『Pen BOOKS 美の起源、古代ギリシャ・ローマ』~ヨーロッパ芸術の源流を概観するのにおすすめの入門書

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

『Pen BOOKS 美の起源、古代ギリシャ・ローマ』概要と感想~ヨーロッパ芸術の源流を概観するのにおすすめの入門書

今回ご紹介するのは2014年に阪急コミュニケーションズより発行された『Pen BOOKS 美の起源、古代ギリシャ・ローマ』です。

早速この本について見ていきましょう。

アテナイの威光を語る「パルテノン神殿」、土中から現れた世界遺産「ポンペイ」、世界に愛され続ける「ミロのヴィーナス」、多くの芸術家が挑んだ「神話」の世界……2つの古代文明から《西洋》の核に触れる。

キリスト教の登場より遡ること約8世紀、都市国家が形成され、ひとつの文明が花開く。
民主政を実践し、哲学の礎を築いた古代ギリシャだ。

一方、紀元前509年に共和政を開始した古代ローマは、のち帝政へと変わり領土を拡大。
紀元前27年、皇帝アウグストゥスの治世下でパクス・ロマーナという平和と繁栄の時を迎える。

こうした地中海地域で生み出された、パルテノン神殿やコロッセオ、神々の彫像は、ひとつの美の起点とされ、豊饒な神話とともに、ルネサンス以降の多くの芸術家に多大なインスピレーションを与えた。
ゆえに、ギリシャ・ローマを知ることは、「西洋」の核に触れるに等しい。

この古代の美に対峙するとき、西欧社会に流れる、ダイナミックな大河が姿を現す。

漫画『テルマエ・ロマエ』の作者ヤマザキマリさんによる特別寄稿、「稀代のローマ皇帝、ハドリアヌスとは何者だったのか。」収録。

Amazon商品紹介ページより

私はここ一か月半ほどローマ帝国について学んでいます。そんな私にとって古代ギリシャ、ローマ美術について概観できるこの本は非常にありがたいものがありました。

『サモトラケのニケ』ルーブル美術館 Wikipediaより

この本の冒頭では古代ギリシャ・ローマを代表する彫刻『サモトラケのニケ』がどーんと見開きに掲載されています。

そしてこの本はとにかく写真が満載で、ビジュアル的に非常にわかりやすい作品となっています。そしてひとつひとつの解説も簡潔かつわかりやすく、入門書として非常に優れた一冊です。

古代ギリシャやローマの歴史の展開もざっくりとではありますが解説されますし、時代背景や当時の人々の生活まで学ぶことができます。

後半ではギリシャ神話の紹介もあり、後の西欧美術に決定的な影響を与えたモチーフについても知ることができます。

これを読めば古代ギリシャ、ローマ美術が身近に感じられます。そして実物を観たくなってきます。

入門書としてぜひおすすめしたい一冊です。

私もルーブル美術館を訪れた際この本は非常に参考になりました。その時の体験は「(12)ルーブルの至宝『サモトラケのニケ』が素晴らしすぎた件について~ぜひおすすめしたいヘレニズム彫刻の傑作!」の記事でもお話ししていますのでぜひこちらの記事もご参照ください。

以上、「『Pen BOOKS 美の起源、古代ギリシャ・ローマ』~ヨーロッパ芸術の源流を概観するのにおすすめの入門書」でした。

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