親鸞とドストエフスキー・世界文学

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

ルクレーティウス『物の本質について』あらすじと感想~古代ローマのエピクロス派哲学者による驚異の自然科学論!

ルクレーティウスは古代ローマのエピクロス派の哲学者です。同時代人にはあのカエサル(前100-44)やキケロ(前106-43)がいます。

私はこの作品を読み衝撃を受けました。

「2000年以上も前にすでにこんなことを言っていた人がいたのか!」とそれこそ度肝を抜かれました。

本紹介で「エピクロス哲学の原子論的自然観を詳述した科学的啓蒙書として現在無二の史料的価値をもつ作品である」と述べられているように、この作品は科学的思考が書かれた作品です。

恐るべき人物が古代ローマにいました。

古代ローマの文化水準の高さに改めて驚いた読書になりました。

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

オウィディウス『変身物語』あらすじと感想~ヨーロッパ芸術に巨大な影響を与えた古代ギリシア・ローマ神話の短編集!

ウェルギリウスとオウィディウスという二人のローマ詩人の存在は後のヨーロッパ文化に凄まじい影響を与えることになりました。まさにヨーロッパ芸術の源泉たる二人です。その二人の作品を読むことができてとても興味深い体験になりました。

これらを読めばヨーロッパの絵画や彫刻、文学と接した時に「あ、これか!」となる機会が増えること間違いなしです。すでにわたしはそんな場面にどんどん遭遇しています。これは面白いです。
この記事ではそんな『変身物語』とベルニーニ、ドストエフスキーとのつながりもお話ししていきます。

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

ウェルギリウス『アエネーイス』あらすじと感想~古代ローマの建国神話!ギリシアとの関係性も知れるラテン文学の傑作!

かつて繁栄していたギリシア国家。しかし今や地中海を支配しているのは我らがローマである!今ここで必要なのは何か。それはギリシアを超える建国神話だ!それがあることでローマ人としての誇り、精神の源泉を求めることができるだろう!

そこで現れたのがウェルギリウスでした。彼はまさしくこの作品でローマ人の誇りを生み出す建国神話を創造したのでした。

『アエネーイス』を読めば、ウェルギリウスが『イリアス』や『オデュッセイア』など、ギリシアを強烈に意識して書いているのがはっきりわかります。

ぜひ三冊セットで読まれることをおすすめします

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

映画『テルマエ・ロマエ』あらすじと感想~古代ローマを学んでから観たこの映画が想像以上に素晴らしかった件について

私はかつてこの映画を観たことがありました。ですが今回ローマ帝国のことを学んでから改めてこの映画を観たことで、前回とは全く違った印象を受けることになりました。

もちろん何度観ても面白いです。笑えます。阿部寛さんのローマ人ぶりは最高です(笑)

ですが、今やそれだけではなくなったのです。

笑えるシーンが満載のこの映画ですがローマ帝国の繁栄、衰退についても丁寧に描かれていたということを改めて感じたのでありました。

ローマ帝国の歴史を学んでから観た『テルマエ・ロマエ』は想像をはるかに超えた名作でした

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

P・マティザック『古代ローマの日常生活』~古代ローマ人はどのように暮らしていたのか!刺激的なおすすめ参考書

この本は紀元137年、ハドリアヌス帝治世下のローマの一般庶民の生活について語られた作品です。

この本では古代ローマ人の職業や暮らしが生活感たっぷりで語られます。まるで彼らの生活を覗いているかのような気分になれる作品です。

繁栄を謳歌していた古代ローマの喧騒が聞こえてくるかのようです。活気が溢れ雑多な人々が行き交うローマ。あの高名なフォア・ロマーノも人でごった返すカオスだったのだろうかと想像するとゾクっとするものがありました。

ものすごく面白い本でした。知的好奇心がこれでもかと刺激される逸品です。

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

カエサル『ガリア戦記』あらすじと感想~ローマ帝国の英雄による不滅の傑作!弁論の達人キケロも羨むその文才!

カエサルはローマ帝国を代表する英雄です。カエサルといえば「賽は投げられた」、「ルビコン川を渡る」、「来た、見た、勝った」、「ブルータス、お前もか」などの言葉でも有名ですよね。

そしてそのあまりのカリスマぶりは多くの作品でも取り上げられ、あのシェイクスピアも『ジュリアス・シーザー』という傑作を残しています。

ローマの雄弁家キケロが絶賛するしかなかったカエサルの『ガリア戦記』。ぜひその名著を読んでみたいと手に取ってみたのですがこれは大正解。「こんな作品が古代ローマにあったのか」と驚くことになりました。英雄カエサルは文才も超一流でした。

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

A・エヴァリット『アウグストゥス ローマ帝国のはじまり』~カエサル亡き後のローマを知るのにおすすめの伝記

アウグストゥスは英雄カエサルに比べると派手さはありませんが、カエサルにもできなかったことをどんどん成し遂げていきます。そんな彼の力には驚くしかありません。

そしてカエサル亡き後にこのアウグストゥスと熾烈な権力闘争を繰り広げたアントニウスはシェイクスピアの傑作悲劇『アントニーとクレオパトラ』の主人公でもあります。

私がローマ帝国をもっと学んでみようと思ったきっかけがシェイクスピアのこの作品だったのですが、この作品は時代的にまさにドンピシャの伝記となっています。

シェイクスピアが語った悲劇と実際の歴史はどれくらい違うのかということを考えながら読むのもとても楽しかったです。

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

A・エヴァリット『キケロ もうひとつのローマ史』~古代ローマの哲学者キケロのおすすめ伝記!

キケロは古代ローマの哲学者、弁論家として有名ですが、彼はあのカエサル(前100年頃~前44)とまさしく同じ時代を生きた政治家でもありました。

ローマ帝国と言えばカエサルというイメージが強い中、この本では主人公キケロを中心にローマ史を見ていきます。英雄の物語ではなく、ある意味敗者と言ってもいいキケロから見た古代ローマを見ていけるこの作品は非常に興味深いものがありました。

独裁を目指したカエサル。それに対し共和制を守り、立て直そうとしたキケロ。

この本はこの2人の立場の違いがはっきりとわかる名著です!

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

エドワード・ギボン『ローマ帝国衰亡史』~ローマはなぜ滅びたのかを考察!偉人達も愛した歴史書の名著!

1776年に発表された『ローマ帝国衰亡史』は時代を超えて読み継がれてきた名著で、チャーチルやネルー、アダム・スミスら錚々たる偉人達にも愛されてきた作品です。

あれほどの繁栄を誇ったローマ帝国がなぜ崩壊していったのか。

単に蛮族が侵入したから崩壊したという単純な観方でいいのだろうか。

繁栄を謳歌するローマ帝国内で何が起こっていたのか。

それらを考えるのにこの作品はうってつけです。

そして歴史の流れを追いながら現代にも通ずる教訓がこの本では語られます。これが深いのなんの・・・!

小説のように読みやすいギボンの文章に加えて様々な考察が語られていく本書はやはり名著中の名著です。

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

佐藤幸三『図説 永遠の都 カエサルのローマ』~フォロ・ロマーノのおすすめガイドブック!

この本はあのカエサルの歴史と共に古代ローマ帝国の中心地フォロ・ロマーノを見ていくガイドブックになります。

この本はとにかく写真や図版が大量に掲載されていて現地の様子をイメージするのにとても助かります。

また地図も充実していて、何がどこにあるのかというのも知ることができます。そしてそれらひとつひとつの歴史もこの本では学ぶことができます。

これは現地で実際に歩く際に非常に役に立つものと思われます。