(36)マルクスの『共産主義者宣言』が出版直後には世間から無反応だったという驚きの事実
「ヨーロッパに亡霊が出没する―共産主義という亡霊が」
「万国の労働者、団結せよ!」
という言葉で有名なマルクス・エンゲルスの『共産主義者宣言(共産党宣言)』ですが、実は発刊当時はほとんど反響がありませんでした。
20世紀で最も読まれた書物のひとつとして有名なこの作品がなぜそんなことになってしまったのかをこの記事では見ていきます。
「ヨーロッパに亡霊が出没する―共産主義という亡霊が」
「万国の労働者、団結せよ!」
という言葉で有名なマルクス・エンゲルスの『共産主義者宣言(共産党宣言)』ですが、実は発刊当時はほとんど反響がありませんでした。
20世紀で最も読まれた書物のひとつとして有名なこの作品がなぜそんなことになってしまったのかをこの記事では見ていきます。
前回、前々回の記事とスピノザについて見てきました。そして今回はいよいよスピノザとはいかなる人物だったのかをより詳しく知れる本を紹介します。
M・スチュアートの『宮廷人と異端者 ライプニッツとスピノザ、そして近代における神』はスピノザの生涯や思想を知るのにまさにうってつけな作品です。
この本の特徴は何と言ってもスピノザとライプニッツという、同時代の二大巨頭の生涯を1冊で知ることができる点にあります。ものすごく面白い作品です!
この作品ではスピノザとはどんな人物だったのか、彼の思想はどこが革新的で何が従来の思想と異なっていたのかというのがとてもわかりやすく解説されます。
この作品を読んだことでフェルメールやレーウェンフックについてもより深く考えることができたと思います。彼らが皆1632年生まれで、しかもごく近いところで研究を続けていたというのは非常に興味深いものがあります。レンズを通して交差する三人の人生、思想。これは歴史の奇跡だと私は思います。実に面白い!
この本はオランダの画家フェルメールと哲学者スピノザの驚くべき関係に迫った作品です。
この本を読んで驚いたことに、なんとフェルメールとスピノザは1632年という同じ年にオランダに生まれていたのでした。
しかもスピノザは哲学者でありながらレンズ磨きで収入を得ていたと事実も語られていました。レンズ磨きといえば顕微鏡で有名なオランダのレーウェンフックが有名です。
つまりフェルメール、レーウェンフック、スピノザという同い年トリオは「レンズ」という同じ道具を通して繋がっているのです。
今作『フェルメールのカメラ 光と空間の謎を解く』ではかなり詳しくカメラ・オブスクラについて知ることができます。図や写真も多数掲載されていますし、画家がこの機械をどのように使っていたかというのもわかりやすく説かれます。これはとてもありがたいことでした。
フェルメールが用いたこの光学機器についてより知りたい方にはぜひおすすめしたい作品となっています。
イタリアのピサ生まれの科学者、ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)。1564年というのはあのシェイクスピアが生まれた年でもあります。同じ年に世界を変えた天才が生まれているというのはなんとも感慨深いですよね。
さて、この伝記ではそんなガリレオの生涯と偉業がわかりやすく物語られます。写真や絵もたくさん掲載されていて非常に読みやすく、ドラマチックな語りでぐいぐい引き込まれてしまいます。これは素晴らしい伝記です。
この伝記漫画の素晴らしいところは登場人物たちの人間臭さにあります。偉人だからといって理想化するのではなく、非常に人間味あふれる個性豊かな人物として描かれています。
ニュートンってこんな人だったのかとかなり驚いてしまいました。そして私がもっとも知りたかったロバート・フックとニュートンの確執もかなり詳しく描かれています。
科学が苦手な私でも楽しく読めたおすすめの作品です。
ロバート・フック(1635-1703)といえば顕微鏡でコルクを観察し、世界で初めて「細胞(セル)」を発見した人物として有名です。
フックは驚くべき精密さで観察対象を描き出しました。それらがずらりと並べられているのが今回ご紹介する『ミクログラフィア』になります。
レーウェンフックとのつながりから手に取ったこの本でしたがとても有意義な読書となりました。
レーウェンフックの顕微鏡と微生物の発見はとてつもない衝撃をキリスト教世界に与えました。
この本ではそんな微生物、細菌の研究に全てを捧げた男たちの物語が語られます。彼らの研究ぶりはもはや狂気の域です。著者のドラマチックな語りが臨場感たっぷりで非常に面白いです。狂気と言ってもいい彼らの鬼のような研究っぷりには驚くしかありません。すばらしい作品です!
前回の記事の最後でエンゲルスの理想が「労働者にもっと貧しく、どん底にいてほしかった」というものだったということをお話しました。
そしてマルクス・エンゲルスが人々の生活が悪くなればなるほど喜ぶような節を見せるのに対し、私が違和感を感じていたこともお話ししました。
彼らははたして本当に労働者のために動いているのだろうか?そう思わざるをえない行動を彼らはこの後も取り続けます。そのひとつの例が今回紹介する箇所になります。