マルクス主義

ディストピア・SF小説から考える現代社会

野島一人『メタルギア ソリッド サブスタンスⅠ シャドーモセス』あらすじと感想~20世紀最高のシナリオを小説化!

この作品は20世紀最高のシナリオと称えられたゲーム『METAL GEAR SOLID』のノベライズ作品です。

『メタルギア』シリーズは小島秀夫監督の下制作されたゲームで、そのシナリオは冷戦や反戦、反核をテーマに描かれています。単なるゲームの域を完全に超えています。この作品の持つシナリオの奥深さ、メッセージ性に私は痺れました!

ディストピア・SF小説から考える現代社会

『METAL GEAR SOLID naked』~MGS制作陣の声を聞けるおすすめ作品

今回紹介する『 METAL GEAR SOLID naked』 という本はメタルギアシリーズ制作の舞台裏を知ることができる作品となっています。 監督の小島秀夫氏がどのような経緯でこの作品を生み出したのか。そしてこの作品に込められた思いはどのようなものだったのかを知ることができます。これはファン必見の一冊です。

ディストピア・SF小説から考える現代社会

面白くてわかりやすいテレビ・ネットの『要約・解説〈ファスト情報〉』の罠!『華氏451度』の世界が現実に

私たちはネットで簡単に情報を得られる便利な世界に暮らしつつも、大きな危険に身を晒しています。

手っ取り早く、簡単で、わかりやすい〈ファスト情報〉が溢れているのが現代です。私たちは多くの情報を知ったつもりになっていますが、その裏で進行している恐ろしい事態があるとしたら・・・?

この記事ではそんな恐るべき現状についてお話ししていきます

ディストピア・SF小説から考える現代社会

レイ・ブラッドベリ『華氏451度』あらすじと感想~本好きの方に特におすすめ!書物が禁止された世界で人はいかに生きる?

この本はものすごいです・・・!

一気に引き込まれてしまいました。怒涛のように読み耽り、読み終わった瞬間には放心状態になるほどでした。しばらく何もできないくらいの読後感です。これほどまでの読後感は久々でした。それこそ、真っ白。完全にこの作品に憑依されてしまったかのような感覚でした。

『一九八四年』、『すばらしい新世界』と並ぶSFディストピア小説の傑作です!

ディストピア・SF小説から考える現代社会

香西秀信『レトリックと詭弁』~詭弁の仕組みとその対策法とは~優しい人、真面目な人ほど知ってほしい詭弁や圧力から心を守る術

口が強い人に言いくるめられて、辛い思いをした方はきっとたくさんおられるのではないかと思います。

そして悲しいかな、優しい人や真面目な人ほどそうした相手の言葉に反論できず、自分の中にその苦しみを溜め込んでしまう。

そんな世の中にあって、この本はそれこそそんな苦しみへの処方箋というべき素晴らしい1冊となっています。

ディストピア・SF小説から考える現代社会

オーウェル『動物農場』あらすじと感想~こうして人は騙される。ソ連の全体主義を風刺した傑作寓話

敵を作りだし、憎悪や不安、恐怖を煽って宣伝してくる人たちには気を付けた方がいいです。敵を倒した後に何が起こるのか、それを『動物農場』は教えてくれます。

この作品は150ページほどの短い小説で、読みやすくありながら驚くほどのエッセンスが凝縮されています。衝撃的な読書になること請け合いです。非常におすすめな作品です!

ディストピア・SF小説から考える現代社会

オーウェル『一九八四年』あらすじと感想~全体主義・監視社会の仕組みとはー私たちの今が問われる恐るべき作品

『一九八四年』は非常に恐ろしい作品です。ですがこれほど重要な作品もなかなかありません。現代の必読書の一つであると私は思います。

私はコロナ禍が始まった頃から特にオーウェル的世界に対し恐怖を感じています。この作品は「今私たちはどのような世界に生きているか」を問うてくる恐るべき作品です。今だからこそ特に大事にしたい名作です

親鸞とドストエフスキー

2022年度のブログ更新について~昨年のまとめと今年の方針。今年はいよいよ本丸に向かいます

あけましておめでとうございます。

僧侶のブログとしては謎としか言いようのないラインナップでお届けした昨年の記事たちでしたが、今年もまだまだそれは続きます。

一見バラバラにも思える記事たちですが、私の中では「親鸞とドストエフスキー」という一貫したテーマで考え続けています。全ては繋がっています。

今年もよろしくお願いします

クラシック・西洋美術から見るヨーロッパ

ひのまどか『プロコフィエフ―音楽は誰のために?』~ソ連の天才音楽家の苦悩と生涯を知るのにおすすめの伝記!

ソ連抑圧時代を音楽家の視点から描き出したひのまどかさんの筆には驚くしかありません。ただ単に歴史的な事実を並べるだけではなく、物語として鮮明にその過酷な人生が語られています。人物と共に時代背景まで知ることができる「伝記の利点」がこれ以上ないというほど輝いています。ひのまどかさんの著作には読む度に驚かされます。

スターリンとヒトラーの虐殺・ホロコースト

アーレント『エルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告』概要と感想~ホロコーストはなぜ起こってしまったのか。人間の闇に迫る一冊

この本はアーレントの有名な「悪の陳腐さ」という言葉が生まれた作品になります。

アーレントはこの作品でナチスのホロコーストにおける恐るべき殺人システムの背景を考察します。

アイヒマンは極悪人ではなく、どこにでもいそうな人間であった。これが世界中を震撼させることになり、同時に激しい論争を引き起こすことになりました。