スペイン文学

愛すべき遍歴の騎士ドン・キホーテ

アーヴィング『アルハンブラ物語』あらすじと感想~魅惑のスペイン紀行!世界遺産アルハンブラ宮殿に行くならぜひおすすめ!

アーヴィングは1829年にここグラナダに旅行し、アルハンブラ宮殿に滞在しました。

その旅を基に書かれた作品が『アルハンブラ物語』で、この本がきっかけで西欧社会にアルハンブラ宮殿が知られるようになりました。

この本を読めば間違いなく現地に行きたくなります。もしすでに行く予定が決まっている方はぜひこの本を読んでみて下さい。現地に行ったら何倍も楽しめること間違いなしです。旅に出るまでのモチベーションアップに絶大なる威力を発揮する作品です。

スペインの文化を知る上でもこの本は非常に素晴らしいものとなっています。ぜひおすすめしたい作品です。

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トーマス・マン『ドン・キホーテとともに海を渡る』~全読書人に贈りたい「旅と本」についての珠玉の1冊!

『ドン・キホーテとともに海を渡る』では船旅の最中に読んだ『ドン・キホーテ』に関するマンの思いを知ることができます。

旅行記としても非常に楽しめる作品で、私もわくわくしながらこの作品を読むことができました。やはり旅行記っていいですよね。しかも文豪トーマス・マンによる旅行記なのですからさらに嬉しいです。

タイトルにも書きましたようにこの作品は「旅と本」を愛する全ての方にお届けしたい珠玉の名作です。

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飯沢匡『ドン・キホーテの国』~カラー写真多数のスペイン、ドン・キホーテゆかりの地巡り

この作品は著者飯沢匡氏と写真家の富山治夫氏によるスペイン・ドン・キホーテゆかりの地巡りの書になります。

この作品の特徴は何と言っても、美しいカラー写真が多数掲載されている点にあります。

この本が出版されたのは1975年。今から47年前のスペインを知れたのはとても興味深いものがありました。

実は私も2019年にドン・キホーテゆかりの地巡りをしています。その時の記憶を思い出しながら読んだこの本はとても味わい深いものがありました

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岩根圀和『スペイン無敵艦隊の悲劇』~アルマダ海戦や海賊ドレイク、スペインの没落を知るのにおすすめ!

この作品は有名なスペイン無敵艦隊が敗北したアルマダの海戦の流れを詳しく追っていく作品です。

イギリスがスペイン無敵艦隊を1588年に破り、それによってスペインは没落、イギリスが海上覇権を握ったきっかけとされるこの海戦。

スペイン無敵艦隊の撃破は上の絵にありますように、有名な海賊ドレイクの活躍やイギリス艦隊の華々しい勝利として語られがちですが、実はこの海戦はそのようなシンプルな筋書きではなかったということをこの本では知ることになります。

『ドン・キホーテ』の作者セルバンテスとのつながりも興味深かったです

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モンタルボ『エスプランディアンの武勲 続アマディス・デ・ガウラ』あらすじと感想~ドン・キホーテ憧れの騎士アマディスの息子の物語

前回の記事「モンタルボ『アマディス・デ・ガウラ』あらすじと感想~ドン・キホーテを狂わせた騎士道物語の傑作!」ではドン・キホーテが正気を失うきっかけとなった騎士道物語『アマディス・デ・ガウラ』をご紹介しました。

そして今作『エスプランディアンの武勲 』はその続編ということになります。

主人公は前作の主人公アマディス・デ・ガウラの嫡男エスプランディアンです。

ドン・キホーテファンならば読む価値は間違いなくあります。

あの好漢エスプランディアン殿がどのようなお方だったのかがわかりとても嬉しくなります。

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モンタルボ『アマディス・デ・ガウラ』あらすじと感想~ドン・キホーテを狂わせた騎士道物語の傑作!

まさにドン・キホーテファンにはたまらない作品が今作『アマディス・デ・ガウラ』になります。私もこの本を手にしてニヤニヤが止まりませんでした。

実際私もこの本を読んでみたのでありますが、ドン・キホーテがはまるのもむべなるかなの名作です。作中で司祭が「この種の書物では唯一最良の物」というのもわかる気がしました。

「ほぉほぉ、ドン・キホーテはこの話を真似してあんなことをしていたのか」とニヤニヤしながら一気に読み込んでしまいました。パロディから入って元ネタを見るという楽しみを私はこの本で満喫しました。

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岩根圀和『ドン・キホーテのスペイン社会史 黄金時代の生活と文化』~ドン・キホーテの時代背景を知るのにおすすめの参考書!

この本では『ドン・キホーテ』をより知るために様々な観点から時代背景を見ていきます。

その中でも特に私がありがたいなと思ったのは『アマディス・デ・ガウラ』とドン・キホーテについての解説が詳しくなされている点でした。

この本はドン・キホーテが活躍したスペインの時代背景を知るのにおすすめの作品です。文章も読みやすく、図版も多数掲載されているので気軽に読み進めることができます。

これはぜひおすすめしたい作品です。

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牛島信明『ドン・キホーテの旅』~これを読めばドン・キホーテが面白くなる!ぜひおすすめしたい最高の入門書!

この本は本当に素晴らしいです。これを読めば一読しただけでは苦戦しがちな『ドン・キホーテ』が全くの別物になります。もう面白くて面白くてたまらないというくらいの大変身を遂げます。

『ドン・キホーテ』はパロディ作品です。表面上に出てくるものの裏を見れなければ面白くありません。

そんな漠然と読んでもまず気付くことができない『ドン・キホーテ』の面白さをこの本ではこれでもかと解説してくれます。

この本を読めばまず間違いないです。私は自信を持っておすすめします。それほど面白い入門書となっています。

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ソ連や全体主義との恐るべき共通点ーカラマーゾフとのつながりも「『異端審問 大国スペインを蝕んだ恐怖支配』を読む」記事一覧

中世スペインの異端審問は過去の遺物ではなく、現代につながる人間の本質的な問題であることをこの本で学びました。

これまで学んできたレーニン、スターリンのソ連や独ソ戦と非常に強いつながりを感じました。

そしてこの本の面白い所は所々で著者の思いが吐露されていて、単なるデータの羅列には終わらない点にあります。読み応え抜群です。読んでいて本当に面白い本でした。 この本はとてもおすすめです。ぜひ皆さんも読んでみてはいかがでしょうか。

愛すべき遍歴の騎士ドン・キホーテ

(11)異端審問を学ぶことは「人間とは何か」「現代とは何か」を考えることである

学べば学ぶほど、ものごとはそう単純ではないことに気づく。

「異端審問官を、賄賂と権力に弱いと言って責め、拷問官を、サディストだと言って責め、植民地拡大のため戦争に賛成する者を、戦争をしたと言って責めることができた。」と著者も述べています。 残虐行為をした人間を「悪人だ」と断罪し、その悪の責任を彼に押し付けるのは簡単です。しかし、その悪が彼固有のものではなく、人間そのものが背負っているものだとしたらどうでしょうか。彼を責めることは自分を含めた人間そのものを責めることにもなるのです。

異端審問のシステムは中世スペインだけではありません。現代に生きる私たちの世界にも連綿と続いています。そうした人間そのものについて考えることが必要なのではないでしょうか。