ソ連

レーニン・スターリン時代のソ連の歴史

帝政末期・ソ連時代を代表する作家ゴーリキーとドストエフスキー

ドストエフスキーは『悪霊』や『カラマーゾフの兄弟』で社会主義思想によって人々の自由が失われる時代が来ることを予言しました。

そして実際にロシアはその通りになってしまったのです。ドストエフスキーがあれだけ危惧して読者に語りかけていたにも関わらず、そうなってしまったのです。そしてドストエフスキーは国民からもあまり読まれなくなった・・・

これは文学の敗北、思想の敗北なのではないかと私はふと思ってしまいました。いくら文学や思想を述べても、権力や武力で脅されたら私たちは無力なのではないか・・・そんなことを私は感じてしまったのです。

そのためこうした時代を学ぶために、まずはソ連を代表する作家ゴーリキーを読んでみようと私は思ったのでした。

レーニン・スターリン時代のソ連の歴史

ソ連とドストエフスキー~なぜ私がソ連を学ぶのかー今後のブログ更新について

ドストエフスキーは『悪霊』や『カラマーゾフの兄弟』で来るべき全体主義の悲惨な世界を予言していました

文学は圧倒的な権力の前では無力なのか。思想は銃の前では無意味なのか。

私はやはりソ連の歴史も学ばねばならない。ここを素通りすることはできないと感じました。だからこそ私はドストエフスキー亡き後の世界も学ぼうとしたのでした。

桜の園・三人姉妹ロシアの大作家チェーホフの名作たち

チェーホフ『三人姉妹』あらすじと感想~悲劇と喜劇の融合!晩年の熟練した技術が詰め込まれた傑作劇!

『かもめ』で圧倒的な成功を収めたチェーホフ。その新しい演劇方式は演劇界に革命をもたらしました。チェーホフは独自な劇をするということが世に広まった後ですら、この台本を見た舞台関係者は困惑してしまうほどでした。

この作品はチェーホフの劇へのこだわりが強く出ている作品となっています。

ロシアの大作家チェーホフの名作たち

チェーホフ『ワーニャ伯父さん』あらすじと感想~ゴーリキーが号泣した劇作品

この劇は『かもめ』というロシア演劇界に革命を起こした作品を経てさらに円熟した作劇が光る作品となっています。

この作品の大きなテーマは「絶望から忍耐へ」です。

この作品を見たゴーリキーは感動して号泣してしまったと言われています。

この記事ではそんな『ワーニャ伯父さん』についてお話ししていきます。

ロシアの大作家チェーホフの名作たち

チェーホフ『谷間』あらすじと感想~チェーホフの人間愛が感じられる名作

チェーホフの『谷間』の老人はドストエフスキーの『百姓マレイ』を彷彿とさせるものがあります。農村に生きる素朴な老人。彼らの優しさが人間性への信頼を取り戻させてくれたのです。

この作品はたしかに暗い雰囲気があるものの、救いがあります。チェーホフの人間愛や優しさが感じられる作品です。

ゴーリキーやトルストイなど錚々たる人達にも絶賛された作品です。ページ数も50頁ほどと読みやすい分量になっています。ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

ロシアの大作家チェーホフの名作たち

チェーホフ『恋について』あらすじと感想~既婚者に恋した男が語る恋の不思議さとは

この作品は短編三部作の最後の作品で『箱にはいった男』、『すぐり』の続きの物語となっています。

「なぜあんな男にあんないい人が恋しているんだ」

これは男女逆パターンも含めて今でもよく見かける永遠の謎ですよね。

それをチェーホフは得意のユーモアと心理描写で描き出します

ロシアの大作家チェーホフの名作たち

チェーホフ『すぐり』あらすじと感想~幸福とは何かを問う傑作短編!幸せは金で買えるのか。ある幸福な男の恐ろしすぎる実態とは

「『すぐり』は短い作品であるが、鋭く人の心を刺す。人は何のために生きるかを、わずか数ぺージに、香り高く圧縮して見せてくれている。

『すぐり』はすばらしい、そしてある意味でおそろしい作品である。小品といってもいい短い形式の中に盛りこまれた内容は一個の長篇小説に匹敵する。」

ロシア文学研究者佐藤清郎氏も絶賛するチェーホフ短編の最高傑作!

ロシアの大作家チェーホフの名作たち

チェーホフ『箱にはいった男』あらすじと感想~精神の自由を放棄した奴隷人間の末路

「箱に入った男」ことベーリコフはその小心さ故自分で何かを決めることができず、お上、つまり権力者のお墨付きがなければ生きていけない人間です。

お上による禁止というのは従う側にとっては何も考える必要がありません。ただそれを破った人間が悪。単純明快です。

しかしこれが許可とか認可になると、どこまでがよくて何をしたらだめかはある程度自分で考えなければなりません。彼は自分で考えることをとにかく恐れるのです。

この作品を読んでいると今の日本とほとんど変わらない状況が浮かび上がってきます。

この作品は今こそ読みたいおすすめな作品です。

退屈な話ロシアの大作家チェーホフの名作たち

チェーホフ小説の極み!『六号病棟』あらすじと感想~あまりに恐ろしく、あまりに衝撃的な作品

まず皆さんにお伝えしたいことがあります。

それは「この作品はあまりに恐ろしく、あまりに衝撃的である」ということです。

この作品はチェーホフ作品中屈指、いや最もえげつないストーリーと言うことができるかもしれません。

この作品はチェーホフどころか、最近読んだ本の中でも特に強烈な印象を私に与えたのでした。これはもっともっと日本で広がってほしい作品だと私は思います。

ロシアの大作家チェーホフの名作たち

サハリン体験を経たチェーホフの人間観の変化とは~理想主義と決別し、トルストイを超えんとしたチェーホフ

人間の可能性を信じるオプチミズム。

「人間は真実を求めて二歩前進し、一歩後退する。苦悩や過ち、退屈が、人間を後ろに投げ返すが、真実の渇きと不屈の意志は、前へ前へと駆り立てる」という人生観がチェーホフにはあります。

地獄の島サハリン島を経て書かれた『決闘』はチェーホフの思想を知る上でも非常に重要な作品となっています。