仏教書データベース

インドで考えたことインド思想と文化、歴史

堀田善衞『インドで考えたこと』~インドには「おっかない顔」がある…日本を代表する作家の傑作インド紀行!

この本は出版から70年近く経った今も全く色あせるものがありません。ものすごく面白いです。

人間の精神の奥底に入っていくような深い洞察だけでなく、思わずくすっと笑ってしまうようなユーモアも散りばめられています。これは極上の旅行記です。

この本を読めばあなたも「インドへ行ってごらんなさい」という声に誘われるかもしれません。

インドインド思想と文化、歴史

インドの歴史・宗教・文化について知るのにおすすめの参考書一覧~知れば知るほど面白いインド沼へ

この記事では私がおすすめするインドの参考書をご紹介していきます。

当ブログでは現在『【インド・スリランカ仏跡紀行】仏教聖地を巡る旅~インドに呼ばれた私はそこで何を感じたのか』を連載していますが、これから紹介する本達には私も強い影響を受けています。

スリランカスリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

仏教国スリランカを知るためのおすすめ本一覧~仏教・歴史・文学など、知られざる魅力をご紹介!

私はスリランカの仏教を学び、衝撃を受けっぱなしでした。まさかと思うことがどんどん出てきます。私の仏教観を根底から覆したと言ってもよいでしょう。

スリランカは面白い!私はまさにこの国の仏教やその歴史、文化にすっかり夢中になってしまいました。この記事ではそんなスリランカについてのおすすめ本を紹介していきます。

インド仏跡インドにおける仏教

インド仏教をもっと知りたい方へのおすすめ本~入門から専門書まで私がぜひおすすめしたい逸品を紹介します

この記事ではブッダやインドの仏教を知る入門書としておすすめの作品を紹介し、その後はもっと仏教を知りたい方におすすめの参考書を厳選してご紹介していきます。

私のチョイスする参考書は仏教書としては一風変わったラインナップになりますがきっと皆さんの新たな発見のお役に立てるのではないかと確信しております。

仏教の思想8中国仏教と思想・歴史

『仏教の思想8 不安と欣求〈中国浄土〉』~曇鸞、道綽、善導の思想と生涯、時代背景も知れるおすすめ参考書!

本書では曇鸞、道綽、善導の思想だけでなく彼らの生涯や時代背景も知ることができます。当時の中国の政治情勢あってこその仏教ということがよくわかります。度重なる戦乱や仏教弾圧の中で中国浄土教が発展し、善導の時代には繁栄極める国際都市長安の繁華街で善導浄土教が支持を受けていくという流れは非常に興味深かったです。やはり歴史に名を残す偉人たちと時代背景のつながりというのは面白いです。浄土真宗僧侶としてはどうしても親鸞や法然と向き合う時間が長くなってしまいがちですが、その源流を辿るというのもやはり大きな意味を感じます。源流を辿るからこそ親鸞の特徴や独自性が見えてくるというものです。

そういう意味でも本書は親鸞を学ぶ上でも非常に貴重な作品ということができるでしょう。

仏教の思想5日本仏教とその歴史

『仏教の思想5 絶対の真理〈天台〉』~法華経の思想や中国、日本の天台の流れを知れるおすすめ解説書!

天台といえば私たち日本人は比叡山延暦寺の最澄が開いた天台宗をイメージしますが、その源流は紀元1世紀から2世紀にかけてインドで生まれた『法華経』にあります。『法華経』の教えはインドから中国を経て日本に伝えられました。

本書ではそんな『法華経』の歴史や思想内容について知れるおすすめ作品です。

また、本書では時代背景なども絡めて語られますので、大きな視点から天台仏教を見ていけるのも魅力です。日本仏教の基礎を考える上でも天台宗や法華経を学ぶことは非常に重要であると私も思います。本書はその入り口として最適の一冊です。ものすごく面白いです。

仏教の思想4インドにおける仏教

『仏教の思想4 認識と超越〈唯識〉』~大乗仏教思想の最高峰を学ぶのにおすすめの解説書!

前回の記事で紹介した『仏教の思想2 存在の分析〈アビダルマ〉』では上座部仏教(正確には説一切有部)の仏教哲学の頂点であるアビダルマについて解説されましたが、本作『仏教の思想4 認識と超越〈唯識〉』は大乗仏教思想の最高峰とされる唯識思想についてのおすすめの参考書です。

本書ではまず唯識とはそもそも何なのか、どのような流れから生まれてきたのかということを歴史的な側面から見ていきます。いきなり難解な思想の話から始まっても私たち読者からすると厳しすぎます。というわけで本書は入門書ということで、まずは唯識の難解な哲学よりもその成立過程を見ていき、その大まかな全体像を掴んでいくことから始まります。これは読んでいて非常に助かりました。

仏教の思想3 アビダルマインドにおける仏教

『仏教の思想2 存在の分析〈アビダルマ〉』~なぜアビダルマや倶舎論は大切なのか。その意義は?おすすめ解説書!

本書『仏教の思想2 存在の分析〈アビダルマ〉』は「仏教の思想シリーズ」の第二巻になります。このシリーズは仏教思想入門として長らく愛され続けてきたベストセラーで、私が教えを受けている仏教学の先生もこのシリーズを推薦しています。

本書ではアビダルマという、一般読者だけでなく私たち僧侶にとっても巨大な壁となっている存在がテーマとなっています。「アビダルマ=難解、煩瑣」なイメージがすでに出来上がってしまっていますが、このアビダルマという仏教思想が大乗仏教を学ぶ上でもどれだけ大きな意義があるかを本書では知ることになります。

大乗仏教 佐々木閑インドにおける仏教

佐々木閑『大乗仏教 ブッダの教えはどこへ向かうのか』~日本仏教のそもそもを考える上でも重要な一冊!

「大乗仏教という言葉は知っているし、自分たちの住む日本が大乗仏教国であることも知っている。しかし、その大乗仏教というのがいったいどのような教えなのかは、さっぱりわからなかった。」
これは一般読者だけでなく、実は僧侶自身も同じ思いの方が多いのではないでしょうか。
と言いますのも、僧侶である私たちも仏教の基本を学ぶのでありますがやはり自分の宗派の教義の勉強が中心となってしまいます。
もちろん、大乗仏教とは何かや日本の主だった宗派の特徴などは習っていますが、その成立過程や経典、教義の細かい所まではなかなか立ち入れないというのが正直なところです。
そういう面でも本書はどの宗派の僧侶にとっても非常に意義のある解説書となっています。

出家とはなにか 佐々木閑インドにおける仏教

佐々木閑『出家とはなにか』~そもそも僧侶とは何なのか。日本仏教や戒律について考えるためのおすすめ参考書

本書『出家とはなにか』はその書名通り、出家とはそもそも何か、僧侶とは何かということを見ていく作品です。商品紹介の「律蔵やパーリ律を基本資料として」という言葉から本書は何やら難しそうだなという印象を受ける方もおられかもしれませんがご安心ください。佐々木閑先生の語り口は非常にわかりやすく、とても読みやすいです。

また、この本ではそうした日本仏教の独自性についても語られます。やはり比べてみるからこそ見えてくるものがあります。インドやスリランカの初期の仏教の生活実態もこの本では詳しく見ていけるのでとても刺激的です。