仏教書データベース

ヒンドゥー教巡礼インド思想と文化、歴史

立川武蔵『ヒンドゥー教巡礼』~インドの聖地を巡り、ディープな宗教的世界を感じられる作品

実は私も近々インドを訪れる予定です。この本を読んでいると、インドへの興味がどんどん増していきます。これまで知らなかったインドの聖地や文化をこの本で学ぶことができました。この本に出ていた聖地にぜひ行ってみたいと私は今思っています。僧侶である私にとってインドの仏跡は馴染み深いものではありましたが、ヒンドゥー教の聖地となるとほとんどわかりませんでした。ですがこの本のおかげで「ここはぜひ行きたい!」というビジョンがはっきりとしてきました。これはありがたい案内書です。新書ということで手にとりやすく、写真も豊富ですので気軽に楽しめる素晴らしい一冊です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

古代インドの神秘思想インド思想と文化、歴史

服部正明『古代インドの神秘思想 初期ウパニシャッドの世界』~ショーペンハウアーとインド思想のつながりも知れる名著

この本は古代インド思想の奥義とも言えるウパニシャッド哲学について説かれた作品です。

そしてこの記事のタイトルにも書きましたように、この本の序盤では古代インド思想とショーペンハウアーのつながりについても説かれます。

これまで当ブログでもショーペンハウアーについて見てきましたが、彼と古代インドのつながりやそれがヨーロッパ社会に与えた影響も詳しく知れたのはとても興味深かったです。

そしてこの本のメインテーマ、ウパニシャッドについてですが、やはり手強い相手です。古代インド思想という、私たちがなかなか接することがない何とも謎な存在ですが、この本では難解な哲学としてというより、神秘思想とのつながりを中心に解説されていきます。

インド神話物語百科インド思想と文化、歴史

M・J・ドハティ『インド神話物語百科』~ヒンドゥー教の大枠や時代背景を知れるおすすめ解説書!

この本を読んでいると、ヒンドゥー教の死生観や来世観についても知ることになります。当時の時代背景と絡めながらそれらのことを考えていくと、仏教というものがまさに「インドの文脈」から生まれてきたのだということを強く感じることになりました。

仏教の思想やそこで使われる用語、概念がまさにヒンドゥー教の世界から生まれてきたのだということを改めて実感したのです。仏教から遡りインドの歴史や文化を知ることで見えてくるものがある。それを確信した読書になりました。これは面白いです。仏教に対する新たな視点をくれる素晴らしい作品だと思います。

ヒンドゥー教インド思想と文化、歴史

森本達雄『ヒンドゥー教―インドの聖と俗』~インド入門におすすめ!宗教とは何かを考えさせられる名著!

謎の国インド。同じアジアでありながら異世界のようにすら思えてしまうインドについてこの本では楽しく学ぶことができます。著者の語りもとてもわかりやすく、複雑怪奇なインド世界の面白さを発見できます。「なぜインドはこんなにも独特なのか」ということを時代背景と共に知ることができますのでこれは興味深いです。

これは面白い本でした。どんどんインド沼にはまりつつある自分を感じています。

ぜひぜひおすすめしたい一冊です。

ことばと呪力インド思想と文化、歴史

川村悠人『ことばと呪力 ヴェーダ神話を解く』~意外と身近な「ことば」の力とは?私達の日常とも繋がる発見が満載!

『「専門知を一般へ」という標語のもと、できるだけわかりやすいことばで書いています。』という言葉通り、この本はとても読みやすいです。

そしてこの本で特に面白いなと思ったのが時折出てくる漫画のお話です。特に週刊少年ジャンプの『BLEACH』と絡めて古代インドが語られるのはものすごく面白かったです。私もこの漫画が好きで、「おぉ!あれはそういうことだったのか!」とわくわくしながら読みました。他にも私たちに身近な例をいくつも示して下さるので、遠い世界だと思っていた古代インドがとても親しみ深く感じられてきます。

ことばというものを改めて考えてみるきっかけとしてこの本は非常に素晴らしいものがあると思います。そして普段接することのない古代インドの歴史や文化も楽しく学べるありがたい作品です。

インダス文明インド思想と文化、歴史

上杉彰紀『インダス文明 文明社会のダイナミズムを探る』~謎多き古代インドの複雑さを学べる参考書

私たちは「インドで仏教が生まれた」というと、何か新しいものが独立して生まれてきたという風に考えてしまいがちです。

ですが実際にはそうではなくインダス文明、いやさらに言えば世界の歴史と密接に絡み合って仏教は生まれてきました。

私もこうしてインダス文明を学ぶまでは仏教とインダス文明というものをつなげて考えるということにはほとんど意識が向いていませんでした。

ですがこの本を読んで改めて人類の歴史の壮大さ、ダイナミズムを感じることになりました。やはりインドは面白い!

謎多きインダス文明の様々な姿を知れる面白い作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

インダスインド思想と文化、歴史

『NHKスペシャル 四大文明 インダス』~貴重な写真や図版多数!入門書におすすめ!

この本はNHKスペシャルの取材が基になった作品で、インダス文明のおすすめの入門書となっています。

この本ではドービードーラーという当時発見されたばかりの貴重な遺跡や、インダス文明全体の貴重な写真や図版がたくさん紹介されています。また、普段私たちがなかなか触れることのない古代インドの世界をわかりやすく解説してくれます。私はこの本がインダス文明の本では一番最初に読んだ本でしたが、スムーズに読んでいくことができました。入門書として非常にクオリティーの高い逸品です。

インド思想と文化、歴史

サティシュ・クマール『君あり、故に我あり』~ジャイナ教の視点から見た共存共生の人生哲学とは

サティシュ・クマールの思想は世界を様々なつながりから見ていく広い視野が特徴です。これは読んで頂ければすぐにわかると思います。決して難しいことは書かれていません。むしろその読みやすさに驚くと思います。ですだだからといってその教えが浅くて軽いものだということは決してありません。その教えの深さに思わず頭が下がるほどになることは間違いありません。

これはものすごい名著です。ぜひおすすめしたい1冊です。

インド思想と文化、歴史

シューマッハー『スモール・イズ・ビューティフル』~仏教経済学を提唱!経済成長至上主義の現代のあり方に警鐘を鳴らした作品

シューマッハーはイギリスを拠点にした経済学者で、際限なく拡大する経済に警鐘を鳴らし、自然との共存を前提とした経済に移行することを提唱しました。

そしてなんと、シューマッハーは「仏教経済学」なるものをこの本で説きます。仏教的な世界の見方を通して持続可能な経済を求めていく、そうした説を彼は提唱するのです。

西欧をまるまま「理想視」する傾向が未だに強いように感じる昨今、こうした問題提起を与えてくれる本書はとても貴重なものなのではないでしょうか。ぜひおすすめしたい一冊です。