松田隆美『煉獄と地獄 ヨーロッパ中世文学と一般信徒の死生観』~ダンテ『神曲』の参考書としてもおすすめ!

この本ではなぜ煉獄が生まれてきたのかということを時代背景からとてもわかりやすく解説してくれます。

やはり思想というのは何もないところからぽんと生まれてくるものではありません。必要とされる時代背景があるからこそ生まれてくるのだということをこの本では感じることができます。

煉獄が生まれてきたのは12世紀頃とこの本では語られます。

そしてダンテが『神曲』を書いたのが14世紀初頭ということで200年ほどのスパンがあります。

この本を読めばダンテが何を参考にして作品を作り上げていったのかがわかるおすすめの参考書です

ダンテ『神曲 天国篇』あらすじと感想~「天国・浄土の生活はつまらない」問題について考えてみた

ダンテの『神曲』は中世の人々の死生観を考える上でものすごく興味深い作品でありました。

この記事では「天国・お浄土はつまらない」問題について考えていきます。

『地獄篇』『煉獄篇』『天国篇』と続けて読んできましたが日本の地獄と浄土と比べながら読むのもとても刺激的なものになると思います。ぜひ仏教とセットで読んで頂けましたら幸いでございます。

ダンテ『神曲 煉獄篇』あらすじと感想~煉獄はいつから説かれるようになったのか。中世ヨーロッパの死生観とは

前作『地獄篇』で案内人ウェルギリウスと共に地獄を巡ったダンテは、今作で煉獄という場所を巡ることになります。 煉獄は天国でも地獄でもなく、いわばその中間にある場所です。天国へ入る前に身を清めるための場として煉獄はあったのでした。 この記事では作品の流れと、その煉獄とはいかなるものかについてお話ししていきます。

ダンテ『神曲 地獄篇』あらすじと感想~仏教の地獄との比較も面白いイタリア文学最高の古典

『神曲』といえば誰もがその名を知る古典。ですがこの作品がいつ書かれて、それを書いたダンテという人がどのような人物だったのかというのは意外とわからないですよね。

この記事ではダンテはどんな時代に生き、どのような背景の下この作品を書いたのか、また、この作品で描かれる地獄の最下層がなんと氷漬けのキンキンの世界だったことに衝撃を受けた私の感想をお話ししていきます。仏教の地獄と対比して読んでいくと非常に興味深い作品です。

ボッカッチョ『デカメロン』あらすじと感想~ペスト禍を舞台にしたルネサンス文学の傑作ーダンテ、ペトラルカとのつながりも

ダンテ、ペトラルカ、ボッカッチョはイタリアルネサンス文芸の三巨星と呼ばれる存在です。

この三人の生涯や思想のつながりを考えながら読んでいくとものすごく面白いです。かつて漠然と読んでいた『デカメロン』が全く違う作品のように感じられました。

現在も続くコロナ禍ではありますが、この作品もペストという悲惨な疫病が広まった世界が舞台となっています。そういった意味でもこの作品は注目されることになるかもしれません。ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。

ペトラルカ『無知について』あらすじと感想~ルネサンス人文主義とは何かを知るのにおすすめ!

この作品はペトラルカの実体験から生まれた作品です。いわれなき中傷を受けたペトラルカがそれに対する反論として発表したのが今作であり、しかもそれがルネサンス文学の宣言書でもあるというのですからペトラルカの文才には驚くしかありません。

『無知とは何か』はルネサンスとは何かを知る上でも非常に重要な示唆を与えてくれる作品です。ペトラルカその人だけでなく、ルネサンスに興味ある方にもぜひぜひおすすめしたい作品です。

ペトラルカ『ルネサンス書簡集』キケローへの手紙がとにかく面白い!ルネサンスを代表する文学者の文学愛とユーモアとは

当時の世間ではキケローやアリストテレスなどの古代の哲学者を神格視し、絶対的な存在として崇める流れがありました。ですがペトラルカはあえて彼ら賢哲も私たちと変わらぬひとりの人間であるという見方をします。キケローに対しても容赦なく皮肉をぶつけたペトラルカですが、これは逆に言えば愛あるこそです。神のように崇め奉るのではなく、尊敬する一人の人間として接しようという彼の思いが感じられます。

この記事では思わず笑ってしまうペトラルカのユーモア溢れる手紙をご紹介します

近藤恒一『ペトラルカ-生涯と文学』~読書のカリスマ!ルネッサンスをもたらしたイタリアの大文学者の生涯と思想とは

ルネサンスの始まり、「読書のカリスマ」ペトラルカ。このお方は非常に興味深い人物です。

そんなペトラルカの生涯や思想を知るのに近藤恒一著『ペトラルカ-生涯と文学』は最高の一冊です。

ルネサンスだけでなく、読書とは何かということも感じられる名著です。読書人の皆様にはぜひおすすめしたいです。読書狂の先達がここにいます。読書のカリスマがここにいます。ぜひペトラルカという人物と出会ってみてはいかがでしょうか。

【パリ旅行記】(1)ドストエフスキーとトルストイの眼で眺めるパリ~彼らはパリに対してどんな思いを持っていたのだろうか

ドストエフスキーは1862年、トルストイは1857年にそれぞれパリを訪れています。

彼らはそこで目にした出来事やそれらに対する思いを書き残し、後の作家活動の糧としていました。

この記事ではそんな二人を通して今回の私の旅についての思いをお話ししていきます。

桑木野幸司『ルネサンス 情報革命の時代』~知の爆発はいかにして起こったのか!知的好奇心がスパークする名著!

この本はルネサンスというわかるようでなかなかわからない時代を「メディア革命」という切り口で見ていきます。

私は本が大好きです。そんな本好きの私にとって、本がいかにして世界を変えてきたのかということを知れたのは最高に刺激的でスリリングな体験となりました。

これは面白いです。

ルネサンスに興味がある方、本が好きな方にぜひぜひおすすめしたい名著です!ものすごく面白いです!

知的好奇心がスパークする作品です!ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。