ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

江村洋『ハプスブルク家』~ヨーロッパを支配した王家の歴史を知るのにおすすめの入門書

この本はタイトル通り、長い歴史を持つハプスブルク家がいかにして始まり、どのように勢力を増していったのかということが非常にわかりやすく説かれています。

読んでいて「へぇ~!そうなんだ!」とびっくりすることが何度も何度もありました。これまで中世ヨーロッパまでなかなか手が回らなかったためその歴史はほとんど知りませんでしたが、当時のヨーロッパはこんな状況だったのかとまさに目から鱗でした。これは面白いです。
中世ヨーロッパに興味のある方、繁栄を極めたハプスブルク家に興味のある方にぜひおすすめしたい作品です。

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陶山昇平『ヘンリー八世 暴君かカリスマか』~王の離婚問題とイギリス国教会創設の流れを知れるおすすめ伝記

この本はものすごく面白いです。著者の語りも素晴らしく、歴史の流れがすっと入ってきます。ヘンリー八世という圧倒的カリスマの驚異の人生を私達は目撃することになります。

この本はシェイクスピアファンにも強くおすすめしたいです。この王の娘が後のエリザベス女王であり、その治世で活躍したのがシェイクスピアです。彼が生きた時代背景を知ればもっとシェイクスピア作品を楽しむことができます。時代背景を離れた芸術はありません。私にとってもこの伝記は非常にありがたいものとなりました。

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石鍋真澄『教皇たちのローマ』15~17世紀のローマ美術とバチカンの時代背景がつながる名著!1527年のローマ劫掠の衝撃!

私はこの本に衝撃を受けました。それは私の中にあった常識が覆されたかのような凄まじいショックでした。

なぜ私がそこまで強烈なインパクトを受けたのかと言いますと、この本に出てきた1527年のローマ掠奪(サッコ・ディ・ローマ)があまりにショッキングな内容だったからです。

この事件は1527年にローマが攻撃され、虐殺、略奪の限りが尽くされた恐るべき出来事です。

そしてそれを行ったのが何を隠そうカトリック王カール五世の神聖ローマ帝国軍でした。

この本ではそんな衝撃のローマ史が語られます

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宮下規久朗『カラヴァッジョ巡礼』~イタリア現地観光に便利なおすすめガイドブック!

この本はイタリア各地にあるカラヴァッジョの作品をその地域ごとにまとめて紹介してくれる作品です。

地図でそれぞれの所蔵教会や美術館の位置もわかりやすく示してくれているので現地で巡礼をする際に役立つこと間違いなしです。

この本を読んでいるとそうした巡礼の厳かな雰囲気も伝わって来るようです。私もカラヴァッジョ巡礼をしたくてうずうずしてきました。

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宮下規久朗『闇の美術史 カラヴァッジョの水脈』~闇があるから光が生きる。「闇と光」と宗教のつながりとは

「闇に灯る光は、人に厳粛で宗教的な雰囲気を呼び起こす」

「こうした夜の恐怖の中から様々な宗教や信仰が生じたのは自然であり、そこに灯火が重要な役割を果たしたのも当然であった。それは人を暗く恐ろしい闇の世界から解放し、救いに導くように思われるのだ。」

著者がこう語るように「光と闇」の感覚は人間にとって根源的なものではないでしょうか。

この本はそんな「闇と光」の関係を絵画を通して深く考察していく作品になります。

僧侶としてもこの作品は非常に興味深いものがありました。

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『もっと知りたいカラヴァッジョ 生涯と作品』~《聖マタイの召命》で有名なローマバロック芸術の大家のおすすめ入門書!

カラヴァッジョと言えばバロック美術を代表する『聖マタイの召命』が非常に有名ですが、世界で最も有名なキリスト教絵画のひとつを描いたその人物が、殺人まで犯し逃亡していたというのはかなりの衝撃でした。

当時の時代背景まで学べるこの本は私にとっても非常にありがたいものがありました。おすすめの入門書です!

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ウェルギリウス『牧歌』あらすじと感想~過去の理想郷アルカディアとは

イタリアの詩人ウェルギリウスが『牧歌』で語ったアルカディアは後の理想風景画家クロード・ロラン、ニコラ・プッサンが題材にし、ヨーロッパ中に強い影響を与えました。

この記事ではあのダンテやゲーテも大いに称賛していた詩人ウェルギリウスの代表作『牧歌』からアルカディアとは何かということを見ていきます。

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小針由紀隆『クロード・ロラン 十七世紀ローマと理想風景画』~ドストエフスキーも愛したアルカディア(理想郷)絵画の大家

この本は17世紀以降のヨーロッパの絵画界に巨大な影響を与えた巨匠クロード・ロランの作品の魅力に迫る作品です

クロード・ロランは17世紀にイタリアで活躍した画家で、後のヨーロッパ美術界に決定的な影響を与えた存在です

クロード・ロランはドストエフスキーも好んでいた画家なので私個人としても彼のことを学べたのは非常に興味深かったです

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近藤昭『絵画の父プッサン』~フランスアカデミーの規範となった理想風景画の大家の伝記

1600年代のイタリア絵画のことを知れる本すらそもそも貴重な中で、プッサンの生涯と時代背景も学ぶことができるこの本は非常に興味深かったです。

この本を読んでいて気づくのは著者のプッサンへの愛です。この本はそんな著者の並々ならぬプッサン愛も感じられる作品となっています。ぜひおすすめしたい一冊です。

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中島俊郎『英国流 旅の作法 グランド・ツアーから庭園文化まで』~貴族の必須教養としての世界旅行を解説するおすすめ作品!

この本を読んで、メンデルスゾーンがグランド・ツアーに出掛けた理由が鮮明に見えてきたような気がしました。自身の教養を高め、実践によって「正確にして繊細」な感性を養い、同時に世界各地で人脈も広げていく。当時の有力な子弟の黄金パターンとしてメンデルスゾーンが旅に出たことがわかります。

西欧の旅文化・美学を知れる非常に面白い本です!おすすめ!