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『Pen BOOKS ルネサンスとは何か』あらすじと感想~フィレンツェやベネチアなど、ルネサンスの名画を幅広く学ぶのにおすすめの入門書

目次

『Pen BOOKS ルネサンスとは何か』概要と感想~フィレンツェやベネチアなど、ルネサンスの名画を幅広く学ぶのにおすすめの入門書

今回ご紹介するのは2012年に阪急コミュニケーションズより発行された『Pen BOOKS ルネサンスとは何か』です。

早速この本について見ていきましょう。

15世紀のイタリア・フィレンツェを中心に、古代ギリシャ・ローマ世界の秩序を規範として古典復興を標榜した一大ムーブメント、ルネサンス。西欧社会の文化史と精神史を一変させた、ルネサンスという概念とは何なのか?
無限の広がりを見せたこの時代の、歴史と芸術のすべての“現象”を徹底分析。

Amazon商品紹介ページより

この作品は前回の記事で紹介した『Pen BOOKS 美の起源、古代ギリシャ・ローマ』と同じく、ルネサンス美術の入門書として最適な1冊です。

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『Pen BOOKS 美の起源、古代ギリシャ・ローマ』あらすじと感想~ヨーロッパ芸術の源流を概観するのにお... 私はここ一か月半ほどローマ帝国について学んでいます。そんな私にとって古代ギリシャ、ローマ美術について概観できるこの本は非常にありがたいものがありました。 この本はとにかく写真が満載で、ビジュアル的に非常にわかりやすい作品となっています。

ルネサンスというとまず思い浮かぶのはフィレンツェですが、いかんせん芸術家の数が多すぎる!ルネサンスといえばボッカッチョやレオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロなど、ビッグネームの名はすぐに浮かんでくるものの、他にもたくさんの芸術家がいます。正直、あまりに数が多すぎてどう見ていけばいいのか、誰がどんな流れで作品を作ったのか混乱してしまいます。

そんなややこしいルネサンス美術ではありますが、この『PenBOOKS ルネサンスとは何か』では歴史の流れに沿ってそれぞれの名画をわかりやすく解説してくれます。図版も非常に充実していますのでビジュアル的にも非常にイメージしやすいです。

この本の冒頭ではこの作品について次のように述べられています。

ルネサンス—この言葉から想起されるイメージは、どのようなものだろうか。ある人はレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』を、またある人はボッティチェッリの『プリマヴェーラ(春)』を、あるいはこのドゥオーモを思い浮かべることだろう。

15世紀のイタリア・フィレンツェを中心に、古代ギリシャ・ローマ世界の秩序を規範として古典復興を標榜した一大ムーブメント、ルネサンス。だが、それら芸術史に燦然と輝く傑作たちは、前時代の様式からいかに脱し、そして新たな表現を獲得していったのか。以後の西欧社会の文化史と精神史を一変させた、ルネサンスという概念とは何なのか?

本書では、さまざまな分野の要因が奇跡的に絡み合い、互いに化学反応を起こしながら作品を生んでいった過程をつぶさに解説。無限の広がりを見せたこの時代の、歴史と芸術のすべての〝現象〟を、徹底分析する。

阪急コミュニケーションズ『Pen BOOKS ルネサンスとは何か』P2

ここで語られますように、この本は「そもそもルネサンスとは何なのか」ということを多数の図版とともに見ていくことになります。様々な作品を見比べながら解説が続いていきますのでとてもわかりやすく、読みやすいです。

また、本書の後半ではベネチア絵画についても触れられていて、こちらも非常に興味深かったです。フィレンツェとベネチアの違いを考えながら見ていけるのでとても参考になりました。

そして個人的に一番ありがたいなと思ったのが、本書で紹介されている作品をどこで観ることができるのかというのを地図上で一覧にして紹介してくれている点です。

ローマ、ヨーロッパ・アメリカ、フィレンツェ、ベネチアの4つの地図が掲載されていて、これがあれば現地での鑑賞に役立つこと間違いなしです。イタリア旅行に行かれる方にぜひおすすめしたい入門書です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

以上、「『Pen BOOKS ルネサンスとは何か』~フィレンツェやベネチアなど、ルネサンスの名画を幅広く学ぶのにおすすめの入門書」でした。

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ペンブックス18 ルネサンスとは何か。 (Pen BOOKS)

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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