フランス革命のなぜと流れを知るならこの1冊―なぜ歴史を学ぶのか 神野正史『世界史劇場 フランス革命の激流』⑴

ドストエフスキーとフランス

本日はベレ出版、神野正史『世界史劇場 フランス革命の激流』をご紹介します。

著者の神野正史氏は河合塾の世界史の講師で、受験生だけではなく、社会人からもそのわかりやすく面白い講義内容で絶大な信頼を得ています。

この本の売りとして表紙カバーには次のように書かれています。

暗記不要!

革命前夜からテルミドールの9日のクーデタまで、フランス革命の展開を詳しく解説。

まるで映画や舞台を観るような感覚でスイスイ読めてわかりやすい!

歴史が‘見える’イラストが満載!

歴史を学びなおしたい大人から、歴史が苦手な高校生まで楽しめる。

ベレ出版、神野正史『世界史劇場 フランス革命の激流』

たしかにこの本は読んでいて本当にわかりやすいです。なぜその出来事が起こったのか、そしてそこからどう展開していくのかという歴史の流れを知ることができます。

この本はフランス革命の入門書として最適です。

歴史の勉強といえば、年号と人物などの暗記がメインだった学生時代。

これでは歴史の本当の面白さやその意義は見えてきませんよね。この本はその歴史というものに対する先入観も破壊してくれます。

この本の「はじめに」で著者はなぜ歴史を学ぶ必要があるのか、フランス革命はなぜ重要なのかを説いています。少し長くなりますがとても重要なお話だと思いましたので引用します。

「現在、我々が住む日本社会では、国民に主権が与えられ、貧富や貴賤の区別なく等しく選挙権が与えられ、教育を受ける権利が与えられ、法の下の平等が施行され、思想・信条・発言の自由が与えられています。

それらは、空気の如く”当たり前”のようにそこにあるため、人々はいつしかその有難味も忘れ、「勉強なんかしたくねえー!!」と叫び、選挙にも行かない者も現れます。

しかしながら、この「教育権」や「選挙権」、どれひとつ取ってみても、ほんのついこの間まで、それは”当たり前”ではなく、これを勝ちとるために、どれほどの多くの人々が血を流してきたことかしれません。

いえ、国によっては、現在でもそれは”当たり前”ではありません。

まともな教育・選挙もない国家、または「教育」の名の下にゆがんだ知識を国民に植えつけつづける国家、形だけの「選挙」を装いつつ実際には「出来レース」「イカサマ選挙」の国家もまだまだ多い。

では、そうした「国民主権」「教育権」「法の下の平等」「思想・信条・発言の自由」などを基盤とした先進諸国の社会は、いつから始まったのでしょうか。

生まれついて五体満足で健康な人には、どうしてもその有難味がわからないのです。

たとえば筆者は生まれつき右腕が動きませんので、その有難味は痛いほどよくわかりますが、健常者が本当の意味でそれを理解するのは、自分が事故や老齢で”その身”になったときのみでしょう。

それと同じように、今我々が暮らしているこの社会を理解しようとするとき、我々の社会の政治・経済・文化そのものをどれほど学ぼうとも、これを真に理解することはできません。

その基盤となる価値観がまだ存在しなかった時代まで遡り、そうした社会の苦悩を肌で感じ、そこからどのように諸権利を獲得していき、そして現在に至ったのか。

その「事始め」から学ばなければなりません。

その格好の教材こそが「フランス革命」と言えます。

文字通り”血で血を洗うような”壮絶な10年にもおよぶ革命の中から、現代の先進諸国では当たり前となっている社会が生まれてきたのです。

二百云十年も前の、地球の裏側で起こった出来事なんかどうでもいいや。…ではないのです。

フランス革命を学ぶことは、我々自身を学び、そして理解することです。

では、我々の社会に「自由」「平等」をもたらしてくれたフランスは幸せになれたのでしようか。

じつは「否」です。

フランスはこの革命以降も、悶絶して苦しみもがくことになります。

フランス革命で10年間にもおよぶ大動乱を経たと思ったら、つぎの10年は「ナポレオン戦争」という相次ぐ戦争の時代へ。

それが済んだかと思えば、今度は15年にもおよぶブルボン反動時代。

さらにその後も、七月革命、二月革命、ナポレオン3世の独裁…と、不安な時代は延々とつづくことになります。

フランスはなぜ「失敗」したのでしようか。

そこにも我々は学ぶべき点が限りなくあります。

大学受験でもきわめて出題頻度が高いにも関わらず、毎年、受験生が苦手とする「フランス革命」。

さほどに複雑な動きをし、理解しにくい革命でもありますが、近代社会の基盤をつくった、たいへん重要な革命です。

本書が、その理解の「はじめの一歩」となってくれるなら、こんなにうれしいことはありません。

ベレ出版、神野正史『世界史劇場 フランス革命の激流』P3-4

フランス革命は現代の日本に住む私たちとも無関係ではない。それを学ぶことは私たち自身を知ることでもある。

これは非常に重要なことなのではないでしょうか。

ドストエフスキーをより深く知るためにフランスへと目を向けてみた私ではありましたが、思わぬところでとてつもなく大きな問題とぶつかることになりました。

ただ、そんなに難しく考える必要はありません。

著者の神野さんは歴史が苦手な人でもいつの間にかのめり込んでしまうような、絶妙な語り口で物語を語ってくれます。

肩肘張らずに、まるで映画を見ているかのように読み進めることが出来てしまいます。え!?次はどうなるの!?とページをめくる手が止まらなくなります。

フランス革命といえば『ベルサイユのばら』やマリーアントワネット、ルイ16世、バスティーユ牢獄など、様々なイメージが私たちの中に浮かんできますが、実際にこの革命がどのような出来事であったのか、次の記事でこの本を参考にざっくりとまとめてみたいと思います。

引き続きお付き合い頂けましたら嬉しく思います。

次の記事はこちら↓

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