからここまで絶賛されるというのはやはりトルストイは只者ではありません。作家デビューから数年でここまでの表現力を発揮する彼の天才ぶりには驚くしかありません。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(31)観念論から唯物論へと展開していくマルクスのユートピアとは~『ドイツ・イデオロギー』より

この記事ではマルクス・エンゲルスが共同で執筆した『ドイツ・イデオロギー』についてお話ししていきます。

上部構造、下部構造というよく聞く言葉もここから出ています。

そしてこの作品においてマルクス・エンゲルスは革命は歴史を変えるためには必要であると結論したのでした

また、マルクス・エンゲルスの思想を考える上で非常に重要なポイントが出てきます

1845年段階でマルクスとエンゲルスが構想した共産主義世界のユートピアがここで語られるのでありました

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(30)1845年マルクス・エンゲルスのイギリス研究旅行とエンゲルスの愛人問題

「ブルジョワの一語が罵り言葉にされ、彼らはそれをうんざりするほど繰り返すが、自分たち自身、頭のてっペんからつま先までブルジョワが染みついている」

このバクーニンの言葉ほどマルクス・エンゲルスの生活ぶりを的確に表したものはないのではないでしょうか。

これから先も彼らの生涯を見ていくことになりますが、実際にこの後も彼らはブルジョワ的な生活を決して捨てません。

こうした矛盾があるというのも、マルクス・エンゲルスを考える上では重要な点ではないかと思います。

ロシアの巨人トルストイ

トルストイ『森林伐採』あらすじと感想~カフカース従軍でロシア民衆の人間性を考えるトルストイ

今作『森林伐採』ではロシア軍に従軍したトルストイが、兵士たちの姿を通して「ロシア民衆とは何か」という問いを探究していく作品になります。

トルストイのカフカース体験が彼の思想形成に多大な影響を与えていたことがこの小説からうかがえます。

ページ数にして30ページほどというコンパクトな作品の中に情景描写の妙、深い人間洞察というトルストイらしさが詰まった逸品です。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(29)反抗息子エンゲルスの家庭問題~地元ドイツ・バルメンで居場所を失うエンゲルス

地元バルメンでひとり大人しくしていれば大事にはならなかったでしょうが、エンゲルスはそのような男ではありません。彼は共産主義を広めるための講演会を開きました。

当然当局からも目をつけられ、エンゲルスは政治犯・要注意人物となってしまいます。

こうなってしまうとバルメンの名士として生きてきたエンゲルスの父ももう我慢なりません。

父の逆鱗に触れたエンゲルスはお小遣いを減らされる憂き目に遭ってしまったのでした。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(28)マルクス『聖家族』~青年ヘーゲル派、ブルーノバウアーとの決別。エンゲルスとの最初の共同作業

マルクスとエンゲルスはかつての仲間であったビール知識人たちと完全に袂を分かつことになりました。

そしてふたりの記念すべき初めての共同作業となる『聖家族』を発表します。

この記事ではそんな『聖家族』執筆のエピソードと、マルクスの驚くべき遅筆に早くも苦しめられるエンゲルスの姿を紹介していきます。

ロシアの巨人トルストイ

トルストイ『襲撃(侵入)』あらすじと感想~戦争に正義はあるのかと問う若きトルストイのカフカース従軍

この作品は1852年にカフカースに向けて出発し、従軍経験をした若きトルストイによる実体験をもとにした小説になります。

トルストイはこの時のカフカース体験に大きな影響を受けていて、彼は晩年になると戦争反対、非暴力を強く主張します。

それはこの時に感じた戦争への疑問が残り続けていたからかもしれません。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(27)マルクス・エンゲルス、パリでの運命の再会!2人の共同作業の始まり~マルクスの「第二バイオリン」になったエンゲルス

パリに来てから自身の思想の方向性が変わり始めていたマルクス。

そんな時にちょうどパリにやって来たのがエンゲルスでした。

ついに機は熟したのです。

今や二人はヘーゲル哲学から脱皮した、政治経済、共産主義の闘士。

彼らの思想は驚くほどの一致を見たのでした。そして彼らの確信の揺るぎなさたるや!

パリの酒場で10日間語り合ったマルクスとエンゲルス。

これからの生涯全てを捧げての共同作業が始まった瞬間でした。

クラシック・西洋美術から見るヨーロッパ

上原彩子『指先から、世界とつながる ピアノと私、これまでの歩み』~日本人初のチャイコフスキーピアノコンクール優勝者の自伝的エッセイ

この本では上原彩子さんの幼少期から現在に至るまでのピアノ人生を知ることができます。

幼い頃からの猛烈な練習と素晴らしい先生たちとの出会い、そして周囲も驚く決断の数々。

この本の帯で「そんな人生もおもしろいんじゃない?」と書かれていましたがまさにその通り。

読んでいてびっくりするような上原さんの人生がこの本では語られます。

音楽大学へ通わずして国際コンクールで優勝した上原さん。その秘密は何だったのか。

子供時代のヤマハでのレッスンや海外での経験は非常に興味深かったです。

ロシアの巨人トルストイ

ロシアとカフカース・チェチェンのつながり~ロシア帝国とジョージア(旧グルジア)地方の戦争の歴史を振り返る

トルストイが訪れた1850年代にはすでにロシアとカフカースは戦争状態でした。そしてその時から続く歴史は現代のロシア・チェチェン戦争とも繋がってきます。ロシア帝国、ソ連、現代ロシアという歴史の流れを知る上でもカフカースの歴史を知ることは大きな意味があります。

この記事ではそんなカフカースとロシアの歴史についてお話しします