『ドン・キホーテ』のおすすめ参考書と解説記事一覧~世界最高の小説はやはり面白い!知れば知るほど楽しいその魅力とは!

ドン・キホーテ 愛すべき遍歴の騎士ドン・キホーテ

目次

『ドン・キホーテ』のおすすめ参考書と解説記事一覧~世界最高の小説はやはり面白い!知れば知るほど楽しいその魅力とは!

『ドン・キホーテ』はスペインの作家ミゲル・デ・セルバンテス(1547-1616)によって書かれた大作です。

セルバンテス Wikipediaより

これまでに幾人もの作家による翻訳が出版されていますが、私は岩波文庫の牛島信明訳を愛読しています。

牛島信明訳はとにかく読みやすいです。言葉遣いも現代的で私たちが読んでも全く違和感なく読むことができます。

古典と言えば哲学書のような難解な文章をイメージするかもしれませんが牛島信明訳はまったくそういうことはありません

さらに、要所要所で挿入されている挿絵がまたすばらしい!

挿絵のおかげでドン・キホーテの様子がより鮮明に想像できて物語に入り込みやすくなります。

一言で言うならば「こんなに読みやすい古典はなかなかない」と断言することができるでしょう。

この物語そのものについては以下の「名作『ドン・キホーテ』のあらすじと風車の冒険をざっくりとご紹介 スペイン編⑪」の記事でお話ししていますのでぜひそちらを参照して頂ければと思います。

では、ここからドン・キホーテについての解説記事やおすすめの参考書をご紹介していきます。それぞれのリンク先ではより詳しくお話ししていますので興味のある方はぜひご参照ください。

『ドン・キホーテ』おすすめ解説記事

『ドン・キホーテ』はなぜ名作なのか~『ドン・キホーテ』をもっと楽しむためのポイントを解説

この記事では世界の名作『ドン・キホーテ』がなぜ世界の名だたる著名人から愛されたのかをお話ししていきます。

古典と言えば小難しくて眉間にしわを寄せて読むものだというイメージもあるかもしれませんが、『ドン・キホーテ』においてはまったくの逆。

私は元気を出したいときや明るい気分になりたいときに『ドン・キホーテ』を読みます。

理想に燃えて突進し、辛い目にあってもへこたれず明るく前に進み続ける。そんな『ドン・キホーテ』を読んでいると不思議と力が湧いてきます。

名作と言われる理由がわかればきっとこの作品を読みたくなると思います。ぜひご一読下さい。

セルバンテスの驚異の風刺技術!ガレー船での漕役刑と『ドン・キホーテ』のつながりとは

この記事内で説かれる箇所を読んだ時、私はビリビリっとしたものを全身に感じました。

と言うのも、ガレー船での漕役刑というのはセルバンテスの『ドン・キホーテ』にも登場し、漕役囚たちとドン・キホーテのエピソードは私の中で非常に大きなインパクトを占めていたからです。

『ドン・キホーテ』という作品のあまりのすごさに改めて衝撃を受けました。恐るべき風刺や皮肉がそこら中に散りばめられているのです。しかも、それを知らなくとも面白い小説として読めてしまうのですから驚異と言うほかありません。ますます大好きな小説になりました。

異端審問という歴史を知ることで、文学の見え方も変わってくる。これは非常に興味深いことでありました。

『ドン・キホーテ』のおすすめエピソード「焚書詮議の物語」と異端審問のつながり

この記事で紹介する『ドン・キホーテ』の焚書詮議の物語は私の大好きなエピソードです。何回読んでもくすっと笑ってしまいます。セルバンデスのユーモアがこれでもかと詰まったシーンです。

『異端審問 大国スペインを蝕んだ恐怖』を読んだことで、そんな私の大好きなシーンが異端審問とつながり、新しい視点を得ることができました。セルバンデスの驚くべき手腕にただただ感嘆するのみです。

とても興味深い読書体験でした。

『ドン・キホーテ』おすすめ解説書一覧

牛島信明『ドン・キホーテの旅』

私は『ドン・キホーテ』が大好きです。

ですが最初からこの作品を好きだったわけではありません。

古典の名作ということでとりあえず読んでみようと初めて手に取った時は何が面白いのかさっぱりわからないくらい手応えのない読書になりました。

ですがそれもそのはず、作者のセルバンテスは一見不思議で愉快な冒険の中に裏のメッセージをふんだんに忍ばせるという手法を用いています。

つまり、小説の裏に隠されたメッセージを読み取れなければ単なる狂人ドン・キホーテのトラブル冒険記で終わってしまうのです。

となるとこの小説の何がすごいのかさっぱりわからないというのも当然のこと。これでは『ドン・キホーテ』の面白さ、奥深さは伝わってきません。

ですが、そんな『ドン・キホーテ』を読むにあたり救世主となるのが何を隠そう、この牛島信明著『ドン・キホーテの旅』という本になります。

この作品は本当に素晴らしいです。これを読めば散々苦戦した『ドン・キホーテ』が全くの別物になります。もう面白くて面白くてたまらないというくらいの大変身を遂げます。これは必読の一冊です。

岩根圀和『ドン・キホーテのスペイン社会史 黄金時代の生活と文化』

この本は2020年という、かなり最近発売されたドン・キホーテ参考書です。

この本はドン・キホーテが活躍したスペインの時代背景を知るのにおすすめの作品です。文章も読みやすく、図版も多数掲載されているので気軽に読み進めることができます。

これはぜひおすすめしたい作品です。

トビー・グリーン『異端審問 大国スペインを蝕んだ恐怖支配』

この本は直接的には『ドン・キホーテ』とは関係がありませんが、『ドン・キホーテ』の時代背景やセルバンテスの驚異の執筆技術を知るためにぜひおすすめしたい作品です。

スペインにおける異端審問や魔女狩りの時代はまさに『ドン・キホーテ』の裏のテーマのひとつであります。残酷な時代に生きたセルバンテスであるはずなのになぜ愉快な『ドン・キホーテ』を書くことができたのか。これは驚異以外の何物でもありません。セルバンテスはユーモアという武器を用いてこの残酷な世界を風刺していたのです。

『ドン・キホーテ』が世界最高の小説と呼ばれるのもこうした驚異的な技術が詰め込まれているからでもあります。世界の偉人達が『ドン・キホーテ』を愛読書としている意味がよくわかります。ぜひおすすめしたい一冊です。

ウナムーノ『ドン・キホーテとサンチョの生涯』

ミゲル・デ・ウナムーノ(1864-1936)Wikipediaより

著者のウナムーノはスペインの哲学者で「南欧のキルケゴール」の異名を持つ人物です。

この『ドン・キホーテとサンチョの生涯』はまさに、ウナムーノのドン・キホーテへの溢れる愛とスペイン、そして人類への熱い思いが語られた作品となっています。

ただ、この本は『ドン・キホーテ』の解説書ではありません。南欧のキルケゴールと呼ばれる大哲学者の作品に対してこう言っていいのかわかりませんが、どちらかというと、「『ドン・キホーテ』のファンブック」と言えるような作品です。とにかくドン・キホーテへの愛が溢れています。

そして『ドン・キホーテ』からこんなにも豊かな教えを見出すことができるのかと驚くことになります。「なるほど!ここはそう解釈することができるのか」と、ウナムーノの深い洞察には何度も唸らされることになりました。

私はこの作品を読んで感激しました。「こんなに『ドン・キホーテ』を読み込み、熱き思いを語る人がいるんだ!」と胸が熱くなりました。「愛」そのものですね!それが伝わってくるんです!これはすごい作品です。

この作品は『ドン・キホーテ』ファン必読の名著中の名著です。

ただ、先ほども述べましたがこの作品は『ドン・キホーテ』そのものがわからなければさっぱりわからないので注意が必要です。

ですのでまずは『ドン・キホーテ』を読むことが第一になります。一度『ドン・キホーテ』を読んだならば万事OK!ぜひこの本をおすすめしたいです。

飯沢匡『ドン・キホーテの国』

この作品は著者飯沢匡氏と写真家の富山治夫氏によるスペイン・ドン・キホーテゆかりの地巡りの書になります。

この作品の特徴は何と言っても、美しいカラー写真が多数掲載されている点にあります。

この本が出版されたのは

1975年。今から47年前のスペインを知れたのはとても興味深いものがありました。

実は私も2019年にドン・キホーテゆかりの地巡りをしています。

私はこの『平凡社カラー新書19 ドン・キホーテの国』を読んで懐かしい気持ちとまた行きたいなという気持ちで一杯になりました。本当に良いところなんです!

ドン・キホーテが風車に突撃したという有名なエピソードがあるカンポ・デ・クリプターナ。

そこに宿泊して朝、昼、夕と風車の丘を散策した体験は忘れられません。

その時の記憶を思い出しながら読んだこの本はとても味わい深いものがありました。

40年以上も前のスペインの様子も知れるおすすめの作品です。

トーマス・マン『ドン・キホーテとともに海を渡る』

トーマス・マン(1875-1955)Wikipediaより

ドイツの偉大な文豪トーマス・マンは1934年にアメリカに渡航することになり、その船中で旅のお供として読んでいたのが何を隠そう、『ドン・キホーテ』だったのでした。

私がこの作品を読んでみようと思ったのは上でも紹介した牛島信明著『ドン・キホーテの旅』に次のように書かれていたのがきっかけでした。

「ナチスの迫害を逃れてアメリカに渡ったトーマス・マンは、船旅の友に『ドン・キホーテ』を選んだ。そして、その旅から生まれたのが、『ドン・キホーテとともに海を渡る』という素晴らしい本である。」

まさにこれですね。

私はトーマス・マンの『魔の山』が大好きです。この偉大な作品を書き上げたトーマス・マンがあの『ドン・キホーテ』を旅のお供に選び、それについて素晴らしい文章を書き上げたというのですからぜひ読みたくなってしまいました。

そして実際にこの作品を読んでみると、なるほど、牛島氏が「素晴らしい本」と絶賛するのも納得でした。

岩根圀和『スペイン無敵艦隊の悲劇』

アルマダの海戦を描いた『無敵艦隊の敗北』(Defeat of the Spanish Armadaフィリップ・ジェイムズ・ド・ラウザーバーグ (en画、1797年Wikipediaより

この本は有名なスペイン無敵艦隊が敗北したアルマダ海戦の流れを詳しく追っていく作品になります。

1588年、イギリスがスペイン無敵艦隊を破り、それによってスペインは没落、イギリスの海上覇権が決定的になったこの海戦。

スペイン無敵艦隊の撃破は上の絵にありますように、有名な海賊ドレイクの活躍やイギリス艦隊の華々しい勝利として語られがちですが、実はこの海戦はそのようなシンプルな筋書きではなかったということをこの本では知ることになります。

そしてこの海戦の資金を集めるための徴税官として勤務していたのがあのセルバンテスです。セルバンテスは『ドン・キホーテ』を書く前にこうした仕事をしてなんとか生活をしのいでいたのでした。そうした経験も『ドン・キホーテ』に反映されています。こうしたことを考える上でもこの作品は非常に興味深いものがありました。

ものすごく面白い本です!これはぜひぜひおすすめしたい作品です。当時のヨーロッパ事情を知る上でも大いに役に立つこと間違いなしです。

池上俊一『図説 騎士の世界』

この『図説 中世の騎士』は『ドン・キホーテ』の世界を知るのにおすすめのガイドブックです。

『ドン・キホーテ』そのものの参考書ではないのでドン・キホーテはほとんど出てきませんが、その題材となった騎士とはそもそもどんな存在なのか、どのような歴史を経て生まれてきたのかということをわかりやすく知ることができます。

『ドン・キホーテ』はそれ単体でも最高に面白い作品ですが、中世の騎士たちの姿を知ることでより楽しむことができるのではないでしょうか。

図版やイラストも多数掲載されているので視覚的にも非常にわかりやすい作品です。解説の文章も読みやすく、入門書として非常に優れたガイドブックとなっています。

フランシス・ギース『中世ヨーロッパの騎士』

この本は『ドン・キホーテ』に描かれる騎士の世界が実際にどのようなものだったかということを解説してくれる作品になります。

この本を読めば騎士の始まりやドン・キホーテが奉じる騎士道とは何かということもかなり詳しく知ることができます。

初期の騎士たちは無知で暴力的な単なる武人でした。しかしそこからキリスト教と結びつくことで道徳的で高潔な騎士という理想が出来上がっていきます。

私たちがイメージする「騎士」というものがどのようにして出来上がったかを知るのにこの本はとてもおすすめです。

十字軍と騎士道のつながりも非常に興味深いものがありました。

『ドン・キホーテ』が大好きな私にとってこの本はとても刺激的で面白い作品でした。

モンタルボ『アマディス・デ・ガウラ』

まさにドン・キホーテファンにはたまらない作品が今作『アマディス・デ・ガウラ』になります。私もこの本を手にしてニヤニヤが止まりませんでした。

実際私もこの本を読んでみたのでありますが、ドン・キホーテがはまるのもむべなるかなの名作です。作中で司祭が「この種の書物では唯一最良の物」というのもわかる気がしました。

たしかに騎士の武勇がいかんなく語られるこの物語は面白いです。特に『ドン・キホーテ』の「シエラ・モレーナ山中にこもって苦行を行う狂態」のネタ元である「ペーニャ・ボブレの苦行」はものすごく面白かったです。

「ほぉほぉ、ドン・キホーテはこの話を真似してあんなことをしていたのか」とニヤニヤしながら一気に読み込んでしまいました。パロディから入って元ネタを見るという楽しみを私はこの本で満喫しました。

モンタルボ『エスプランディアンの武勲 続アマディス・デ・ガウラ』

上でドン・キホーテが正気を失うきっかけとなった騎士道物語『アマディス・デ・ガウラ』をご紹介しましたが、今作『エスプランディアンの武勲 』はその続編ということになります。

主人公は前作の主人公アマディス・デ・ガウラの嫡男エスプランディアンです。

この本を読めば『ドン・キホーテ』の作中で語られるあの好漢エスプランディアン殿がどのようなお方だったのかがわかりとても嬉しくなります。

作品としては正直イマイチな面も否めませんが、ドン・キホーテファンならば読む価値は間違いなくあります。私としてはこの本を読むことができてとてもよかったなと感じています。

M・J・ドハティ『図説アーサー王と円卓の騎士』

前回の記事「F・ギース『中世ヨーロッパの騎士』中世騎士の成り立ちと歴史を知るのにおすすめの解説書」では中世の騎士について見ていきましたが、中世の騎士物語といえば「アーサー王物語」は外すことができません。

「アーサー王物語」といえばその内容は知らずとも一度は聞いたことがある名前ですよね。

そして実はこの物語の中であの有名な「円卓の騎士」や「聖杯伝説」、「聖剣エクスカリバー」が語られるのです。

私は子供の頃『聖剣伝説』というゲームにはまった時期がありました。

https://youtube.com/watch?v=RhybFhzQ0Zk%3Ffeature%3Doembed

現在リメイク版も発売されているようで、この映像を観てるとたまらなく懐かしくなりました。

この作品で出てくる聖剣のモチーフはまさにアーサー王のエクスカリバーを連想してしまいます。

アーサー王にエクスカリバーを授ける湖の乙女。アルフレッド・カップス(Alfred Kappes, 1880年)Wikipediaより
エクスカリバーとアーサー(1917年の図面)Wikipediaより

またこのゲームだけでなく、エクスカリバーという剣は様々な所で出てくると思います。

「聖杯伝説」や「円卓の騎士」も現代に至るまで多くの作品のインスピレーションをかき立て続けモチーフを提供し続けています。

『ドン・キホーテ』を読む上でも役に立つ非常におすすめな一冊です。

T・ブルフィンチ『新訳 アーサー王物語』

ドン・キホーテはこれら騎士道物語が好きすぎて昼夜構わず読み続けた結果頭がおかしくなり、自分も遍歴の騎士となって旅立ちました。

セルバンテスはこれらの騎士道物語を徹底的にパロディ化して『ドン・キホーテ』を生み出したのでありますが、この『アーサー王物語』も漏れなくそのパロディ化に遭っているように私は感じました。

ひょっとすると『アマディス』や『エクスプランディアン』よりもそのパロディ化はその度合いが強いかもしれません。と言いますのも、実はこれら2作は私が想像していたよりもかなりファンタジー色が少なめだったのです。それに比べて『アーサー王物語』は魔法あり、聖剣、聖杯ありとファンタジー要素がかなり強いです。しかもこの本には『ドン・キホーテ』を彷彿とさせる騎士道的なやりとりがどんどん出てきます。

よくよく考えればセルバンテスが生きた16、17世紀ではスペインとイギリスは犬猿の仲、不俱戴天の敵です。(このことについては以下「岩根圀和『スペイン無敵艦隊の悲劇』アルマダ海戦や海賊ドレイク、スペインの没落を知るのにおすすめ!」の記事をご参照ください)

そのイギリスの『騎士道物語』を徹底的にこき下ろすという暗黙のメッセージもセルバンテスにはあったのかもしれません。

そんなことを考えながら読んだ『アーサー王物語』は非常に興味深いものがありました。これはぜひおすすめしたい作品です。物語自体もドラマチックで楽しむことができました。これは現代のファンタジーやゲーム作品などにも大きな影響を与えているというのも納得です。聖剣エクスカリバーや聖杯伝説などは現代を生きる私たちにとってもワクワクさせるものがあります。物語展開の王道中の王道とこの作品は言えるのではないでしょうか。

三好徹『チェ・ゲバラ伝』

私が『ドン・キホーテ』を読もうと思ったのはゲバラのおかげです。「ゲバラほどの男が愛していた『ドン・キホーテ』は一体どんなにすごい本なのだろう」、そう思ったからこそ私は『ドン・キホーテ』に初めて手を伸ばしたのです。

今では『ドン・キホーテ』は私のライフワークのようなものになっています。この作品は一生読み続けていくことでしょう。

私にとってチェ・ゲバラという存在は私とドン・キホーテを繋いでくれた大恩人なのでありました。

その大恩人のことを知れる素晴らしい伝記が本作『チェ・ゲバラ伝』になります。

そして私はドン・キホーテとの縁を繋いでくれた恩人チェ・ゲバラのお墓を2019年に訪れています。

ここはゲバラの博物館にもなっていてゲバラが身につけていたものや様々な資料が展示されています。

そしてその中でも私が一番感動したのはゲバラが実際に読んでいたというセルバンテスの『格言集』の展示でした。「これをゲバラが手に取って読んでいたんだ」と、全身が震えるような思いになりました。あの本を見た時の鳥肌は忘れられません。

そんな体験記が上の記事になります。ゲバラに興味のある方はぜひ上の記事もご覧ください。

ドストエフスキー『白痴』

白痴

ロシアの文豪ドストエフスキーはこの作品で「無条件に美しい人間」を描こうとしました。

その究極のモデルはキリストであり、それに成功した作品としてドストエフスキーは『ドン・キホーテ』を挙げています。

『白痴』の主人公はドン・キホーテをモデルのひとつとして書かれています。ロシアの文豪ドストエフスキーもドン・キホーテを愛していました。そのつながりを感じる上でも『白痴』はおすすめです。個人的にも『白痴』は大好きな作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

ディケンズ『ピクウィック・クラブ』

ピクウィック・クラブ

この作品はセルバンテスの『ドン・キホーテ』を意識して書かれ、ドストエフスキーの代表作『白痴』にも多大な影響を与えた作品です。

クラブでのピクウィック氏の演説

こちらの挿絵で椅子の上に立ち上がっている人物こそ、善良なるイギリスの「ドン・キホーテ」ことピクウィック氏になります。

禿げ頭に丸眼鏡、ぷっくりしたお腹周りにぴっちぴちの白ズボンという特徴的な見た目をしております。

このユーモア溢れるピクウィック氏を主人公にしたこの作品はたしかに『ドン・キホーテ』とそっくりです。

ディケンズが19世紀イギリスを舞台にしてドン・キホーテを蘇らそうとした意図がはっきりと見えます。

ディケンズの『ピクウィック・クラブ』は日本ではあまり知られていませんが、ドストエフスキーのみならず世界中に影響を与えた作品です。

私もつい最近までこの作品を知りませんでしたが読んでみて納得、とても面白い作品でした。

おわりに

『ドン・キホーテ』は面白い!

これは間違いありません。

そして単に面白いだけでなくその奥深さも並大抵のものではありません。さすが世界中の偉人達に愛されてきただけのことはあります。

ですが、この小説も何の解説もなしに読んでしまえばその真髄を味わえぬまま終わってしまうということもありえます。解説を読めば『ドン・キホーテ』の面白さ、すごさがよくわかりますのでこれはぜひ読んで頂けたらと思います。

特に最初に紹介した牛島信明著『ドン・キホーテの旅』は必読です。これを読むか読まないかで全く世界が変わってきます。

そしてすでにドン・キホーテの魅力を知っている方にはウナムーノ著『ドン・キホーテとサンチョの生涯』をおすすめします。これを読めばもっと『ドン・キホーテ』を好きになること間違いなしです。

ぜひ当記事が皆さんのお役に立てますことを願っております。

以上、「『ドン・キホーテ』のおすすめ参考書と解説記事一覧~世界最高の小説はやはり面白い!知れば知るほど楽しいその魅力とは!」でした。

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