イギリス

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(43)マルクスと大英博物館図書館~毎日12時間研究に没頭する鬼のような読書家マルクス

マルクスは鬼のような読書家でした。大英博物館図書館に籠りひたすら本の海に飛び込むマルクス・・・

彼は原稿を書いては破り捨て、書いては破り捨てを繰り返し、何か思いついたかと思いきや今度は本の世界に飛び込みまた脱線した読書に夢中にのめり込む・・・

これでは原稿を待つエンゲルスが嘆くのも無理はないですよね・・・なかなか原稿を送ってくれない作家に振り回される編集者そのものです。

ただ、マルクスの天才ぶり、狂気ともいうべき姿を知れたのは大きなことでした。

ブログ筆者イチオシの作家エミール・ゾラ

尾﨑和郎『ゾラ 人と思想73』~ゾラの生涯や特徴、ドレフュス事件についても知れるおすすめ伝記!

文学史上、ゾラほど現代社会の仕組みを冷静に描き出した人物はいないのではないかと私は思っています。

この伝記はそんなゾラの生涯と特徴をわかりやすく解説してくれる素晴らしい一冊です。ゾラファンとしてこの本は強く強く推したいです。ゾラファンにとっても大きな意味のある本ですし、ゾラのことを知らない方にもぜひこの本はおすすめしたいです。こんな人がいたんだときっと驚くと思います。そしてゾラの作品を読みたくなることでしょう。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(42)マルクスは実は貧乏ではなかった?~ブルジョワ的出費と破滅的な金銭感覚

エンゲルスは父の経営する綿工場に勤めることになり、初任給から300ポンドという高給を取り、後には年収1000ポンドという高所得者となります。これを今日の貨幣価値に換算すると1500万円ほどになります。

そしてマルクスが彼から受けた経済援助はなんと、20年で少なくとも4500万円以上だったと言われています。それでもマルクスが貧困に苦しんでいたのはなぜだったのでしょうか。それをこの記事で見ていきます

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(41)労働者の搾取によって得たお金で書かれた『資本論』という気まずい真実

「気まずい真実は、エンゲルスの豊かな収入が、マンチェスターのプロレタリアートの労働力を搾取した直接の結果だったということだ。

彼とマルクスがあれほど細部にわたって非難した諸悪そのものが、彼らの生活様式と哲学に資金を供給していたのだ。」

エンゲルスは父の会社に就職し、そのお金をマルクスに送金していました。労働者を搾取する資本家を攻撃していた二人がまさにそうして生活していたという矛盾が今回読む箇所で語られます。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(40)イギリスヴィクトリア朝の繁栄と労働者の生活水準の上昇~プロレタリアートのブルジョワ化

エンゲルスがいた頃(1843-44年)のマンチェスターはこの世の地獄のような場所でした。そんな悲惨な環境を告発したのが彼の著書『イギリスにおける労働者階級の状況』でした。この作品はマルクスにも絶賛され『共産党宣言』や『資本論』にも大きな影響を与えました。

しかし、50年代にも入るとそのような描写はすっかり時代遅れなものになっていました。エンゲルスが不在だった数年間にイギリスは激変してしまったのです。

ドイツの大詩人ゲーテを味わう

ゲーテ『色彩論』~万能の詩人ゲーテは光の研究者でもあった!光の画家フェルメールとのつながりを考える

ゲーテが単なる詩人ではなく、有能な役人として働いたり、科学の分野でも才能を発揮していたことはA.ビルショフスキによる伝記『ゲーテ その生涯と作品』のおかげで知ってはいましたが、今回フェルメールを学んだことでいよいよフェルメールとゲーテが繋がってきました。

思わぬところで大好きなゲーテとフェルメールがつながり、私としては嬉しい発見となりました。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(39)マルクス・エンゲルスのイギリス亡命生活の始まり

フランス二月革命を経てマルクス・エンゲルスは共に政治犯として追われる身になっていました。

そこでマルクスは政治犯でも受け入れてくれるイギリスを亡命先として選ぶことになります。

エンゲルスもそうしたマルクスを追い、イギリスへと向かうことになったのでした。

そしてそこでのエンゲルスの決断がまた驚きです。やはり彼は矛盾をものともしない図太い神経があったのでした。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(38)1848年フランス二月革命の衝撃と革命の戦場に向かうエンゲルス

革命を待ちに待っていたマルクス・エンゲルスはブリュッセルにいてその場に立ち会うことができませんでしたが、彼らは歴史の必然としてやってくるであろうプロレタリアート革命に向けて政治活動を熱心に行います。

しかし1848年のフランス二月革命をきっかけにヨーロッパ各地で起きた革命はマルクス・エンゲルスが予想していた展開とは全く異なる動きを見せ始めるのでした。

光の画家フェルメールと科学革命

元木幸一『笑うフェルメールと微笑むモナ・リザー名画に潜む笑いの謎』~笑顔とキリスト教とのつながりまで知れるおすすめ解説書

この本はタイトルにありますように、フェルメールとモナ・リザの笑顔を主題に、絵画史における知られざる笑顔の意味を探究していく作品です。

この作品で私が印象に残ったのはキリスト教における笑顔の意味です。

これは絵を観ただけではなかなか気づけないものではありますが、一度知ってしまったらその見え方が一変してしまうほどです。ぜひおすすめしたい作品です。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(37)マルクスのプロレタリアートは革命理論のために生み出された存在だったという衝撃の事実

今回の記事で紹介する箇所はマルクス主義を考える上で非常に重要な問題を提起していると思います。

マルクスは何のために共産主義を説いたのか。

本当に貧しい人を救うためだったのか。

なぜマルクスやエンゲルスは自説とは矛盾した行動を取り続けたのか。

こうしたことを考える上でも今回の箇所は私にとっても非常に大きなものになりました。