K・ローゼンクランツ『ヘーゲル伝』~権威あるヘーゲル伝記の古典
本書における解説の最後で「これを凌駕するへーゲル伝がかつて書かれたことはなく,今後も現われないであろう。」と述べられるほどこの伝記はヘーゲル研究において評価されている作品と言えます。
私にとっては難易度の高いこの伝記ではありましたが、ヘーゲルを学ぶ上では必読とも言える非常に評価の高い伝記です。ヘーゲル伝記の古典としてこの本は重要な作品と言うことができるでしょう。
本書における解説の最後で「これを凌駕するへーゲル伝がかつて書かれたことはなく,今後も現われないであろう。」と述べられるほどこの伝記はヘーゲル研究において評価されている作品と言えます。
私にとっては難易度の高いこの伝記ではありましたが、ヘーゲルを学ぶ上では必読とも言える非常に評価の高い伝記です。ヘーゲル伝記の古典としてこの本は重要な作品と言うことができるでしょう。
この本のありがたいのはホフマンが生きた時代の社会や文化、時代背景を解説してくれるところにあります。
ホフマンが生きた1776年から1822年のドイツというのはゲーテやシラー、ショーペンハウアー、ヘーゲルが活躍した時代でもあります。またホフマンが生まれたケーニヒスベルクはあのカントが住んでいた街です。しかもカントは1724年生まれの1804年没ですのでまさしくカントが活躍していた街でホフマンは生れたのでした。
そういう意味でもザフランスキーがこの本で語る時代背景や文化は、他のドイツ人哲学者の背景を知る上でも非常に役に立ちます。
ホフマンその人を学びながら他の哲学者の人生と絡めて私たち読者は考えていくことができます。これは楽しい読書でした。
この記事ではレーニンが権力を奪取していく過程をお話ししていきます。
クーデターによって成立したボリシェヴィキ政権が長く生き残ることを当時の誰も想像していなかったというのは、どこかナチスのヒトラー政権の成立を思わせます。
ドイツ国民もまさかヒトラーがあそこまでの権力を持つことになろうとは想像していなかったとされています。
「まさかこうなるとは」というのが歴史の怖い所です。そしてこれは形を変えて繰り返される危険性があります。私たちも他人事ではありません。
この作品はツルゲーネフがハムレットとドン・キホーテについて思うことを述べた論文です。
ツルゲーネフにとってこの2人は彼の作品創作に非常に重要な影響を与えたキャラクターであり、彼の作品にはその面影が随所に見られます。
ツルゲーネフはハムレットとドン・キホーテを対置することで2人の性格を際立たせました。
常に自分のことでうじうじ悩むハムレット型、そして常に他者のために行動するドン・キホーテ型をツルゲーネフは見るのです。
ツルゲーネフの後半生の作品は憂鬱な気分にさせるものが多いです。そのきっかけとなった時期がまさにこの頃であると言われています。
ここから「あきらめなければ」という諦念がツルゲーネフを強く覆っていくことになります。
この辺りも激情家ドストエフスキーとの大きな違いを感じさせられます。
ツルゲーネフは時代を俯瞰し、達観した賢者のごとく静かな憂鬱に身を任せます。
こうした違いが文学の上にも明らかに出てくるのだなと思いながら私はこの作品を読んだのでありました。
この作品はなんと、シラーが22歳の年に書かれた作品で、一躍文壇の寵児に躍り出た出世作になります。
そしてこの作品はドストエフスキーが10歳の時、演劇でこの『群盗』を観て生涯忘れえぬ衝撃を受けたとされている作品です。
これは名作です。『カラマーゾフの兄弟』に関心のある人はもちろんですが、そうではない人もシラーのこの作品を読む価値は間違いなくあります。面白い作品です。おすすめです。