サンクトペテルブルクを作った男ピョートル大帝―ロシア版明治維新を断行した規格外の皇帝に迫る
ロシアの広大な土地を統御するにはそれほどスケールの大きな人物でなければ成り立たない。
並の人物では到底成しえないことを彼らは軽々とやってのけます。
ドストエフスキーやトルストイが活躍するロシアはこうした規格外の皇帝たちが作りあげたものなのです。
ロシアの近代化を成し遂げ、サンクトペテルブルクを作った男ピョートル大帝も非常に興味深い人物でした。
ロシアの広大な土地を統御するにはそれほどスケールの大きな人物でなければ成り立たない。
並の人物では到底成しえないことを彼らは軽々とやってのけます。
ドストエフスキーやトルストイが活躍するロシアはこうした規格外の皇帝たちが作りあげたものなのです。
ロシアの近代化を成し遂げ、サンクトペテルブルクを作った男ピョートル大帝も非常に興味深い人物でした。
謎の多いドストエフスキー作品を考えていく上でこの人物を知ることができたのはとてもありがたいことでした。
シンプルに読み物として、歴史物語としてもとても面白いので『イヴァン雷帝』はとてもおすすめです。彼を知ることは「かつての古い歴史」を学ぶというだけではなく、「今現在の私たちの世界」を知る手がかりになります。
それほど示唆に富んだ人物です。
ぜひイヴァン雷帝の圧倒的スケールを皆さんも体験して頂けたらなと思います。
歴史を知ることは現在を知ることである。
その歴史がどう編纂され、どのような意図を持っているのか。
この本はクレムリンの歴史を学んでいく本ではありますが、実は現在のロシア、いやそれだけにとどまらず世界中の人間の「現在」を解き明かしていく作品となっています。これは非常に興味深いです。
この本を読むことでクレムリンを通したロシアの歴史、精神を学ぶことができます。非常にスリリングで面白い本でした。かなりおすすめです!
正直、ドストエフスキーを学ぶまで私はほとんどロシアのことを知りませんでした。
「極寒の薄暗いどんよりした恐い国」
そんなイメージが頭にあるだけでした。
いつ頃からロシアという国が成立し、どんな歴史を経て今に至っているかなど全く想像すらできなかったのです。いや、興味関心もなかったというのが正直なところかもしれません。
謎の国ロシア。
ですが、いざ調べてみると実はこの国の歴史は非常に面白いことがわかってきました。
この作品の持つ魔術的な力は計り知れません。
あくが強い人物たちが一つの舞台でぶつかり合い、自らの存在を主張し合います。
まさに「悪霊」に憑りつかれたごとく、悪役たちは巧妙にそして残酷に社会を混乱に陥れていきます。その過程があまりにリアルで、読んでいてお腹の辺りがグラグラ煮え立ってくるような感情が私の中に生まれてくるほどでした。
やがてそれは生きるか死ぬかの究極の思想対決へと進んで行き、一体これからどうなるのか、彼らの心の中で何が起こっているのかと一時も目が離せぬ展開となっていきます。
これは恐るべき作品です
主人公である大物政治家ウージェーヌが戦う場のなんと難しいことか。
あまりに複雑な人間関係、利害関係。
支援してくれる人間にどのように恩恵を施すか。
窮地に陥った時でも彼らに約束した恩恵を与えなければならない。でもできない。さあどうする!と常に彼は戦い続けています。
政治家は政治家で求められる資質がある。この小説を読んでそう思わせられました。
ドストエフスキーとキリスト教は切っても切れない関係です。
キリスト教と言えば私たちはカトリックやプロテスタントをイメージしてしまいがちですが、ドストエフスキーが信仰したのはロシア正教というものでした。
そうした背景を知った上でドストエフスキーを読むと、それまで見てきたものとは全く違った小説の世界観が見えてきます。
キリスト教を知ることはドストエフスキーを楽しむ上で非常に役に立ちます。
この記事ではこれまで紹介してきましたドストエフスキー論を一覧できるようにまとめてみました。
それぞれの著作にはそれぞれの個性があります。
また、読み手の興味関心の方向によってもどの本がおすすめかは変わってくることでしょう。
簡単にですがそれぞれのドストエフスキー論の特徴をまとめましたので、少しでも皆様のお役に立てれば嬉しく思います。
フーデリの『ドストエフスキイの遺産』は、私の目を開かせてくれた書物でありました。
内容も読みやすく、伝記のようにドストエフスキーの生涯に沿って作品を論じています。作品理解を深めるという意味でも非常に懇切丁寧でわかりやすいです。
ロシア正教の宗教者としてのドストエフスキー像を知るにはこの上ない一冊です。
ぜひおすすめしたい一冊です。
作者のグロスマンは1888年にオデッサで生まれたソ連の著名な学者です。 グロスマンはこの伝記でドストエフスキーが何を読んで何を考え、そこから何を生み出したのかにフォーカスしてくれます。 そういう意味でこの伝記は硬派な見た目の通り、ドストエフスキーを研究しようとする際にとても役立つ伝記であるのではないかと思います。