マルサス『人口論』概要と感想~リカード、マルクスにも大きな影響を与えたマルサスの人口論とは
リカードの作品を読んだ後だとマルサスの文章は非常に優しく感じられます。想像していたよりもはるかに読みやすくまとめられている本だなというのが私の感想でした。
有名な「マルサスの法則」の出典を読むことができたのは私にとってもありがたい経験となりました。こうした経済学の作品をマルクスやエンゲルスは必死になって勉強していたんだなと思うと私も身が引き締まる思いになりました。
リカードの作品を読んだ後だとマルサスの文章は非常に優しく感じられます。想像していたよりもはるかに読みやすくまとめられている本だなというのが私の感想でした。
有名な「マルサスの法則」の出典を読むことができたのは私にとってもありがたい経験となりました。こうした経済学の作品をマルクスやエンゲルスは必死になって勉強していたんだなと思うと私も身が引き締まる思いになりました。
当たり前のことではありますが、マルクスも無から『資本論』をはじめとした経済理論を生み出したわけではありません。マルクスは鬼のような勉強家です。マルクスはこうしてアダム・スミスやリカードウの著作を読み耽り、自らの説を構築していったのでありました。
そうしたマルクスの側面を知る上でもこの本を読めたのは大きな意味があったなと思います。
私自身はこの本が難しすぎて完全にお手上げでしたがウルリケ・ヘルマンの解説によってこの本の大きな意味を知ることができました。
この本は解説と一緒に読むことをお勧めします。
この本が書かれたのはマルクスが『資本論』を書くおよそ90年前です。マルクスは当然アダム・スミスの著作も読んでいました。
マルクスといえば資本における独自な理論や「剰余価値」などの有名な言葉を生み出したというイメージがありましたが、それらは彼が突然「歴史上誰も考えたこともない新説」を思いついたわけではなく、こうした経済学の歴史の流れで彼が到達した考えなのだなということを知ることができました。
この作品はチンパンジーやボノボの研究を通して得た知見を基に人間の道徳性や宗教について語っていきます。
私たちの道徳はどこから生まれてきたのか。
性善説、性悪説、人間ははたしてどっちなのか。
こうした議論はこれまで、哲学的、思想的な側面から語られてきました。
しかしドゥ・ヴァールはそれらは人間だけにあるものだけではなく、動物にも存在するものであり、人間だけが特権的に善悪の基準を持っているわけではないことを語ります。
私たちの常識を覆すような驚きの事実が満載です。ぜひぜひ読んでみてください!ものすごくおすすめです!
人間道徳の本質は何なのか。そしてそこにおいて大きな役割を果たす共感とは何なのか。
アダム・スミスはこの著作で明らかにしていきます。
私がこの本を読んで驚いたのはアダム・スミスの観察力の鋭さでした。
読んでいて思わず「よく観てるな~この人は」とうならざるをえない場面が何度もありました。
今回の記事ではずいぶん「驚いた」という言葉を使ってしまいましたが、仕方ありません。実際この本を読んで私は驚きっぱなしだったのです。それだけこの本の衝撃は大きかったのです。
これは名著です!ぜひ読んで頂きたい作品です!おすすめです!
この作品はスコットランドの経済学者アダム・スミスの『道徳感情論』と『国富論』についての参考書です。
アダム・スミスといえば「神の見えざる手」で有名です。
しかしこの「見えざる手」が通俗的な理解では誤解されているというのがこの本で学ぶことができる最大のメリットです。
アダム・スミスが『国富論』で本当に言いたかったのは何だったのか。それをこの本でじっくりと見ていくことになります。
この作品はマルクスとエンゲルスの初めての共同作品になります。
マルクスとエンゲルスは1844年8月にパリで対面し、その時から生涯続く友情が始まっていきます。
元々、ブルーノ・バウアーとマルクス・エンゲルスはベルリンで「ドクトルクラブ」という知識人グループで一緒に活動していた仲間でした。
そんな元同窓であるマルクス・エンゲルスがブルーノ・バウアーとの決別の姿勢を示したのがこの作品になります。
私たちは「宗教はアヘン」と聞くと、何やら宗教が人々を狂わせるかのような意味で受け取りがちです。ですがそういうことを言わんがためにマルクスは「宗教はアヘン」と述べたわけではないのでした。
この記事ではそんな「宗教はアヘン」という言葉はなぜ語られたのかということを見ていきます。
「宗教はアヘン」という言葉は僧侶である私にとって非常に厳しいものがありました。なぜマルクスはそのように語ったのか、何を意図して語っていたのかを知れたことはとても大きな経験となりました。
エンゲルスはドイツの綿工場経営者の御曹司として生れました。
その商人修行の一環としてエンゲルスは1843年からイギリス、マンチェスターで過ごすことになります。
父の経営するマンチェスターの工場で見習いをしながら、そこに暮らす労働者たちの地獄のような生活を目の当たりにします。
そこでの経験をまとめ、労働者の実態と資本家たちの横暴を告発したものが本書、『イギリスにおける労働者階級の状態』になります。
『「現金勘定」以外のどんなきずなをも残さなかった』
この強烈な言葉はマルクスが資本主義の仕組みを痛烈に批判した言葉としてよく知られていますが、実はこの言葉はすでにカーライルが『過去と現在』の中で述べていた言葉だったのです。
今回の記事ではその『過去と現在』からマルクス・エンゲルスに大きな影響を与えたであろう箇所を2つ紹介していきたいと思います。