辻昶『ヴィクトル・ユゴーの生涯』概要と感想~フランスの偉人ユゴーのおすすめ伝記!

この作品はフランスの偉大なる文豪ヴィクトル・ユゴーの伝記です。著者の辻昶

氏はユゴーの『レ・ミゼラブル』や『九十三年』などの翻訳を手掛けたフランス文学者です。

ユゴーの波乱万丈の生涯を単行本1冊にぎゅぎゅっとまとめたこの作品は非常に貴重なものだと思います。読みやすさも抜群ですのでぜひおすすめしたいです。

スタンダール『赤と黒』あらすじと感想~19世紀フランス社会を知るのにおすすめの傑作小説!名言の宝庫!

この作品ではまさに一九世紀前半から中頃にかけてのフランス青年の成り上がり物語が描かれています。

そして興味深いのがその成り上がりに「恋愛」が大きなウエイトを占めているという点です。

ナポレオンも下級貴族から自分の才覚で皇帝まで成り上がりました。そしてそれと同じように今作の主人公ジュリアン・ソレルも成り上がりを目論みます。

その手段として恋愛があり、それを足掛かりに一気に階級上昇を狙うという社会風潮がたしかにあったのがこの時代のフランスだったのでした。そんなフランス事情を知れるおすすめの作品です

W・D・リット『スタンダールの生涯』~ナポレオンのモスクワ遠征にも従軍したフランスを代表する作家のおすすめ伝記!

私もこの伝記を読んで驚いたことがたくさんありました。

そもそもスタンダールという名前がペンネームであったことや、ナポレオンとのつながりについても非常に興味深いものがありました。

特にスタンダールがあのモスクワ遠征に従軍していたという事実には仰天しました。

19世紀フランス文学を知る上でもスタンダールは避けては通れない存在です。そのスタンダールの生涯をわかりやすく知れるこの伝記は非常におすすめです。面白いです。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

『ナポレオン言行録』読書は世界を制す?文学青年ナポレオンと読書~文豪達はなぜナポレオンに憧れたのか考えてみた

この作品はナポレオンが遺した手紙や言葉をパリの歴史家オクターヴ・オブリが編集したものになります。

この作品を読んでいて印象に残ったのはやはりナポレオンの言葉の強さでした。ナポレオンといえば軍人というイメージが強いかもしれませんが、驚くべきことに圧倒的な文才も兼ね備えていたのです。

ナポレオンが鬼のような読書家であったこと。そしてそこから多くのことを学び、人々の心を動かし皇帝にまでなったということ。

そのことをこの作品では知ることができます

マイク・ラポート『ナポレオン戦争』~ナポレオン戦争の特徴を様々な観点から見ていくおすすめ参考書!

この本は「ナポレオンの天才的な軍事作戦」を解説するタイプの本ではありません。それよりもこの戦争が起きた背景や、戦争遂行に必要な様々なものをじっくりと見ていく作品になります。

ナポレオン一人の存在で戦争が起こったのではなく、すでに十八世紀の国際状況がそれを誘発するものをはらんでいたということ。そしてナポレオンの天才ぶりばかりが強調されがちな中で、実はその戦勝の背景にある個々の兵士たちの存在が大きな意味を持っていたこと。それらをこの本では学ぶことができます。

A・ホーン『ナポレオン時代』~ナポレオンの生涯と特徴、社会への影響をコンパクトに学べるおすすめ解説書!

この本の特徴はナポレオンその人だけでなく、この時代の社会の様子も知れる点にあります。ナポレオンの登場によって社会はどのような影響を受けたのか、人々の暮らしはどのように変わったのかということを知ることができます。

軍人ナポレオンの足跡はもちろん、文化面まで幅広く見ていけるのはとてもありがたいです。

特に第5章の建築や、第7章の娯楽については他の参考書ではなかなか見ることがない内容だったのでこれは興味深かったです。

『ビジュアル選書 ナポレオン』~ナポレオンの入門書としておすすめの図版多数のガイドブック!

この作品の特徴は何と言っても図版の充実ぶりにあります。タイトル通り、ビジュアルと共に人物とその特徴を追っていくのが本書になります。

解説の文章も初学者でもわかりやすいように書かれ、当時の時代背景も語ってくれるのもありがたいです。

この作品はナポレオンを知る入門書として非常におすすめです。

分量も150ページ弱と、とてもコンパクトなものとなっています。

これはぜひぜひおすすめしたい作品です。

ヘミングウェイ『老人と海』あらすじ解説と感想~ノーベル文学賞を受賞した名作!キューバといえばこの作品

『老人と海』はヘミングウェイがピューリッツァー賞やノーベル文学賞を受賞することになった代表作で、キューバを愛したヘミングウェイの最高傑作として知られています。

この記事では新版の高見浩訳を中心にお話ししていきますが、解説の充実度、読みやすさ、表紙デザインなどの総合力で見るなら高見浩訳、シェイクスピアファンであるならば旧版の福田恆存訳をおすすめしたいです。

チェ・ゲバラ『マルクス=エンゲルス素描』~ゲバラはマルクス主義に何を思う?あのゲバラがマルクスの伝記を書いていた!

この作品はチェ・ゲバラのマルクス主義に対する立場がどこにあるかが非常に重要なポイントです。

まず、私たちはマルクス主義というとソ連を思い浮かべてしまいますが、ゲバラからするとソ連式マルクス主義は本来のマルクスから歪められているように見えていたようです。ソ連は硬直した官僚主義になっており、その実態はゲバラの理想とするマルクス主義とは異なっていました。

この記事ではゲバラがマルクス主義をどう考えていたか、そしてそれに対して私が何を思うのかをお話ししていきます

佐藤美由紀『ゲバラのHIROSHIMA』~チェ・ゲバラは広島原爆ドームを訪れ、何を思ったのか

私はこの本をぜひおすすめしたいです。

あのチェ・ゲバラが原爆ドームを訪れていた。そしてそこで語った言葉とは一体何だったのか。

この本ではそんなゲバラの広島訪問についてじっくりと見ていくことができます。

ゲバラを知っている方も、そうでない方もぜひ読んで頂きたい作品となっています。戦争、原爆のことを考える上で本当に大切なことをこの本では問題提起してくれています。

ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。