(20)ムンバイの巨大洗濯場ドービーガートを訪ねて~『虐殺器官』の聖地巡りもいよいよ終わりを迎える
ムンバイの巨大な洗濯場として知られるドービーガート。
私はこのドービーガートを眺めながらある感慨に耽っていました。
「ついにここまでやって来たのだ・・・」と。
私にとってここは単なる洗濯場ではありません。ここは伊藤計劃さんの小説『虐殺器官』の舞台ともなった、いわば聖地なのです。
ムンバイの巨大な洗濯場として知られるドービーガート。
私はこのドービーガートを眺めながらある感慨に耽っていました。
「ついにここまでやって来たのだ・・・」と。
私にとってここは単なる洗濯場ではありません。ここは伊藤計劃さんの小説『虐殺器官』の舞台ともなった、いわば聖地なのです。
本作は「聖地」「信仰」「文化」という側面からディズニーを見ていく点にその特色があります。僧侶である私にとってこれは非常に興味深いテーマであります。
はっきり申しましょう。「この本はものすごく面白いです・・・!」
新書でこれだけのことがまとめられているというのはかなり奇跡です。これほどの本にはなかなかお目にかかれません。ディズニーファンだけではなく、文化や宗教に関心のある方にもぜひおすすめしたいです。
今作『箱男』は何とも形容しがたい刺激的な作品です。
まず、そもそもタイトルが謎です。『箱男』って何だ?
私は阿部公房の『箱男』という作品について、これまで名前だけは知ってはいたのでありますが今回いよいよ実際に読んでみることになりました。
私はてっきりチェーホフの『箱にはいった男』のイメージで、何か観念的な物語かと思っていたのですが読んでみてびっくり、物理的に本当に箱をかぶった男の話だったとは!
ぜひぜひおすすめしたい作品です。三島由紀夫を学ぶ流れで読んでみた作品でしたが、その作風の違いなども感じられてとても楽しい読書になりました。
あの三島由紀夫が本格SF小説を書いていた!
しかもこの作品はものすごく読みやすいです。作者名が伏せられていたら三島由紀夫だとわからないくらいの読みやすさです。さらに、ものすごく没入感が強く、気づけば小説の世界にすっかり入り込んでしまいます。大杉家の面々が宇宙人であること、そしてそれとは別の宇宙人の存在も物語途中から現れるのですが、どこからどこまでがリアルかSFかわからなくなるほど絶妙な匙加減です。私達は知らぬ間に計算に計算を重ねた三島文学の術中にどっぷりはまることになります。これは面白い。シンプルに面白い!
いやあ、見事な作品でした。
かつて日本でもラジオにおいて仏教学者や演説、説法の達人が仏教を語り多くの人に強い影響を与えていたというのは驚きでした。
また、松下幸之助についての驚きの事実や、政治家松岡洋右の圧倒的な演説力、玉音放送を手掛け戦争を終結させた影の立役者下村宏の偉業など次から次へと驚異の事実をこの本では目にしていくことになります。
とにかく読んでみて下さい。それも一刻も早く!これほどの本に出会えるのはそうそうありません。世界が非常に不安定になっている今こそ読むべき名著中の名著です。
アーサー・C・クラークはスタンリー・キューブリックと共にあの『2001年宇宙の旅』を手掛けたSF界の巨匠です。
そのアーサー・C・クラークがなっとスリランカを愛し、スリランカへの想いを述べたエッセイを書いていた!
それを知った私は迷うことなくこの一冊を手に取ったのでありました。
ルワンダの虐殺はあまりに衝撃的です。トラウマになってもおかしくないほどの読書になるかもしれません。それほどの地獄です。人間はここまで残酷になれるのかと恐れおののくしかありません。
私はボスニア紛争をきっかけにルワンダの虐殺をこうして学ぶことになりましたが、これらの本を読んでいてボスニア、ルワンダ、ソマリアのそれぞれが特異で異常なのではなく、人間の本質としてそういうことが起こり得る、誰しもがやってしまいかねないものを持っているのだということを改めて思い知らされることになりました。
目を背けたくなるような歴史ではありますが、ここを通らなければ、歴史はまた形を変えて繰り返してしまうことでしょう。そうならないためにも私たちは悲惨な人間の歴史を学ばなければならないのではないでしょうか。
SF小説はその面白さは言うまでもありませんが、現在を生きる私たちに大きな問いを投げかけます。
楽しんで読むもよし。
今の世界をじっくり考えながら読むもよし。
色んな楽しみ方ができるのがSF小説のいいところだと思います。
この記事ではそんな私のおすすめ小説15作品をご紹介します。
私が星新一作品を知ったのはSF好きな友人がおすすめしてくれたのがきっかけでした。
そして読み始めてみるとその作品のインパクトに驚くことになりました。
「おぉ!これが星新一か!」
そう思わずにはいられない、独自な世界観でした。これはすごい! こんな短いページ数であっと驚く展開を具現化する力に私はすっかり魅了されてしまいました!
伊藤計劃さんは34歳という若さで亡くなってしまいました。
伊藤計劃さんはがんの闘病をしながらデビュー作の『虐殺器官』を書き上げ、この作品も末期がんに近い状況で書き上げられました。
いのちとは何か。病とは、死とは。
それをこの作品で突き詰めていきます。
伊藤計劃さん自身の境遇を思うとこの作品の持つ重みがさらに感じられます