絵画

上田隆弘僧侶の日記

ようこそお越しくださいました。初めて当ブログへお越しの皆様へのご案内。まずはこちらへどうぞ

はじめまして。当ブログの管理人上田隆弘と申します。

このブログは、ブログタイトルにもありますように自問自答をモットーに日々の生活の中の様々なことに目を向け言葉を綴ってみようという私の試みから始まりました。

ですが皆さんもお気づきのように、いつの間にか「旅と読書のブログ」へと変貌を遂げていたのでありました。しかも記事の数も1500を越えようかという分量になり、最近では「何を読んだらいいかわからない」というお声を頂くことが増えてきて参りました。

というわけでこの記事では当ブログ内の大まかなご案内をしていきたいと思います。

当ブログへ初めて来られた方や何を読むべきか迷った方はまずこちらの記事をご覧ください。

フィレンツェイタリアルネサンスと知の革命

フィレンツェを知るためのおすすめ参考書一覧~ダ・ヴィンチやマキャヴェリ、ダンテなど芸術や歴史、文学など奥深き世界を堪能

前回の記事ではイタリア・ローマを知るためのおすすめ参考書をご紹介しましたが、今回の記事ではフィレンツェについてのおすすめ本をご紹介していきます。

フェイレンツェといえばボッティチェリやレオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなど言わずもがなの巨匠の作品が今なお世界中の人を魅了し続けている華の都です。

ですがそんなフィレンツェではありますが、いざこの街がどのような歴史を経てどのように芸術が花開くことになったかというのは意外とわかりにくいです。

ルネッサンス芸術という言葉は知っていてもいざこの芸術が実際にどのようなものなのか、それが黄金期を迎える時代背景は何だったのか。

知れば知るほど面白いフィレンツェです!ぜひこの記事を役立てて頂ければ幸いです。

ローマおすすめ観光スポット『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

僧侶ならではのローマおすすめ観光スポット15選!王道からマニアックな教会まで美の極致を味わう

この記事では私も大好きなローマのおすすめ観光スポットをご紹介していきます。

サン・ピエトロ大聖堂やコロッセオなどの有名どころだけではなく、観光客があまり訪れないマニアックな教会もこの記事ではご紹介していきます。

ローマは実に素晴らしい街です。ですがあまりに見どころが多すぎるが故の罠もあります。ぜひ当ブログの記事が皆様のお役に立てれば何よりでございます。

地獄変・偸盗三島由紀夫と日本文学

芥川龍之介『地獄変』あらすじと感想~地獄絵の完成には地獄を見ねばならぬ…天才画家の狂気を描いた傑作!

この作品を読んでいると、まるでサスペンス映画を観ているかのような緊張感に自分が包まれていることを感じます。天才画家良秀が弟子を鎖で縛ったりミミズクをけしかけるくらいまではまだいいのです。「また始まったよ良秀の奇行が」くらいのものです。ですがそこから段々妙な予感が私達の中に生まれ、次第に不気味に思えてきます。「まさか、良秀がやろうとしていることって・・・」とついハラハラしてしまいます。この徐々に徐々に恐怖や不安を煽っていくスタイルは、ミステリーのお手本とも言うべき実に鮮やかなストーリーテリングです。さすが芥川龍之介です。

この作品には「完璧な絵を描き上げんとする狂気の画家を、言葉の芸術家が完全に描き切るのだ」という芥川の野心すら感じさせられます。

この作品が芥川文学の中でも傑作として評価されている理由がよくわかります。

トルストイの肖像ロシアの巨人トルストイ

クラムスコイ『トルストイの肖像』制作エピソード~トルストイの射貫くような眼差しはこうして描かれた!

この肖像画で描かれたトルストイのまなざしの鋭さには驚かされます。

トルストイといえば晩年の白いひげを生やした姿を連想しがちですが、この肖像画が描かれた1873年はトルストイ45歳の年です。4年前には『戦争と平和』の連載が完了し大ヒット。そしてこの年には『アンナ・カレーニナ』を書いていました。つまり、作家としてバリバリの時期です。その時の鋭い眼光がこの肖像画で描かれています。

そして興味深いことに、トルストイとクラムスコイの出会いは『アンナ・カレーニナ』の執筆にも影響を与えることになりました。

ドストエフスキーの肖像画ドストエフスキー作品

ペローフ『ドストエフスキーの肖像画』制作のエピソードをご紹介!画家の見た作家の素顔とは

私は2019年夏より『親鸞とドストエフスキー』をテーマにこれまで学んできましたが、学べば学ぶほど愛着が湧き、ついには額縁に入った肖像画を購入し部屋に飾るほどになってしまいました。

そしてこのドストエフスキーを描いた画家こそ今回紹介するペローフになります。

この記事ではこの肖像画が生まれたエピソードを見ていきます。子供を愛したドストエフスキーならではの姿を知ることになりました。

インド美術インド思想と文化、歴史

V・デヘージア『岩波 世界の美術 インド美術』~オールカラーの素晴らしい写真が満載!おすすめインド美術ガイドブック

この本はインダス文明から現代インドまでの美術史を一冊で概観できる驚くべき作品です。この本の特徴は写真が豊富ですべてオールカラーで掲載されている点にあります。また、時代ごとに並んでいるのでインドの美術がどのような流れで変遷していったのかを知れるのもありがたいです。

私は特に仏教美術に関心があったのですが、初期の仏像や仏教彫刻を綺麗な写真で見れたのはとてもありがたかったです。解説もわかりやすく、これはぜひおすすめしたい作品だとすぐに感じました。

ローマとドストエフスキー『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(42)ローマ・カトリックを批判したドストエフスキーは美の殿堂・劇場都市ローマに何を思うのだろうか

これまで41回にわたってローマの旅行記を更新してきました。

この旅行記の序文でお伝えしたように、私は「ローマカトリックが嫌いなドストエフスキーではあるが、その本山サンピエトロ大聖堂やローマのベルニーニの舞台芸術に心奪われずにいられるだろうか」という問いを立てローマを巡りました。

私にとってはこのローマの滞在中、片時もドストエフスキーを忘れたことはありませんでした。私はこのヨーロッパ滞在中常にドストエフスキーと共にいました。

ではこのローマ滞在においてドストエフスキーは実際にローマをどう思ったのでしょうか。

本当のところはドストエフスキーが何も書き残していない以上わかりません。ですが、そうではあるものの、私は「ドストエフスキーはローマを好きだけども嫌いになったであろう」という結論に至りました。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(32)イエズス会総本山ジェズ教会と創始者イグナティウス・デ・ロヨラの『霊操』の瞑想法を彫刻に取り入れたベルニーニ

今回の記事ではベルニーニの芸術に大きな影響を与えたイエズス会の創始者イグナティウス・デ・ロヨラの『霊操』の瞑想と総本山ジェズ教会についてお話ししていきます。

あのザビエルが所属していた修道会がこのイエズス会です。そして私も学んでいて驚いたのですが、イエズス会ができたのはなんと1534年のことで、ローマ教皇パウルス五世に正式に認可されたのが1540年という割と最近の話だったのである。ザビエルはその創設メンバーの一人だった。イエズス会というと、植民地戦略や政治的な面をイメージしてしまいがちですが、実は瞑想や宗教的実践を強く重んじていた側面もありました。そしてベルニーニはまさにそうした宗教的実践を重んじ日々生活していて、それが作品に顕著に表れていたのでした。これは非常に重要なポイントであると私は思います。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(31)サンタ・マリア・デル・ポポロ教会のダニエルとハバククの像~ベルニーニの神秘性と古代ローマのインスピレーション

この記事ではポポロ広場にあるサンタ・マリア・デルポポロ教会内キジ礼拝堂に納められたベルニーニ作『ダニエル』と『ハバクク』についてお話ししていきます。

この教会自体はベルニーニよりもカラヴァッジョの絵画で有名ですが、ここもベルニーニ巡礼には欠かせません。

『ダニエル』、『ハバクク』は後期ベルニーニの熟練の技と神秘表現がいかんなく発揮された作品です。彼の後期作品の特徴を知る上でもこれらの作品は非常に重要なものとなっています。