2022年7月

ブログ筆者イチオシの作家エミール・ゾラ

エミール・ゾラ『パリ』あらすじと感想~ルーゴンマッカールからその先へ!これぞゾラ!宗教との真剣対決の結末はいかに!?

『パリ』は「ルーゴン・マッカール叢書」を書き上げたゾラの集大成とも言える作品となっています。とにかくゾラらしさ満載で、「THE ゾライズム」と言いたくなるような作品です。

私は今の日本にこそ、ゾラが必要だと感じています。

ゾラほど冷静に社会の仕組みを分析し、正義や真実を求めた作家はいないのではないでしょうか。

『パリ』は最高の作品です。ゾラのことがもっと好きになりました。ぜひ多くの方に広まることを願っています。

ブログ筆者イチオシの作家エミール・ゾラ

ゾラ未邦訳の作品『ローマ』あらすじと感想~腐敗したバチカンへの批判と宗教者の奮起を促したゾラの告発の書

ゾラはルルドの泉での体験から『ルルド』、『ローマ』執筆へと向かっていくことになります。

そしてバチカンによって『ルルド』が公式に禁書目録に載せられたにも関わらずわざわざローマまで赴き、改革を直訴しに行くゾラ。ここに彼の本気さや、いかに彼が真剣に宗教に対して思う所があったかがうかがわれます。

今作はそんなゾラの思いが込められた作品であり、「三都市双書」最終巻『パリ』へと繋がっていく作品になります。

ブログ筆者イチオシの作家エミール・ゾラ

ゾラ未邦訳の作品『ルルド』あらすじと感想~科学的分析を重んじるゾラは「ルルドの泉の奇跡」をどう見たのか

さて、今回ご紹介する『ルルド』は実はまだ邦訳がなされておりません。

なぜこの作品を読んでもいないのにあえて紹介しようとしたのかといいますと、この『ルルド』を含む「三都市双書」がゾラの宗教観を考えていく上で非常に重要なものとなっているからなのです。

「三都市双書」は最終作『パリ』だけが邦訳されていて、前二作は未だ邦訳されていません。ぜひぜひ邦訳されることを願ってという意味もこの記事に込めています。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(49)愛人メアリー・バーンズの死~エンゲルス・マルクスの友情の最大の危機

1863年のある日、エンゲルスの愛人メアリー・バーンズが急死してしまいます。

急な別れにショックを受けるエンゲルス。

ですがそれに対してマルクスが発した言葉がなんと思いやりのないことか・・・さすがのエンゲルスもこれに大激怒します。

マルクスからすれば正式な結婚もしないで遊び歩いていたエンゲルスがそんなにもメアリー・バーンズを愛していたとは思いも寄らなかったのでしょう。もしこの後で二人の関係性が回復していなかったら『資本論』が世に出ることはなかったかもしれません