ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

カエサル『ガリア戦記』あらすじと感想~ローマ帝国の英雄による不滅の傑作!弁論の達人キケロも羨むその文才!

カエサルはローマ帝国を代表する英雄です。カエサルといえば「賽は投げられた」、「ルビコン川を渡る」、「来た、見た、勝った」、「ブルータス、お前もか」などの言葉でも有名ですよね。

そしてそのあまりのカリスマぶりは多くの作品でも取り上げられ、あのシェイクスピアも『ジュリアス・シーザー』という傑作を残しています。

ローマの雄弁家キケロが絶賛するしかなかったカエサルの『ガリア戦記』。ぜひその名著を読んでみたいと手に取ってみたのですがこれは大正解。「こんな作品が古代ローマにあったのか」と驚くことになりました。英雄カエサルは文才も超一流でした。

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A・エヴァリット『アウグストゥス ローマ帝国のはじまり』~カエサル亡き後のローマを知るのにおすすめの伝記

アウグストゥスは英雄カエサルに比べると派手さはありませんが、カエサルにもできなかったことをどんどん成し遂げていきます。そんな彼の力には驚くしかありません。

そしてカエサル亡き後にこのアウグストゥスと熾烈な権力闘争を繰り広げたアントニウスはシェイクスピアの傑作悲劇『アントニーとクレオパトラ』の主人公でもあります。

私がローマ帝国をもっと学んでみようと思ったきっかけがシェイクスピアのこの作品だったのですが、この作品は時代的にまさにドンピシャの伝記となっています。

シェイクスピアが語った悲劇と実際の歴史はどれくらい違うのかということを考えながら読むのもとても楽しかったです。

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A・エヴァリット『キケロ もうひとつのローマ史』~古代ローマの哲学者キケロのおすすめ伝記!

キケロは古代ローマの哲学者、弁論家として有名ですが、彼はあのカエサル(前100年頃~前44)とまさしく同じ時代を生きた政治家でもありました。

ローマ帝国と言えばカエサルというイメージが強い中、この本では主人公キケロを中心にローマ史を見ていきます。英雄の物語ではなく、ある意味敗者と言ってもいいキケロから見た古代ローマを見ていけるこの作品は非常に興味深いものがありました。

独裁を目指したカエサル。それに対し共和制を守り、立て直そうとしたキケロ。

この本はこの2人の立場の違いがはっきりとわかる名著です!

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エドワード・ギボン『ローマ帝国衰亡史』~ローマはなぜ滅びたのかを考察!偉人達も愛した歴史書の名著!

1776年に発表された『ローマ帝国衰亡史』は時代を超えて読み継がれてきた名著で、チャーチルやネルー、アダム・スミスら錚々たる偉人達にも愛されてきた作品です。

あれほどの繁栄を誇ったローマ帝国がなぜ崩壊していったのか。

単に蛮族が侵入したから崩壊したという単純な観方でいいのだろうか。

繁栄を謳歌するローマ帝国内で何が起こっていたのか。

それらを考えるのにこの作品はうってつけです。

そして歴史の流れを追いながら現代にも通ずる教訓がこの本では語られます。これが深いのなんの・・・!

小説のように読みやすいギボンの文章に加えて様々な考察が語られていく本書はやはり名著中の名著です。

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佐藤幸三『図説 永遠の都 カエサルのローマ』~フォロ・ロマーノのおすすめガイドブック!

この本はあのカエサルの歴史と共に古代ローマ帝国の中心地フォロ・ロマーノを見ていくガイドブックになります。

この本はとにかく写真や図版が大量に掲載されていて現地の様子をイメージするのにとても助かります。

また地図も充実していて、何がどこにあるのかというのも知ることができます。そしてそれらひとつひとつの歴史もこの本では学ぶことができます。

これは現地で実際に歩く際に非常に役に立つものと思われます。

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本村凌二『興亡の世界史第04巻 地中海世界とローマ帝国』~ハンニバルやカエサルについても詳しく知れるおすすめ参考書

この作品はタイトル通りローマ帝国の興亡の歴史の解説書になります。この本でありがたいのはローマ帝国の歴史はもちろん、ギリシャやカルタゴなど地中海諸国との関係性も網羅している点にあります。

そしてハンニバルやカエサルについての解説も豊富にあるのも嬉しいです。

この本は最初から最後まで一つの小説を読んでいるかのような面白さです。

まさに歴史を学ぶことの醍醐味がこの本にあるように思います。

とても面白い本でした。ローマ帝国に興味のある方にぜひおすすめしたい一冊です。

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ナショナルジオグラフィック『ローマ帝国 誕生・絶頂・滅亡の地図』~ローマ帝国の歴史を知るのにおすすめの入門書

古代ローマのはじまりはどのようなものだったのか、有名なカエサルや暴君ネロ、哲学皇帝マルクス・アウレリウスはいつ頃の人でどのような人物だったのか。なぜローマ帝国は圧倒的な力を誇り、そして最後には滅亡してしまったのか、この流れを初学者でもわかりやすく解説してくれます。非常にわかりやすいです。歴史のざっくりとした流れを知るには最適な入門書だと思います。

まずはこの本でざっくりとした流れを掴んでから他の参考書に進んでいくとスムーズだと思います。

ローマ帝国に興味があるけど何を読んだらわからないという方にぜひともおすすめしたい1冊です。

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石鍋真澄『カラヴァッジョ ほんとうはどんな画家だったのか』~誤解された生涯やマタイ問題を問い直す名著!

この本の「カラヴァッジョに関しては、事実と推測や仮説とが節操なく語られているのが実情だ」という著者の指摘はドキッとするものがありました。と言いますのも、これまで私もいくつかカラヴァッジョについての本を読んできたからです。

案の定、この本では「え!?そうなの!?」という事実がどんどん出てきます。

この作品はカラヴァッジョの生涯や特徴を時代背景と共に見ていける貴重な作品です。とても刺激的で興味深い作品でした。カラヴァッジョや当時の時代背景を知りたい方に特におすすめしたい名著です。

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アンドレ・シャステル『ローマ劫掠 1527年、聖都の悲劇』~神聖ローマ帝国軍によりローマが破壊略奪された衝撃の事件とは

この本は石鍋真澄著『教皇たちのローマ』とセットでおすすめしたい作品です。

荘厳で圧倒的な美しさを誇るバチカンの信じられない歴史を目の当たりにすることになります。

私はこの本を読んでからのこの一か月弱、いまだにそのショック状態から抜け出せておりません。それほどの衝撃です。宗教だけでなく、人類の歴史としてこの出来事は非常に大きな意味を持っていると私は感じています。

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江村洋『カール五世 ハプスブルク栄光の日々』~スペイン最盛期の王カール五世の生涯と当時の西欧事情を知れるおすすめ作品

「この男をもって、ハプスブルク家は最盛期を迎える。若きスペイン王として君臨し、皇帝の冠を抱いたのちは、ヨーロッパだけでは飽きたらず、アフリカにまでその手を伸ばした戦いと栄光の日々。しかし、王家と自身の黄昏は、静かに忍び寄っていた―。ハプスブルク家が光に満ちた最後の姿を描いた傑作評伝」

この本はサッコ・ディ・ローマ事件について知りたかった私にとって非常にありがたい作品でした。中世ヨーロッパに君臨した巨大な王の生涯を知れる素晴らしい一冊です。