中村元選集第13巻『仏弟子の生涯』~最初期のブッダ教団にはどのような人がいたのか。その出自や性格を知るのにおすすめ
仏弟子といえば舎利弗や目犍連、摩訶迦葉を筆頭とした十大弟子が有名ですが、この本では彼ら十大弟子だけではなく、教団に所属していたたくさんの修行者たちの姿も知ることができます。
この作品では最初期のブッダ教団がどのような雰囲気だったのかを知ることができます。原始仏教について学ぶ上で非常にありがたい作品でした。
仏弟子といえば舎利弗や目犍連、摩訶迦葉を筆頭とした十大弟子が有名ですが、この本では彼ら十大弟子だけではなく、教団に所属していたたくさんの修行者たちの姿も知ることができます。
この作品では最初期のブッダ教団がどのような雰囲気だったのかを知ることができます。原始仏教について学ぶ上で非常にありがたい作品でした。
この本はインドの宗教を学ぶ上で非常にありがたい参考書です。
と言いますのも、この本ではインドに多数ある宗教をそれぞれ別個に見ていくのではなく、その相互関係に着目して語っていく点にその特徴があるからです。
インド古代のバラモン教と仏教、ジャイナ教の関係。そこから時を経てヒンドゥー教とイスラム教が力を増す背景とは何だったのか。なぜ仏教は衰退したのか、そしてその姉妹宗教と言われるジャイナ教はなぜ今も生き残ることができたのか。これらを時代背景や宗教間の相互関係から見ていけるこの本は非常に貴重です。宗教は宗教だけにあらず。歴史や文化、政治経済すべてが関わります。この本ではそんな歴史のダイナミズムを感じることができる非常に刺激的な作品です。
実は私はこの本を読むまで、中村元先生その人のことをほとんど知りませんでした。ですが、この本を読んで驚いたのですがまさに異次元とも言える業績を残された方でありました。
この本を読んで、大きな視点で世界を見ていく中村元先生のあり方に私も心打たれるものがありました。
この本は仏教とは何かを考えさせられる、非常に大きな意味を持った作品です。ぜひぜひおすすめしたい一冊です。先生の異次元の業績に驚くこと間違いなしです。
ヒンドゥー教において聖地巡礼は非常に大きな意味を持っています。インドにおける聖地として有名なのはバラナシのガンジス川ですが、他にも多くの聖地があります。この本では私達日本人にとってあまり馴染みのない聖地が出てきます。特に5000メートルを超える山々にある聖地はそこに行くだけでも非常に過酷です。時には命がけの巡礼にもなるこうした聖地をインドの人々はどんな思いで歩いているのか。体の弱い私には不可能であろうインドのあまりにディープな世界をこの本では知ることができます。
この本はまずインドの先史時代から始まり、インダス文明、アーリア人の侵入、バラモン教の発展など、仏教が生まれ、衰退するまでの過程を詳しく知ることができます。なぜ仏教は生まれたのか、どのような人にブッダの教えが響いたのか、どのようにして仏教教団がインドに広がっていき、最後には衰退することになってしまったのか、それらの大きな流れをわかりやすく学ぶことになります。
仏教の教えや思想を解説する本はそれこそ無数にありますが、それらの思想が生まれてきた時代背景や気候風土をわかりやすくまとめた本は意外と少ないです。この本は私達日本人にとって意外な発見が山ほどある貴重な作品です。これを読めばきっと驚くと思います。
この本ではインドの思想がその独特な気候や風土から大きな影響を受けていることを知ることができます。インドではなぜ無限の宇宙的な哲学が生まれたのか、なぜインド人は多神教的な宗教を信仰するのか、そうしたことを自然や風土という切り口から見ていけるこの作品は非常に刺激的です。
文化や思想、宗教は自然環境と無縁ではいられない。この解説には思わず「なるほど!」と膝を打ってしまいました。
この本では他にもモンスーン気候や乾季、雨季、森などインド思想を考える上で非常に興味深いことが語られます。
これは面白いです。インドだけでなく、あらゆる宗教、思想、文化を考える上でもとても重要な示唆を与えてくれる一冊です。
中村元先生は思想だけではなく、その時代背景も詳しく語ってくれる先生です。ですので六師外道が生まれてきた背景やそこからブッダが活躍するまでの流れもこの本では知ることができます。ブッダもたったひとりで全ての思想を生み出したわけではありません。六師外道をはじめとした優れた思想家たちとの切磋琢磨を経て思想を生み出しています。こうした思想形成の流れを知る上でも六師外道やジャイナ教を学ぶことは大きな意味があると思います。
ぜひおすすめしたい作品です。
この本はインド初学者でも楽しく読み進めることができるとても面白い作品です。語られる内容も多岐にわたっていますので、きっと読者ひとりひとりにぐっと来る章が必ずあると思います。
私の中で一番印象に残ったのは第十章の「カレー文化論―南アジアの統一性」です。インドといえば「カレー」というのは私もイメージとして強くあったのですが、ではいざ「そのカレーってそもそも何なのだろう」と聞かれるとなかなか難しい。漠然としか「カレー」という存在を考えたことのなかった私にとってこの章はとても刺激的でした。まさかカレーがインド文化そのものを知る大きな鍵となっていたとは!
とても刺激的で面白い作品です!
本書は中村元先生の講義録を基にして作られた作品です。中村元先生は1999年に亡くなられました。その中村元先生の講義の雰囲気を感じられる本書はまさに貴重な一冊となっています。
中村元先生の教えは仏教を思想だけでなく、時代背景や実際にインドを訪れた体験を通して語るところにその特徴があります。初学者でもわかりやすい言葉で興味深い内容をたくさん語ってくれる中村元先生です。仏教の入門書としてまず間違いないでしょう。
この本は仏教の基本を学びたい方への格好の入門書です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
私たちは何もを以て「聖なるもの」を感じるのでしょうか。そもそも「聖なるもの」とは何なのか。
この本ではそれを「具体的に」見ていきます。水や火、大地、食べ物、聖像、舞踊など様々な具体例を丁寧に見ていきます。
この本では写真も多数掲載されていて、まるで異世界を見ているかのような気持ちになります。こういう世界が現実に今もなおあるのだと驚くと思います。
そうした驚きが自分たちの宗教や文化との新たな出会いも促してくれるのではないでしょうか。
宗教を学ぶ入門書としてもこの本は非常に優れていると思います。ぜひおすすめしたい作品です。