(1)ドストエフスキーとトルストイの眼で眺めるパリ~彼らはパリに対してどんな思いを持っていたのだろうか
ドストエフスキーは1862年、トルストイは1857年にそれぞれパリを訪れています。
彼らはそこで目にした出来事やそれらに対する思いを書き残し、後の作家活動の糧としていました。
この記事ではそんな二人を通して今回の私の旅についての思いをお話ししていきます。
ドストエフスキーは1862年、トルストイは1857年にそれぞれパリを訪れています。
彼らはそこで目にした出来事やそれらに対する思いを書き残し、後の作家活動の糧としていました。
この記事ではそんな二人を通して今回の私の旅についての思いをお話ししていきます。
この作品は処刑人一族という運命を背負ったサンソン家の人間ドラマが描かれています。
処刑人というと、冷酷で血も涙もない野蛮なイメージを持ってしまうかもしれませんが、この本を読めばそのイメージはがらっと変わることになります。
当時、差別され周囲の人々から蔑みの目で見られるこの職業において、それでもなお一人の人間としていかに高潔に生きていくのかを問い続けたサンソン。
フランス革命の激流に巻き込まれながらも懸命に生き、究極の問題を問い続けたこの人物には驚くしかありません。
私も大好きなミュージカル『オペラ座の怪人』。その原作を読めたのは非常に楽しい読書となりました。ミュージカルとはまったく別物と考えた方がいいです。これはこれでひとつの物語として楽しめます。読みやすく、ハラハラする展開であっという間に読み切ってしまいました。
ミュージカルファンの方にもぜひおすすめしたいです。この原作をミュージカル化したアンドリュー・ロイド=ウェバーの怪物ぶりがよくわかります。これは私にとっても非常に興味深いものがありました。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
この作品はメディアの革命児ジラルダンの生涯を時代背景と共に見ていける名著です。
私達は日常メディア無しではいられないほどテレビや新聞、ネットの情報に囲まれていますが、その商業メディアというのは一体いつから始まったのか、そしてそれは何を意味するのだろうかということをこの本では学ぶことができます。一九世紀中頃のフランスを舞台にしたこの作品ですが現代社会を生きる私たちにも直結する内容がこの本で語られます。
これは名著中の名著間違いなし!ものすごく面白い本です!
今振り返れば、私はこの作品をきっかけに本格的に本の虫になり始めたように思えます。高校時代は受験勉強がメインだったので私はそこまで本を読むことができないでいました。もちろん、本自体は好きだったのですが、やはり大学入学直後の新鮮な時期にガツンと『ダンス・ダンス・ダンス』の洗礼を受けたことが私の読書遍歴を形作ったのではないかと思います。
そんな私の学生時代や20代を思い出させるのが『ダンス・ダンス・ダンス』です。この作品は今の私にとっても宝物です。
この作品は19世紀中頃のフランスメディア、出版業界の実態を暴露した驚くべき作品です。バルザック自身が出版業界で身を立てていたこともあり彼はこの業界の裏も表も知り尽くしています。この作品ではそんなバルザックの容赦ないメディア批判が展開されます。もちろん、それは単なる批判ではなくバルザックの悲痛な願いでもあります。本当にいいものがきちんと評価される世の中になってほしいという思いがそこににじみ出ています。
本書ではウージェーヌ・シューの作品を見ていくことでこの人物がいかに優れた業績を残していたかを目の当たりにすることになります。
十九世紀フランスの出版事情やメディア業界の裏側も知れるものすごく刺激的な作品となっています。これは面白いです。ぜひぜひおすすめしたい作品となっています。
フランス文学だけでなく、ロシア文学やイギリス文学、マルクスを考える上でも非常に興味深い指摘が次々と出てきます。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
この本は当ブログでもお馴染み、フランス文学者鹿島茂氏によるパリガイドになります。
そしてこの作品の特徴は何と言っても、パリの文学ゆかりの地を鹿島氏の名解説と共に見ていくことができる点にあります。
パリの名所ひとつひとつを文学と絡めてお話しして下さるこの本はフランス文学ファンにはたまらない作品となっています。
これを読めばパリに行きたくなること間違いなしです。ぜひぜひおすすめしたい一冊です。
この作品はフランスの偉大なる文豪ヴィクトル・ユゴーの伝記です。著者の辻昶
氏はユゴーの『レ・ミゼラブル』や『九十三年』などの翻訳を手掛けたフランス文学者です。
ユゴーの波乱万丈の生涯を単行本1冊にぎゅぎゅっとまとめたこの作品は非常に貴重なものだと思います。読みやすさも抜群ですのでぜひおすすめしたいです。
この作品ではまさに一九世紀前半から中頃にかけてのフランス青年の成り上がり物語が描かれています。
そして興味深いのがその成り上がりに「恋愛」が大きなウエイトを占めているという点です。
ナポレオンも下級貴族から自分の才覚で皇帝まで成り上がりました。そしてそれと同じように今作の主人公ジュリアン・ソレルも成り上がりを目論みます。
その手段として恋愛があり、それを足掛かりに一気に階級上昇を狙うという社会風潮がたしかにあったのがこの時代のフランスだったのでした。そんなフランス事情を知れるおすすめの作品です